■ 埼玉北部サークル3月例会

2007年3月
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1月3月7月
 3月10日(土)1時半から熊谷文化創造館で、アポロの月着陸の同時通訳を務め、同時通訳の神様といわれており、異文化コミュニケーションの草分け的存在でもあり、三木首相の外交ブレーンとして日本の外交にも深く関わった國弘正雄先生(エジンバラ大学特任客員教授・元参議院議員)をお招きして、『異文化に橋を架ける英語学習・英語教育~英語を学ぶ人・教える人へのメッセージ』というタイトルで、埼玉北部サークル第4回英語教育講演会を開き、63名の参加がありました。

<英語は必要悪>

 國弘先生の2時間におよぶ熱弁は、大変奥深く広く収穫の多いものでした。奇しくも当日3月10日は東京大空襲の日であり、先生は追悼して熊谷に来られたそうです。『戦争体験を伝えることが私の仕事』と話され、『戦争を知らない現首相のもとでの日本に危機感を持っている。日本が対外関係をよくしなければ、日本の存続自体が危うい』『世界192の独立国があり、英語を母国語としているのは12だけ。しかしインターネットは85%が英語。くやしいけど、やらざるを得ない。英語は必要悪。ただ何でも英語と考えると、客観的な視点がなくなる』

<まず日本語をしっかり>

 『道元禅師の『只管打座』を英語に応用して「只管音読」「只管筆写」(分っている内容の英文を何度も声を出して読み、書くこと)という言葉を発明した。このやり方が外国語学習の中で広がっていった』 そして、『まず日本語について見識・運用能力を持って欲しい。それからでないと英語学習は始まらない。日本語がきちんとできないと英語はモノにならない。確信を持って言える。いくら英語学習を機械的にやってもダメ』『英語教育は些末主義にとらわれている面がある。もっと視野を広く持った方がよい。』『初めて外国人と話したのは中2。捕虜になっている外国人に金網越しに話した。"What is your country?"という問いに"Scotland !"と若い兵士は答えた。その感激は忘れない』

 國弘先生の講演に先立ち、熊谷市中学英語弁論大会に優勝した、大嶌羽純さん(熊谷東中)から"What can we Japanese students do?"というタイトルの素晴らしいスピーチがありました。また、根岸・田中・北川からミニレポートもありました。講演会後に、場所を移して國弘先生を囲んで食事を取りながら、アポロ月着陸の同時通訳の裏話や日本外交の裏話など聞けて大変盛り上がりました。



日時 2007年3月10日(土) 午後1時半~4時半(1時~受付)
場所 熊谷文化創造館 会議室1 (JR籠原駅より南へ1km)
 熊谷市拾六間111-1(TEL 048-532-0002)
講師 國弘正雄先生(エディンバラ大学特任客員教授・元参議院議員)
演題 「異文化に橋を架ける英語学習・英語教育」
 ~英語を学ぶ人・教える人へのメッセージ~
参加費  教員、一般:1,000円、学生:500円
主催 埼玉北部英語サークル
後援 熊谷市教育委員会、熊谷市国際交流協会、新英語教育研究会関東ブロック

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(2007年1月11日掲載/7月23日更新)