『新英語教育』 2022年3月(631号)
なぜ日本人に英語(外国語)学習が必要なのか,何をどこまで学べばいいのか? この問いに対する国民的合意がないまま,「英語公用語論」や「英語で英語を学ぶとできるようになる」「聞いているだけで英語ができるようになる」「テストをすればしゃべれるようになる」という迷走した議論が英語教育史のなかで繰り返されています。近年の教育施策では,肝心な「人間教育」としての英語教育がないがしろにされようとしています。今特集では,原点に立ち返り,「愛と知を育み,人間を育てる英語の授業」をどう進めていくかを考えます。巻頭論文で一人ひとりの英語教師が日々の授業実践において哲学を持つことの意味を論じ,実践論文では,中高で人間教育としての実践,大学で教職課程での実践を紹介します。
特集 | 「グローバル人材」だけじゃない! |
―英語教師に哲学を |
巻頭論文
人間を育てる英語教育とは何か
―英語教師に必要な哲学―
▶柳瀬陽介
実践中学
「人間力」の育成につなげる授業のアプローチ
~真のコミュニケーション能力の育成を
目指した2事例~
▶山﨑寛山
実践高校
「到達目標」という言葉への違和感を出発点に
▶斉藤貴子
実践大学
「なんでやるんだろうな~」
~英語教育の目的・理念を学生とともに考える~
▶大栗健二
● 今月の詩
● Readers’ Square―読者の広場
● 巡る季節の中で 第3回
~春の訪れの中で想う~
▶野崎雅和
● Essay ことば
僕の授業の作り方
~生徒の学びの輪(和)を大切に~
▶齋藤理一郎
● 教室を豊かな学び合いの場に
~協同学習・学習集団づくりのすすめ! 第72回
協同的な学びを行う必然性
~高等学校での授業実践~
▶徳長誠一
● ICT・オンラインで豊かな学びを保障する 第12回
デジタル・ファシズムから子どもを守るために
個別最適学習よりも協同学習を
▶江利川春雄
● 授業をおいしくするスマイル・レシピ 162
「ルドルフ,君の出番です」
~「赤鼻のトナカイ」を読む~
▶森島暢子
CREATIVE TEACHING
● 小学校英語の創造的な扱い方
NEW HORIZON Elementary 6
将来の夢を語り合うための語彙を増やす
Unit 8 My Future. My Dream
▶高松理英子
CREATIVE TEACHING
中学教料書の創造的な扱い方
● 1年 Here We Go!
1年のしめくくりは次年度の希望となる時間に!
▶吉岡潤子
● 2年 Sunshine
The Ainu and the Fox
~キツネのチャランケ~
▶大口雅也
● 3年 NEW CROWN
中学最後のテストは「オール持ちこみ」で
~教科書・辞書を見なから,培った心と力を余す
ところなく~
▶安部直子
CREATIVE TEACHING
● 高校英語の創造的な扱い方
あきらめずにチャレンジしたい,させたい!(その2)
▶関山信雄
● 入門期の英語指導を考える 第12回
入門期英語の協同学習 インプット活動の勧め
▶椿まゆみ
● 小学校英語のリアル 第45回
小学生のシンプル英語が「詩」に変身!!
~文字のもつ良さ(書き言葉)の味わいを生かして~
▶奥平明香
● Youth Voice #13
学生とともに消費者としての責任を考える
衣類の生産と消賢を題材に
▶工藤泰三
● 私の教室日記 # English Teacher 第23回
言語を学ぶことはその文化を学ぶこと
外国人スタッフとのやりとり・海外生活から学んだこと
▶染矢尚美
● ちょっと楽しい帯学習 第12回
いいこと探しの 3 Step Interview
仲良しになって幸せになる帯活動
▶田中 渡
● 学びの源―みんな何から学んできたの? 第24回
生の声で真実を聞く
▶竹島さち子
● これが知りたい! 英語教育Q&A 第30回
英語授業で母語をどう活用したらよいでしょうか?
▶根岸恒雄
新英研 第58回全国大会和歌山大会 現地便り③
つながり和む学びの未来 世代と距離を超えたつながりを
▶大西里奈
● Book Review
『CEFRの理念と現実 理念編と現実編』
『地球が燃えている』
● 支部・サークルの活動から/掲示板
● 2021年度『新英語教育』総目次
● 新英研の窓/編集後記
育むのは人とこころ
そのなぜを問う