■ 東海ブロック集会

2001年

2001年 東海ブロック合宿研究集会


 1月4・5日,岐阜の「グリーンハイツ養老」で,第29回東海ブロック研究集会が行なわれた。参加者は25名。

記念講演

 記念講演は,静岡県八幡中・枝村春代さんによる「新英研と作文教育」。この3月に定年を迎える枝村さんが,教員生活最後の学校で行なったスピーチや作文の実践報告を中心に講演。家庭崩壊やいじめに悩む生徒たちが,英語の時間に見せる姿のなんと生き生きしていること。 「英語の自己表現を通して生徒たちは自分を見つめ自分を出せるようになる」という枝村さんの言葉に,参加者一同,人間教育としての英語教育の意義に改めて思いを致す。

レポート


愛知県

 愛知のレポート。日本福祉大・山田清文さん「こんな授業でいいのだろうか」。文法の初歩もわからない「遅れてしまった大学生」たちに,中学教師時代と変わらずあの手この手で英語の基礎をわからせようとする実践に,参加者は複雑な笑みをもらす。
 碧南高・外山晴子さん「教師もワクワク自己表現」は,商業科1年生での授業を報告。現在分詞のユニークな教え方や,ジョン・レノンの"Imagine"を使った自己表現の指導など,若手ならではの発想に満ちた実践。外山さんは非常勤講師だが,こういう人こそ正式採用されてほしいもの。
 続く岡崎工高・村瀬敏浩さん「Wordjongワージャンで遊ぼう」のワークショップ。文字の書かれたカードを7枚持ち,マージャンの要領でやりとりして,単語ができたら「ロン」と叫んで上がるというゲームを,参加者一同で楽しむ。いつもながら生徒を引きつけて止まない実践。

静岡県

 静岡のレポート。湖西高・松本哲明さん「目立ちたがりやの生徒とつくる授業展開」は,落ち着きのない生徒が多い教室で,辞書引きや音読,文中の意味の切れ目ごとの訳など,色々工夫しながらReadingの授業を展開する試み。
 島田商高・粕谷たか子さん「Writing授業での取り組み」は,「教え込む」よりも「引き出す」ことをモットーに,「夏休み」や「修学旅行」などをテーマに作文を書かせた実践。写真やイラストが見事にレイアウトされた生徒作品が会場に貼り出され,参加者を楽しませた。

岐阜県

 岐阜のレポート。岐阜盲学校・座馬淳子さんは,今年で6年日となる英語劇上演の試みを報告。今回は,地元の伝説「夜叉ヶ池」の岐阜新英研英訳版を戯曲化。様々な困難を乗り越えて成し遂げた上演のビデオを見て一同感激。現在座馬さんは,沖縄平和教材「カンカラ三線」の3月上演を目指して奮闘中とのこと。座馬さんも劇も年々バージョンアップしていく。
 大垣東高・大橋裕幸「ALTと作るライティングの授業」は,毎時間2年生文系の全生徒に自由英作文を書かせ(その数約160点),それをすべてALTが添削して次回に返すという授業の報告。愛情と熱意あふれるALTがいて初めて可能なハードな実践。

 最後は「辞書引き指導は必要か」をテーマに総合討論を行なう。天然温泉に恵まれた会場での,楽しく充実した2日間だった。

 (文責・連絡先:大橋裕幸)


と き: 2001年1月4日(木) 14:00〜5日(金)12:30
ところ:
国民年金健康保養センター「グリーンハイツ養老」
〒503-1265 岐阜県養老都養老町若宮257-2
Tel 0584-32-3118
内 容: 記念講演
  • 枝村泰代 (静岡県藤枝市立広幡中)
実践報告
  • 各県の中学・高校の実践報告
費 用:
  • 参加費 1,000円
  • 宿泊費 9,000円

(2000年12月19日)