春季セミナー2013

2024年6月5日

2.現場からの報告

現場からの報告(2)萩原一郎先生 (神奈川・高校)15:25~15:55タイトル:「つまずく生徒たちと創る高校英語の授業」

はじめに


 現在は神奈川のS高校(中堅の学校)に勤務。連休中は家庭訪問をしている。これまで進学校に勤務せず、いわば「車のCrownにも乗れず, 教科書もCrownを使えない学校勤務」のキャリアーである。

1.単語が読めない

  1. 「奇数・偶数読み」…いきなり"Repeat after me."をさせず、自力で読ませる
  2. フォニックス的な指導方法
    ①Ireland 例(fire→ire→Ireland)、 ②glare,  ③artificial, ④patient
  3. アクセント
  4. 日本語にない子音

2.単語が覚えられない

  1. 単語指導の4段階
    ①単語が読める  ②英語→日本語で言える  ③日本語→英語で言える  ④日本語→英語で書ける
    *すべての単語をいきなり10回ずつ書かせるという課題は過大な負担!
  2. 「自学ノート」の活用
    一度で書けなかった語について発音しながら3回丁寧に書いてみる。

3.英語の語順が分からない

(1)文の構造プリント

 主語(S)
(誰が)
動詞(V)
(どうする)
目的語(O)
(何を、誰を)
場所など
(どこで)

(誰と)

(いつ)



      

(2)「中間日本語」の利用

 健が昨日遅れた理由を知っています。
 ⇒ (私は)/ 知っています / 理由を / 健が / 遅れた / 昨日
 子どもたちはすべての絵本を箱の中に戻しました
 ⇒ 子どもたちは / 戻しました / すべての絵本を / 箱の中に

(3)日本語への記号付け

4.文法が分からない

(1)自然な文脈の中で  (2)シンプルに説明し  (3)何回も出会う中でつかませる
(4)カードの利用

5.教科書が音読できない

6.「英語の授業は英語で行うことを基本とする」ことについて

「つまずく生徒たち」に英語で授業を進めることは不可能なのか?

番号 具体的な方法 主たる英語の使用者
 まずはclassroom Englishの導入から教 師
 ペアワークを取り入れる生 徒
 導入にOral Introductionを取り入れる教 師
 授業にもっと音読活動を生 徒
 日本語訳で終わりではなく、その後を考える(出口を英語に)生 徒

●萩原報告への質疑応答 (15:55~16:05  10分間)

  • (埼玉・中学)子どもはどこでつまずいているのか 
    → 主に「文法・語順」ではないか、と考える。
  • (埼玉・大学)「スポーツ推薦」で入学してくる大学生を教えている。スラッシュ・リーディングをやっていこうかと思っている。スラッシュ・リーディングをどう教えているか
    →私の高校生徒用の文法書を作っているが、スラッシュ・リーディングについては、簡略化して、
    ① カンマのあと、②接続詞・関係詞の前、③長い主語の後、の3つに絞って指導している
  • (S高校)自宅での学習をどう指導しているか?
    →「自学帳」作成の田尻悟郎さん(関西大学)の実践がある。私は、「練習帳」に単語、英文を書かせる宿題を課して、提出させる。
  • (東京・中学)教科書はNew Crownを使っている。かなり長い文章が出てきている。導入と説明をどのようにしているか?
    →文章の説明は日本語で行い、発問を工夫している(代名詞が何を指すか、など)。最後に、retelling(与えられた語句を使って本文の内容を英語で話す)を行う。

2024年6月5日春季セミナー

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