新英研―全ての子どもたちに 外国語を学ぶ喜びと 平和な未来をひらく力を

現地実行委員会~現地だより6

記念講演・秋葉忠利氏「世界の平和と英語教育」

現地実行委員会事務局長・広島市立大州中学校 角崎 祐美

核兵器廃絶への強い意志

―強い意志は真実から生まれます。核兵器は人類滅亡を引き起こす絶対悪だという真実です。

 意志さえあれば、必ず道は開けます。意志さえあれば、どの道を選んでも核兵器の廃絶に到達できます。逆に、どんなに広い道があっても、一歩を踏み出す意志がなければ、目的地には到達できないのです。特に、若い世代の皆さんにその意志を持ってもらいたいのです。―

 この文章は、1999年秋葉氏が市長になって初めての平和宣言の一部です。爆心地から1km圏内で被爆した祖母を持つ当時5歳と7歳の息子とともに平和祈念式典でこの言葉を聞いた時、感動で胸が震えたことを覚えています。
 秋葉氏は、この言葉通り、核廃絶への確固たる意志を市長在任の12年間貫かれました。
 平和市長世界会議の議長として、世界の様々な場所で核兵器の廃絶を訴え続け、世界に平和の種を植え、今まさに世界のあちこちの都市ですくすくと育っています。
 私は一昨年の春行われたN.Y.でのNPT再検討会議のロビー行動に参加しました。原爆投下を是とする考えが強いのではないかと考えていましたが、自分の時代遅れの考えを反省しました。ニューヨーク市民や国内外の旅行者の多くが快く署名に参加してくれ、署名を拒否する人までが「原爆を投下したことは過ちだったと思っているんだ。信じてくれ。しかし、核兵器は必要だ。」と言っていました。
 秋葉氏の演説に始まるタイムズスクエアからのパレードに参加した際、沿道の人々も温かく手を振ったり、署名に応じて下さっていました。
 この人々の意識の変化は、被爆者の方々が声を世界に届け続けたことはもちろんのこと、秋葉氏の功績も大きいと感じました。

オリジナルの平和教材がいっぱい

 数々の輝かしい経歴をお持ちの氏ですが、元々は数学者でいらっしゃいます。しかしながら、非常に英語が堪能です。
 もう5年前のことですが、同時通訳の神様と言われた國広正雄氏を広島の新英研でお招きして、講演を聞く機会がありました。夕方の懇親会でその日の午後に旧友である秋葉氏に会われた國広先生は、『日本で一番素晴らしい英文を書くのは秋葉くんだ。』と断言されていらっしゃいました。市長在任中の平和宣言の英文も秋葉氏自身が書かれたものです。大変美しい英文です。広島平和資料館のHPから読むことができますので、是非お読みになってください。
 また、米国留学の経験から現在は公益財団法人AFS日本協会理事長をされており、留学生の応援をしていらっしゃいます。
 広島大会の後援では、英語を学ぶ意義を私たちの心に届けて下さいます。乞う ご期待!!

"STAFF" MENU

秋葉忠利氏

秋葉忠利氏

  • 『真珠と桜―「ヒロシマ」から見たアメリカの心』 1986年
  • 『アメリカ人とのつきあい方』 1989年
  • 『報復ではなく和解を―いま、ヒロシマから世界へ』 2004年
  • 『元気です、広島―市民が創る豊かな未来』 2006年
  • 『コンピュータ・パワー―人工知能と人間の理性』 1979年(翻訳)