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◆都立高校入試に導入されたESAT-J「英語スピーキングテスト」とは？

　東京都教育委員会はベネッセ・コーポレーションと協定を結び、令和５年度都立高校入試（令和５年２月 実施）に民間の英語スピーキングテストを導入しました。
　2022年11月末に、全公立中学３年生を対象に、イヤホンから流れる問題に一人ひとりが答え、音声が録音されるテストが行われ、フィリピンの組織により採点され、１月中旬に結果が返却されて、都立高校入試総合得点に20点満点で加算がされました。

◆実施後「スピーキングテスト」について問題を指摘する声が 470 件以上

　「イヤーマフをつけても他の人の声が聞こえた」というケースが166件、前後半に分けて行われたため、「前半 組の受験生の声が別室待機の後半組の人に聞こえた」というケースが92件、録音テストの際「他人の声が録音 された」というケースが55件ありました。（都議連・保護者・市民団体の SNS アンケート集計結果）

◆実施状況調査がきちんと行われていません！

　都教委は「大きなトラブルはなかった」としていますが、受験生から「周囲の解答が聞こえた」とか「他人の声が録音された」などの音漏れを指摘する声が多数上がっています。私たちは、音漏れの影響についての実証実 験や詳しい実施状況調査を行うよう求める要望書を都の教育委員会に提出しましたが、誠実な回答はこれまでに一切ありません。試験監督者や受験生、中学校の教員への丁寧な聞き取りも行われておらず、入試にはとても使えない現状でありながら、それを改善せず、「入試活用」を強行しました。

◆英語スピーキングテストの採点に誤り 複数訂正も

　都教委は、一次入試の手続き終了前日に、解答が正しく録音されず、誤って低く採点された生徒が８人い たことを発表しました。ESAT-J の結果が１月末に学校と受験者に返却された後、「念のため点検したところ、見つかった」としています。本来であれば、「点検」は、結果を返却する前にしておくべきことで、なぜ１月27日から短期間の点検が行われたのかなど分からないことが多くあります。

◆丁寧な説明はこれまで一度もありません！（怒りの声：保護者）

　都教委は｢丁寧に説明、周知します｣ と何度も言っていすが、ESAT‐J について私たち（保護者）は一度も丁寧に説明されたことはありません。議会においても都教委は｢繰り返しの答弁になりますが｣ と何度も言っていましたが、繰り返されたことが質問の答えになっておらず意味不明です。質問に誠意をもって答えていません。

◆専門家・保護者・現場の疑問の声に耳を貸さず、新たに３５億円の都税が！

　問題点山積みのスピーキングテストですが、東京都は、中学１、２年生に対してもアチーブメントテストとして導入しようとしています。中学３年生用テストと合わせて、その予算は 35 億円に上ります。様々なトラブルや問題点の改善策も示されず、公平性・公正性を欠く ESAT-J の入試への活用継続は絶対に許せません。
　すでに昨年の 12 月には導入が決まっていたにもかかわらず、都議会に報告がなく、新聞報道で初めて知った都議の方もいます。都民や議会への丁寧な説明もなく、都税をムダに浪費するような施策も許せません。

この問題は東京都だけの問題ではありません！　東京都を足掛かりに全国に広がっていく可能性も大いにあります。

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