■ 北海道ブロック研修会

2001年8月

北海道新英研夏の合宿研概要報告


 第24回合宿研究会が8月11日(土)〜12日(日)、札幌市のホテルユニオンで行われた。
 テーマを「自己表現としての音声」とし、単に場面に組み込まれた会話的文章を、意思なく唱えるのではなく、自己を表現する手立てとしての音声言語とは何か,その指導法はいかなるものかを追求する2日間となった。

 記念講演は宮町誠一氏(札幌学院大学教授)の「心にとどく私たちの英語―デジタル・コミュニケーション時代のアナログ英語教員として」。北海道新英研が数年前に一度、音声のことをテーマにした際に確認した、話し言葉と書き言葉の違いを、氏は様々なアプローチで一層明確にしてくれた。また、「顔を見合わせ,言葉を交わすことで人間的なつながりを確認し、構築するという基本的な人間の欲求」の大切さを、このデジタル時代にこそ強調して強調し過ぎということはないとした、氏の主張が印象的であった。

 また実践面ではフォニックス、歌、自己表現作品の共有などの意欲的な取り組みで音声に迫ってくれた片岡昌子氏(北広島大曲中学校)の「生徒の心に残る授業をめざして〜音声面での工夫」、理論学習としては、大道友之氏(大麻高校)が自身のマザーグース実践も引きながら、Guy Cook 著Language Play, Language Learningを紹介し、数年来その翻訳に取り組んでいる新野さちえ氏(札幌厚別高校)がM.B.Chenfeld著Teaching Language Arts Creativelyを紹介。多角的にテーマに迫れたのではないか。

 特別報告として、コリン・カミンズ氏(札幌市教委ALT)にTeam Teaching: Goals,Roles, Methodsと題して、TT実践の実際と理論をワークショップ形式で紹介していただいた。効果的な導入法、よく見られるゲームをより一層効果的にするための応用術、生徒を動機付ける苦労話等、氏の研究の熱心さと、人柄の誠実さが表れる報告であった。

 また、新英研全国大会(滋賀大会)の報告は、新英研会報にも掲載されているが、新進気鋭の佐藤光洋氏(北海高校)からなされ、サークル交流として檜山サークル=菅野信一氏(江差朝日中学校)と石狩サークル=杉山からの活発な動きが紹介され、研究の全国的広がりと草の根的浸透の両面から、活動の確からしさが感じられる場となった。

 参加者は34名(中学15・高校17・大学2)。

(連絡先:杉山穣司)