■ 九州ブロック集会

2007年12月

九州ブロック集会<第52回 九州民教研大分(別府)集会>


 第52回九州民教研大分(別府)集会は12月26,27日(水・木)に行われました。記念講演は「平和と平等」という演題で斉藤貴男氏。現在の教育における格差の実態を示し、これがいかに政治的に仕組まれたものであるか、経済界の利益誘導、ひいては軍事大国への道筋につながるか、警鐘をならすような内容でした。

(1日目)

・・・大分県杵築市立上中学校・豊田文枝
 大分のAPUでのインタビューを想定し、そこに至るまでの授業が良く組み立てられていた。細かな手だてと愛情に溢れ、生徒たちが楽しく授業を受けている様子が伝わってきた。

(1)神志那先生(福岡・中)「洋楽翻訳とビデオ作成」

 2年生と3年生の選択英語で行った試み。「洋楽翻訳」は、英語の歌の翻訳を自分の言葉で作らせ、みんなの前で発表するというもの。その際、英語と日本語で交互に行うことで、聞く側も集中できるようにした。ビデオ作成は、班単位での学習活動で、特定の教師やクラブにインタビューを申し込み、ビデオに収めるというもの。英語の質問に対する反応やパフォーマンスが楽しく、作成した生徒の記録からも、達成感が感じ取れた。

(2)羽野先生(大分・中学)「オーラル・イントロダクションの試み」

 授業によく用いるオーラル・イントロダクションに用いている、手作りのピクチャー・カードが紹介された。個性あふれる描写力に、「販売したら?」と声がかかった。教科書に出てくる国について、英語通信で情報提供するなどの試みも紹介された。国際理解を目指した学習活動も評価された。

(3)橋口さん(エスペラント伝習所)「エスペラントの取り組み」

 中学や高校の「総合学習」などで、行ったエスペラントの授業の報告。文法体系も、音韻も、規則的で例外が少ないこと、特定の国の利益と結びつかない平等性ということで、「国際語」としての評価が高まりつつあるエスペラントを、もっと教育現場で普及させたい、という意気込みが語られた。

(4)鈴木(長崎・高校)「班活動による英語俳句の取り組み」

 時間制約のため、班活動で行った英語俳句制作。国語の時間に作ってもらった「俳句」から数点選んで、班で、英訳をした。他人の作品を訳する時、情景や感情を想像する。日本特有の風物を英訳することで、文化格差を感じることができた。イラストなどを加え、工業展で展示された。

(2日目)


(5)足立先生(大分・高校)「英文読解力を高めるための試み」

「和訳先渡し授業」や、音読回数を増やすことによって、「読解力」(内容理解とともに、自分で運用する力)を伸ばそうとした試み。学習意欲の低い生徒を、いかに引きつけるかという共通課題の他に、「速読力の指数 w/m」(1分あたりに読解できる語数)の意義と、数値に踊らされることへの懸念なども、議論された。

(6)富崎先生(福岡・中学)「英語授業の取り組み」

休業から復帰語、授業成立困難な学校で行った取り組み。学習法の指示も載せた「教科通信」、「音読指導」、「4段階音読プリント」(かなふり、かななし、虫食い英文、和訳のみ)などの多岐にわたる試み。大阪の出席者から、「評価の透明性」「年度初めのシラバス提示」が強く求められる実態が伝えられた。


期 日: 2007年12月26日(水)・27日(木)
会 場: 別府杉乃井ホテル、Tel:0977-24-1141
(別府市観海寺1)
内 容: 記念講演「平和と平等」
講師:ジャーナリスト齊藤 貴男さん
特別講演:「いま、子どもたちにとって大切な学びとは」
講師:坂田 和子さん
日 程: 12月26(水)
受付 9:00〜 
開会行事、記念講演 10:00〜
昼食 12:30〜
分科会 13:30〜17:00
夕食 17;00〜19:00
夜の交流会 19:00〜

12月27(木)
分科会 9:00〜12:00
昼食 12:00〜
特別講演 13:00〜14:45 
閉会行事 14;45〜15:15
問合せ: 大分民教連 事務局

(文責/連絡先:鈴木奈尾子)
(2008年3月9日 )