■ 埼玉新英研6月例会

2004年6月
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 埼玉新英研本年度総会が6月12日(土)午後、岸町公民館第一講座室にてひらかれた。組織については、会長・菊地英以下、前年度と同様。決算予算、年間計画について了承された。財政について、繰越金を別途、積立金として、繰り出すこと、35周年として、準備金を拠出することになった。北部サークルとの連携、今後の活性化なども論議された。  続いて6月例会。参加者10名。

<実践報告1>「生徒をその気にさせる授業」

石井 輝(千葉新英研)

 この春、退職され、現在、千葉県内の県立高校と、白梅短期大学で講師をつとめている石井さんを千葉から迎えた。最後のクラスでは、思いがけなく、生徒さんから、花束贈呈があったとのこと。実際のレポートのタイトルは「心を通わせ、仲間と共に成長しあえる英語授業」であった。

 進学高校につとめた後、工業高校へ。当初、生徒との関係をどうつくるか、困難もあった。実習の場へ、足を何度も運ぶと、生徒はとても熱心に実習に取り組んでいる。しかし、生徒は、英語に劣等感を持っていて、英語の教師を敵対視するかのようであった。そこで、英語の時間が苦痛ではないような、さまざまな工夫をする。教科書にフリカナをふり、読めるようにし、できたら、ほめた。プリントは、無くしたり、忘れたりしてもしからず、余分なものを渡す ようにした。千葉での相沢実践をほうふつとさせる。

 生徒の気持ちがあらわれるような、5行詩や川柳づくりにもとりくみが紹介された。率直な教師批判もみられる。解放感が、教室にあるから奔放な作品が、できるのである。手塚治虫の「ゴッドファーザーの息子」からの紙芝居づくりが紹介された。教科書の英文を24に分け、班ごとで分担し、絵を描き、日本語と英語で発表した。メッセーッジのある教材として、「独裁者」へのとりくみの一つである。ていねいな資料を用意し、自己表現につなげている。

 生徒の感性を引きだす、新英研の実践の集大成であり、ていねいな、かかわりが、生徒が学び直す、機会になっている。なかなか、一人ひとりにきちんと向かいあうことが、できない現状のあるなか、貴重な実践である。

<実践報告2>「 楽しく、しっかり学び、力をつける授業~『地球市民』に育つために 」

根岸 恒雄(熊谷市立熊谷東中学)

 根岸実践は、たびたび、例会で報告されているが、今回は、最初に生徒がどう授業をとられたかということにふれ、学び方の支援、教科書の読み、自己紹 介ビデオ、ZERO LANDMINEのとりくみを報告された。2月に文科省の学力調査があった。英語が好きだという生徒が7割であった。

 その後、追跡調査を独自に行うと、単語のつづりと発音、文の仕組みに困難を持っていることがわかり、実践の軸にすえている。英語の力を高める基本は、意味のわかった文や単語を何度も発音すること、何回も筆写することとして、学習の仕方を生徒に指導している。

 音読に変化を持たせる指導は成果をあげている。リピーティング・ペースリーディング・シャドーイングを行っている。音読や筆写をポイント制にして、自宅学習では、500回読んできた者もいる。ベトナムへのビデオづくりや、 修学旅行でのとくみなど、活動を現実化する試みも大切だ。ベトナムとの交換 の成果を期待したい。

 総合の時間を使った ZERO LANDMINEの実践は、音楽の教師との連携ですすめられた。またNHKのジュニアスペシャルを、学活や道徳、他教科で見せて欲しいと依頼している。他教科との連携、あるいは、学年でのとりくみを可能にすることが、根岸実践の秀逸したところだ。

 教科書の内容を深めるうえで、よいテレビ番組などのビデオを補助教材として扱うことが重要だとされた。たとえ、よいビデオであったとしても、メディアのパワーは強大であることを実践者は、承知しておきたい。生徒がどう受けとめたか、フォローをし、グローバルな課題をきちんと位置づけることが大切である。根岸実践は、さらなるバージョンアップをとげて、大会でも報告される。

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(連絡先:浅川和也)
(2004年11月21日)