■ 神奈川新英研5月春の1日研修会
2004年5月
5月22日、横浜ランドマークにて、参加者25名。
参加者の近況報告(授業での悩み/最近授業で取り組んでいることなど)
参加者の近況報告(授業での悩み/最近授業で取り組んでいることなど)
●講演
「英語教育の中に異文化コミュニーケション教育をどう取り入れるか」
荒木 晶子さん(桜美林大学教授)
講演を通じて、参加者はそれそれのコミュニケーション観ができたようでした。
- クイズ
・コミュニケーションクイズ:「みなさんの一日の出来事のなかでコミュニケーションだと思うもの○をつけてください」という問いで15項目に○×をつける。そのあとグループになってどれに○をつけたかをもとに議論。 - ゲーム
・シミュレーションゲーム「アルバトロス」:荒木先生とドイツからの留学生マテウス君がアルバトロスという土地の人になり、参加者の男女6名ずつ、計12人はその土地を訪れた人という設定。 - 著書『異文化コミュニケーション・ワークブック』(共著、三修社)ほか
- ■参加者の感想
- 「『わかっているはず』ではなく『わからないはずだ』と考えるのがコミュニケーションの始まりだ」という言葉を聞き、ハッとしました。明日からの生徒への接し方が変わります。をきかせていただきました。また聴講させてください。
●実践報告(中学)
「中学入門期の授業―Readingを中心として」
船津 了さん(川崎市立川中島中学)
船津先生の授業は「日常に根ざし」つつ、「日常から飛躍」しています。身近な外来語の「パンツ」から「関東大震災の時の白木屋の火事」へとリンク。秋には「ベニスの商人」の音読へ! 英語の授業の醍醐味はまさにこの飛躍にあるのではないでしょうか。そして、生徒と問答することによって、「発見のある授業」「置き去りにしない授業」になっています。会報をまとめていて随所に「楽しい発見」がありました。
- (1)船津先生から
- ・校舎改築に伴う学校行事の集中:4月に修学旅行、5/17に体育祭をしてグラウンド改修、6/12に合唱コンクール+文化部の発表(英語はスピーチや歌、国語は弁論)。生徒が荒れていないのが救い。
- (2)ローマ字
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- 「パンツ」は何語?:黒板に「ぱんつ」と書いて「さて何語でしょうか?」と投げかける。
- カタカナ探し:次の時間までにノートに「これは英語だ」と思われるものを広告などから切って貼ってくるように指示(中には50近く見つける生徒もいる)。いかに多くの英語を日常生活で使っているかを理解させたい。
- 英字新聞を利用して:テレビ欄、天気、スポーツ欄は読みやすく興味が持てる。「時代劇」samurai dramaはナルホドと生徒も納得。
- (3)音読
- ・READ READ READの音読活動:本文内容理解の後で10〜15分を毎時間確保
- Chorus Reading(教師or CDのあとについて)
- Buzz Reading(個人/ペアそれぞれのペースで)
- Look up and read
- Dubbing (Overlapping)(CDの音に重ねて)
- 英語戻しリーディング:日本語を聞いて英語にする
- (4) フォニックス
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・フォニックス:「日本語の『あめ』『おかあさん』の『あ』は発音は常に(あ)だが、英語のbatとbaseballのaは(ア)(エイ)(オー)となっている」
- 基本ルール=「アブクド読みa(ア)b(ブ)c(ク)…」「bとv、rとlの区別」「uは(ア)の発音が多いので(ア)」
- 特別ルール=「allのaは(オー)」
- (5)テスト問題
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・中1の2学期中間テスト問題から
- ■参加者の感想
- ローマ字を中1の初期に扱いますが、今日の発表で小学校での扱い、英語に入っている日本語表記など、頭の中がすっきりした気がしました。音読の大切さも最近耳にすることが多く、自分の授業にも取り入れようとしているところです。参考になりました。
●実践報告(高校):
「授業を変える4つの試み」
田中 渡さん(埼玉県立鴻巣女子高校)
- (1)田中先生から
- ・前任校は深谷商業高校。現在の学校は3年目、2年生担任、教務主任。
・教員生活24年目。最初の12年間は組合活動に専念、35歳の時に向山洋一さんの本を読んだのがきっかけで「授業を頑張ろう!」と思うようになった。 - (2)授業改善のために
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- 教科書を通読し、年間計画を立てる+資料探し
- 授業での発問を考える(事前に最低でも10問)
- 「1年3組の授業規律」(生徒有志といっしょに作成)
- 学んだことやよいと思ったことはすぐにやってみる
- 新しいことに挑戦し続ける(私たちは実践家であるとともに研究者である)
- 授業ほどたのしい仕事はない=授業を楽しむ/発見のある授業/確実に学力がつく
- (3)4つの試み
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- 教科通信を発行する
- 1999年に小林よしのり氏の「戦争論」を読んだのがきっかけで、「負けるもんか」とパソコンに向かった。長期休業中に作り置きしている。
- 中国人戦争被害者の南京大虐殺についての証言やアレン・ネルソンの「戦争論」でベトナム戦争で幼い子どもたちが死体の山にいるお母さんから離れない話をすると、生徒は聞き入った。
- 深谷商業では「恋の一行詩」を通信に掲載。読み上げたらクラスは興奮のるつぼに。
- 自己表現に取り組む
- リレーノート
- ジャーナルノート
- 恋の一行詩、川柳・短歌。
- 5センテンス自己表現
- 平和についてのメッセージと意見文
- 「Show&Tell」ではパートナーがペットの写真を見せてまわったりしてサポート。
- 「3分間チャット」と題して英会話。会話の内容を報告書のシート記入、回収。
- 「グループ・レポート・ライティング」3〜5人で図書館で本を調べて平和についてレポート、クラス発表。
- 「ビデオドラマ」:3〜5分の作品を作る。
- 自主教材を用いる:「6000人の命のビザ(杉原千畝)」「ワイルドスワン(Life Under Japaneseという一節)」
- 授業方法を工夫する:
- グループ授業2002年度(2学期):滋賀の一宮和一郎先生の追実践:グループ(3人)で授業を30分進行。予習し、教科担任のチェックを受ける。
- グループ授業2003年度(3学期):一宮先生に直接アドバイスをいただき、『生徒が主人公になる授業』から『生徒と教師がともに創る授業』へ変えた。
- 教科通信を発行する
- ■参加者の感想
- レジュメ、非常に大作で感心致しました。こんなふうに授業ができたら生徒には印象深いものになるのではないかと思いました。すばらしいです。最近中学校は会話中心で、テキストをとことん読み込むというLessonが減っています。高校に進んだときに受ける学習レベルの差が大きそうだな、と思いました。
(連絡先:中村康雄)
(2004年11月30日 更新)
My name is Matsui. I am a baseball player. Ichiro and I are good friends. We always play baseball. We have many fans in Japan and in America. I speak a little English. I like sports.
予想される答え:
His name is Matsui. He is a baseball player. Ichiro and he are good friends. They always play baseball. They have many fans in Japan and in America. He speaks a little English. He likes sports.