■ 九州ブロック集会

2008年5月
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2008年 九州ブロック春の研究集会(別府)


 九州ブロック研究集会が5月10,11日に行われました。
 九州での春期ブロック研究会は実に3年ぶりの開催でした。というのは2年前から新しく日韓英語教師合同研修会が始まり、2006年2月に佐世保で、2007年9月に釜山でと連続して釜山の先生方との合同研修会が開かれたためです。
 この合同の研修会も大きな刺激を受ける場となりましたが、今回の九ブロ集会もまた、実り多いものとなりました。宿泊会場である別府の豊泉荘はツツジの花が咲き、緑の美しい、しっとりと落ち着いた所でした。PTA集会や部活動の試合などで参加出来ない先生も多い中、九州各県から30名もの参加がありました。

1.講演

吉浦潤次先生(大阪府立交野高校)
 演題は「生徒を授業にひきつける工夫」で、映画を使った授業や音声指導重視の英語劇の実践などDVD見ながらのお話でした。先生の映画にかける情熱に触れ、参加者一同、すっかり吉浦ワールドに浸っていました。先生のこのような実践は実は卓越した英語の実力と素晴らしいITの技術があるからこそ生まれてくるのであって、一朝一夕に誰にでも出来ることではないというのが偽らざる感想です。生徒の興味、関心が映画や歌などの分野に広がって来ている作今、私達は少しずつこのような力もつけていかなければならないことも確認したことでした。
 皆、昼間の時間だけでは聞き足りず、交流会後も先生の部屋に行き、夜遅くまでパソコンや視聴覚機、i-podなどの具体的な使用法も教えて頂きました。皆さんの今後の授業に新しい動きが期待できそうです。

2.レポート


(1)「私の歩んできた道」

大分県立大分東高校 中村龍彦
 今春、退職された中村先生は再任用で以前10年間勤務された大分東高校に勤務中。「ロータリー財団奨学生」に応募し、アメリカで1年間大学院コースに留学されたこと、大分高英研の事務局次長として九英連の大分大会に携わったこと、週3時間の反対運動を展開したこと、別府セミナーを14年間に渡って、その後、「英語フォーラム」を3年間 開催したこと、1分間スピーチ集の冊子を作成したこと、Morning Talkの放送など心に染みる実践が丁寧な文章で報告されていました。 そのひとつひとつから先生の生徒に対する誠実で真摯な姿勢が伝わって来て胸を打たれました。まだまだこれからも素晴らしい実践を続けていかれることでしょう。        

(2)「英語入門 学習の手引き」

 長崎県 鳴滝高校通信制 鈴木奈緒子
 今回の転勤で通信制の高校に勤務することになった鈴木先生。授業時間が極端に少ないシステムなのでいかに基礎から効率よく教えるかに工夫を凝らしておられます。ノートの作り方から始まってアルファベットやローマ字表、英語の読み方、be動詞など懇切丁寧な入門書が出来ていました。今、人気の三友社発行の「英語ノート」の紹介もして下さいました。通信制でも力のある生徒もたくさんいますので今後の先生のご活躍が期待されます。

(3)「38年間の教職を振り返って」

熊本県 鎮西高校 畠田ミツ子
 宮崎県の私立高校で教職のスタートを切り、退職後また私立高校で非常勤として勤務することに何か運命のようなものも感じています。教師としてのスタート時点で同僚に「高校生活指導研究協議会」を紹介され、生徒をどう見るか、集団をどう指導するか、毎週サークルに通って学べたことは大変幸運でした。そして3年後、熊本県に採用され、人吉で新英研のサークルに参加。そのころの自主教材集 "English For Tomorrow"から心に残る教材としてYou Were Clean, Biwako.やI Wonder Why Some People Don't Like Me.などを紹介しました。後半の20年間は英語教師としてだけでなく、JRCの顧問としての楽しんだ活動も報告しました。

(4)「中学校入門期における指導 その試みと迷い、悩み」

大分県中津市立三光中学校 羽野祐司
 中学校の先生方にとって年度始めに1年生を教える時は皆、緊張するという話しを良く耳にします。羽野先生も1年生を英語学習の「勝負」の年と考え、その準備に心を砕き、工夫しておられるのが伝わって来るレポートでした。
 授業開きでは英語通信を用いて「外国語学習の目的」を話したり、アルファベットの音声ではご自分で考え、絵を描いたB4版のカードを用いたりと先生の暖かさがあちこち感じられました。それは資料に添えてあったご自分用の授業準備ノートからもわかりました。このような研究会では必ずレポートを準備される先生の熱心さに頭が下がりました。

(文責:畠田)
(連絡先:畠田ミツ子)