■ 東京新英研春の特別研究集会報告
2003年3月
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2月4月6月9月
桜の花もほわっとひらいた3月30日、東大附属中等教育学校で恒例の総会と特別研究集会を行いました。参加者は60名。
テーマは、「みとめる のびる 花ひらく〜評価の土台は授業づくり ワークショップで授業を拓く」。週5日制、多忙化そして「観点別評価と結びついた絶対評価」に振り回された2002年度。評価を納得のいくものにするには「豊かな授業」をつくるしかない!みんなで授業づくりの視点を学ぼう、と考えました。
午前は総会。関ブロの「軍隊をすてた国コスタリカ」の存在に励まされたという和田さつきさん。少人数授業と評価の混乱の中でもめきめき力をつけている安藤さん、来年教育実習を控え、学力論に関心を持つ向阪くんの現場教師へのエールもあった。
ウオームアップアクティビティ「今年の私にGOOD JOB!」ペアで「今年がんばったこと、つらかったこと、印象に残る同僚からのひとこと」などをインタビューしあい、たっぷり自分のことを語り、相手に評価してもらい、最後に親指を立ててGOOD JOB!と言ってもらう。指圧のようなアクティビティ?!
ワークショップその1「授業づくりワークショップ」では、Koreaをテーマに、中高の教科書教材を「学べる点」「足りない点」「深めたい点」という視点でペアやグループで分析した後、「この授業でつけたい力」を出し合いました。「国境を越えてともに生きる力」「willを使って日韓の未来を表現する力」など各グループで一つに絞った後「これだけはやりたい!」というMain Activityを中心にグループで授業の構想を作り模造紙にまとめた。
ランチタイムはバングラデッシュ、ネパールの手工芸品(シャプラニール)の販売や、グローブインターナショナルの教材、「地球の仲間たち」CD-ROM、荒木先生の英語通信「友&愛」、海木先生の進路指導通信、新作アイディアブックなどなど、忘れちゃいけない東京 Flea Market! 価値ある教材に駆け寄る参加者。今年も迫力満点のショッピングシーン?!
午前中に作成したグループ作品の発表、ファシリテーターの平野さんのコメントの後、いよいよ関ブロで好評を博した国際理解教育教材のグローブインターナショナルの「炎の教材づくり職人」町田さんのワークショップ。同じくKOREAを題材に、「何のための英語活動か?」「何を素材とするか」」「具体的にどう展開するか」をワークショップの中で考えました。
中学実践報告岩崎友紀子さん(江戸川・小松川三中)「一対一の関係づくりをめざして」。4年目の岩崎さんが新しい生徒たちと「キング牧師の非暴力運動」などの内容のある教材を通して心を通わせて、生徒に力をつけ、自分も成長していくというレポート。
高校実践報告沖浜真治さん(東大附属中等教育学校)「生徒同士の関係をつくりながら進める高校英語1の授業」。「難しい教科書を使ったら必ずしも実力が高くなるわけではない」という調査結果をうけて、4技能のバランスがよく、様々な活動が可能なやさしめの教科書に変えていった経緯も興味深かった。
総合討論では小塩さんの司会のもと、グループでまとめを行った。「目標を絞り、内容を大切にして授業を行うこと」「目の前のこどもたちを見て、愛を持って、即実践すること」などが語られた。最後に東京新英研が3年来追及してきた「基礎基本と評価について」の報告で、混乱をきわめる評価問題についての現時点での見解を示した。
学力と評価に踏み込むことは、深い森にわけいるようなもの。 人間とは何か?生きるとは?までつづくような問いに思える。 東京支部が実践集や集会という形で毎年提案してきたことは、いわばその森に踏み込むときのヘッドライト、テールライトの役割だろうか。「たびは〜まだ、おわら〜ない〜」(完)

(文責:柏村みね子)
(連絡先:平野寿美)
(2003年9月13日)