神奈川支部3月例会<オンライン>(2025年)
高校実践報告:
「自分の言葉で伝えること、聴くこと」
川村 詩織さん(追手門学院大手前中・高等学校)
レポーターから | |
「英語は苦手だけど、話せるようになりたい」そんな生徒たちの声を聴き、日々の授業の中で自分の言葉で表現をしたり、ペアでやり取りをしたりする時間を大切にしながら授業づくりを行っています。そんな日々の活動や、レッスンのまとめに取り組んだ自己表現活動をご紹介します。英語が苦手でも一生懸命自分の言葉で伝えようとする様子や、本当に伝えたいことを伝えようとする熱意、そして伝わったときの喜びなど、生徒たちの声をお伝えしたいと思います。 | |
学校 | |
勤務8年目。大阪城の外堀すぐにある学校。 | |
1)大切にしていること | |
英語でも日本語でもコミュニケーションを取る力を身に付ける。 →ペア活動を取り入れている | |
2)教科書を自分の言葉にするために | |
①新出単語の導入 ワンレッスン分をまとめて。 単語、品詞、和訳、英英辞書の定義。 ★英英辞書の定義から和訳を予測させるというペアワークもしている。 英単語(イラスト付き)をスライドに映して、一人は背にして立ち、一人はスライドを観て立ち、英語で説明してあててもらうクイズ。 例)Aprilの場合、「the fourth month」「January, February, March, and…」などのヒントを出す。授業が4月だったのでNowを連呼する生徒もいた。 ②たまにリテリング:2コママンガと語彙を見ながらリテリング。 ③定期考査:新出単語の定義文を穴埋めで出題。 removed words:5つの単語を抜いておいて、本文のどこから抜いたかを考えて、適切な位置に戻す。 Chat GPTを活用して本文要約から出題。 | |
3)取り組み | |
① 4コマリテリング 2年生はLandmark II Lesson 5 Science of Love(愛の科学)。 選んだパートをイラスト化して絵だけを見て話せるように文を作る。「質問文を入れる」「意見を入れる」のがルール。ルーブリックをgoogle classroomで伝えている。 ② Lesson 4 でファッションデザイナー「ココ・シャネル」について読んだ後、Presentation on my favorite innovative personを発表する活動。 評価は content/fluency/memorizationの3つの観点。聞く態度は、質問力、相づち力、笑顔。共感力。生徒の発表例:志村けん、宮崎駿、手塚治虫(医者だと知らなかったという感想があった)。生徒のモチベーションにつながる仕掛け:クラスメイトを評価し、評価される(コメントもらう)。練習につきあってくれた生徒・先生・ALTにサインをもらう。 |
■質疑応答&意見交換
- Kさん:生徒の原稿作成時、文法チェックは生徒がAIで行う、内容チェックはネイティブにお願いする、という方法についてどう思いますか? 川村先生だけでなく他の方にもお聞きしたいです。
川村さん:難しい表現を使ってくるので、やさしい表現に直すように話している。 - Sさん:まずイラストを描いてしゃべらせる。そのあとに原稿を作らせる。そうすると学びが起こる。そのあとに発表する。
Kさん:感想です。 S先生のおっしゃる通りの方法を私も行っています。喋ってから書かせる(この順序が自然だと思います)。書いてから喋らせると、原稿をただ読み上げることにつながってしまいがちと思うので。 - Hさん:クイズの出し方では、英語の定義を見せる方法もある。リテリングは題材を与えてしまうことがあったが、生徒が描く4コマというのも良いと思った。
- Wさん:生徒の英作文で「恋をしている人の脳と恋をしていない人の脳を比較する」
compare A (the brains of people in love )with B(those of people not in love )の
those of がなかったのが気になった。
■参加者の感想①要約(生成AI Copilotを試行的に使っています)
●川村先生への感謝と外国語教育観への関心
- 川村先生の発表が楽しく有益で、生徒たちにも高く評価されていると感じた。
- 外国語教育観を直接伺う機会を持ちたいという願い。
●4コマリテリングの経験と気づき
- 16年前に中学3年生を対象にした3コマリテリング実践では課題が多く、成績が低めの生徒には難しかった。
- 4コマ形式にすれば効果があったかもしれない。
●発表練習と生徒同士の協力
- 山根さんの実践のように、発表練習で生徒同士が協力する工夫が素晴らしいと感じた。
- 最初は面倒に思う生徒も、友達と学ぶことで楽しい時間を共有できる。
●レポートと学びの機会
- レポート作成や発表を通じて多くのフィードバックと学びを得た。
- 実践から時間が経ったことを実感しつつ、引き続き学びを重ねていきたいという意志。
●全国大会発表と教科書活用
- 全国大会で聞けなかった発表の全容を知り、多くの学びを得た。
- Landmark Ⅱ教科書を補う形で創造的な内容が学力の高くない生徒にも応用可能と感じた。
●4コマ漫画の活用提案
- 教科書の内容を4コマ漫画でまとめるsummary活動が効果的。
- 質問と意見を取り入れる要素を加えることで、さらに深い学びが得られる可能性を見出した。
- 川村先生へ,有益なご発表ありがとございました。とても楽しそうな授業に見受けられました。きっと生徒たちの評判は良いことだと確信できます。いつか機会に恵まれれば,外国語教育観をお聞きしたいところです。
- 4コマリテリングが面白い。中3を対象に3コマ(生徒自身が描く)リテリングを1年弱やったことがありますが、うまくいきませんでした。成績が3以下の子たちは、ほとんど歯が立たなかったから。4コマにすべきだったかもしれません。
- 山根さん同様とてもていねいな実践で、生徒も伸びを実感しながら学んでいるのではないかと思いました。私も発表練習に生徒同士をつなげる工夫が良いと思いました。最初面倒と感じる生徒もいるかもしれませんが、友達と一緒に学ぶ時間は結構楽しいもので最後は生徒も楽しんでいるのではないかと想像しています。
- 今回レポートの機会を頂き、フィードバックから学びを得ることができました。今回発表をしながら、この実践をしてから随分時間が経っているな…と実感しました。これからもたくさん学びながら日々生徒たちに向き合っていこうと思います。ありがとうございました。
- 全国大会で参加できなかった分科会の発表は「新英語教育」12月号で概要を読みましたが、今日の発表で全容が確認できて、得るものが多かったです。Landmark Ⅱの教科書は付録も充実していますが、これらを上回る創造性に満ちた発表は、そんなに学力が高くない生徒にも応用できると思いました。
- 教科書の内容を4コマの漫画にまとめるのは、とてもよいsummary活動だと思います。そこに質問と意見を必ず入れることを取り入れたいと思いました。
近況をお知らせ下さい
- 今年度末で完全にリタイアします。知らないことばかりなので,今後とも先生方から学ばせて頂きたいです。
- 翻訳三昧
- 4月からも県立高校で勤務しそうです。新しい出会いが楽しみです。
授業などに関して困っていること
- 「推しの本」を紹介するプレゼンをしようとイラスト(カラー)まで描いたのに学年末で短縮授業になり不十分になってしまい残念でした。論評2単位はどこかを省かないとやりたいことが出来ないです。
今後の例会で取り上げてほしいテーマ、話を聞きたい講師・レポーターなど
- 企画運営のご尽力に感謝します。長く続けることの困難さは想像以上のものですから。具体的なテーマは持ち合わせませんが,明日の授業にすぐ役立ちそうなことと,10年後の社会で役立ちそうなことの両面に関心があります(10年後の自分はどうなっているか,ですが(笑)。
- 書けるようにする語彙指導
- 急な参加でしかも声も出さない形ですみませんでした。聞けなかった実践を聞くことができて有難かったです。