■ 北海道ブロック集会

2001年1月

2001年北海道ブロック集会(第34回全道外国語教育研究集会)


21世紀をきり拓く外国語教育を目指して
―楽しく学び、よく身につき、知的なコミュニケーションを可能にする外国語教育―


 第34回全道外国語教育研究集会が1月8日(月)〜9日(火),札幌市のホテルユニオンで開催された。

 初日に,小山内洸氏(北海道教育大学教授,北海道新英研会長)の基調講演とデポラ・デビッドソン氏(翻訳家)の特別講演,という2本の講演を配した充実したプログラムとなった。

 小山内講演の演題は「『21世紀日本の構想』懇談会報告書における『英語公用語化』論の問題点―英語教育の価値をめぐって」で,氏は先に出された「21世紀日本の構想」懇談会報告書の問題点を,「英語公用語化」論を中心に分析・批判し, 21世紀の英語教育のあるべき姿を結論として導いた。まさに21世紀はじめの全道外教研の基調にふさわしい講演となった。

 続いて"Adventures in Critical Thinking"と思する英語の講演がデビッドソン氏によってなされた。デビッドソン氏は昨夏の全国大会で"Inter-Asian Symposium on English Teaching"のスピーカーを務め,その際に言語教育におけるCritical Thinkingの必要性を私たちに説いてくれたことは記憶に新しい。今回はCritical Thinkingの学問的な定義から始まり,人格教育としてのその重要性を縦横に語ってもらった。

 続いて初日の後半から2日目にかけて,次の計5編の実践レポートが報告された(発表順)。
  1. 小島啓一氏(留萌千望高) 
    「『教科書+α』の自己表現活動」
  2. 岸麻美氏(北広島大曲中) 
    「力まず,構えず自己表現!〜自分を出して,友と分かり合おう〜」
  3. 片岡晃氏(札熊真栄高)
    "Sound Methodology for Teaching English with computers"
  4. 鹿内均氏(札幌美香保中) 「楽しくわかる授業づくり」
  5. 野村哲也氏(江差高) 
    「生徒の学びと自主表現活動〜4コマ漫画で英作文」
 小島実践は教科書を発展させ,英語の文章・段落構成のルールを学ばせながらスピーチやディベートの発言作りをさせるという自己表現活動。
 岸実践は5行詩(ダイヤモンドポエム), "I Have a Dream"に続けて夢を書く等,新英研が積み上げてきた実践を見事に取り入れた自己表現活動。
 片岡氏はアメリカ研修留学での知見をもとに,コンピュータを英語授業に活用する際に留意すべき点を整理して示してくれた。
 鹿内氏は学習指導要領を歴史的に再検証・批判し,また教科書作成・教科書採択の問題点も整理。その上で,外国語教育は平和教育であるということを書いた実践を展開している。
 そして野村実践は生徒の学習意欲の停滞を身近な題材・生活意識にあった方法論(歌・漫画)で打開していく実践。

 中学校20,高校31,大学3,その他5,計59名の参加。

( 連絡先:杉山穣司)
(2001年12月18日)


と き: 2001年1月8日(月)9:30〜9日(火)15:00
ところ:
ホテルユニオン 
札幌市中央区南3条西12丁目
TEL 011-561-61615
テーマ: 21世紀をきり拓く外国語教育をめざして
〜楽しく学び、よく身につき、知的なコミュニケーションを可能にする外国語教育〜
内 容:
基調講演 :
小山内洸(北海道新英研会長・北海道教育大学教授)
「『二十一世紀日本の構想』懇談会報告書における『英語公用語化』論の問第点―英語教育の価値をめぐって」
特別講演 :
Deborah Davidson
(札幌在住翻訳家・第37回全国大会 "Inter-Asian symposium on English Teaching"スピーカー)
“Adventures in Critical Thinking"
実践レポート :
  • 小島啓一(留萌千望高)
    「『教科書+α』の自己表現活動」
  • 岸麻美(北広島大曲中)
    「力まず、構えず自己表現!―自分を出して、友と分かり合おう―」
  • 野村哲也(江差高)
    「4コマ漫画で英作文」
  • 片岡晃(札幌共栄高)
    "Sound Methodology for Teaching English with Computers"
参加費: 3,500円 (会員3,000円)
主 催 : 北海道新英研

(2000年12月17日)