■ 東京新英研3月・春の特別研究集会

2006年3月
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2月3月5月9月
 3月30日に、恒例の春の特別研究集会が開かれました。
 今回は特別企画として、韓国から元慰安婦のキム・グンジャさんをお招きして講演会を企画しました。遠くは宮崎から群馬、埼玉からも参加者が駆けつけ、参加者は63名になりました。
 元慰安婦(「従軍慰安婦」という言葉さえ、差別を感じさせる言葉だとは指摘されるまで知りませんでした)キム・グンジャさんのつらい体験と高校生たちの未来を感じさせる演技に触発され、会場から次々と意見や感想が出されました。かつて自らが体験した韓国・朝鮮人に対する差別を生々しく語るご意見も多く、大変印象的でした。

概要

《総会&ミニレポート》
昨年東京大空襲で「被害の視点」を学んだ私たちは、今年度宿題だった「加害の視点」を学ぶために、今回の企画をした。外国語教育に携わるものとして、複眼の視点を持ち、21世紀の平和なアジアを目指す外国語教育を考えたい。
《総括・方針》
「平和を日々の授業の中にどう根付かせていくのか」という研究テーマに基づき今年は異色の例会を組んだこと、新しいサークル「勇気塾」の発足や活発なサークル活動が紹介された。2006年の活動方針『平和と民主主義に根ざした豊かな外国語の授業づくりをどう進めるか』に研究テーマが確認された。
《決算・予算》
韓国からの招請で、事業費が今年度大きくなったことと、常任委員会も活発に行われているため、交通費が昨年より必要だったことなどが確認され、承認された。

<ミニ・レポート>

(1)関口さんのベトナムレポート、子どもたちの自己表現をする意欲が、実際にベトナムの教室に渡されるとわかると、グンと伸びたことが報告されました。ベトナムはどんな国?という質問に「すごい活気のある国。日本はウカウカしていられない。活気は足下にも及ばない。」と答えた。

(2)福島さんのレポート『世界の架け橋になろう』 ベトナムに行って初めて平和の大切さを実感したという先生のレポートは、子どもたちの表現をしたいという意欲をかき立て、資料をたっぷり与える。何気ない"I love (その後を書かせる)"もやってみたいと思わせるくらい、豊かな生徒の表現だった。

(3)岩崎さんの韓国レポートは、"Every child has a beautiful name"の歌の導入から、「自分の名前を好きじゃない」という生徒に「では、その名前を明日から絶対使っちゃだめだといわれたら?」「それはいやだ」「でも、そういうことが昔あったんだ」と創始改名の歴史的事実にふれていく仕組みが、よく考えられていて大変参考になった。

(4)ベルワークスの町田さんによる、韓国のテーマ学習をいかに深めるかという手だてを詳しく解説してもらったミニ講座。ベルワークスの"South Korea"のチャンツとカルタは、どんな子どもにも大受けだが、そこから韓国に対する考えを深めるには、子ども自身による調べ学習と自己表現に十分時間を取り、繰り返しチャンスを与える必要があることがわかった。

(5)細沢さんの東京大空襲レポートは、就学援助率全国一という地域で厳しい現実を抱えた子どもたちが選択教科で学んだ"My Little Heart"を生き生きと暗唱したコンテストの模様が印象的だった。長文なのに声もしっかり出し、多くの人が覚えてきたことに子どもたち自身が感心し、戦争の悲惨さを実感していた。

<キム・グンジャさんの講演、高校生の発表>

  1. 基調提案(柏村さん)
  2. 島崎さんの実践&高校生の体験レポート
  3. キム・グンジャさんの講演(詳細をお知りになりたい方は安野まで)

(連絡先:平野寿美)
(2006年10月30日)