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都立高校入試へのスピーキングテスト導入の中止を求めます!
― STOP!「東京都中学校英語スピーキングテスト事業」―

2021.12.27

その2 今,東京の中学校現場は? テストで授業を変える?


 多くの方々に、「STOP!東京都中学校英語スピーキングテスト」を読んでいただき、また拡散していただき、 本当にありがとうございました。このテストの主な問題点は、次の4つでした。
  1)中学3年生、約8万人分の公平な採点は不可能。
  2)評価の信頼性への疑問
  3)授業と英語教育への弊害、家庭の経済格差と学力格差 
  4)個人情報漏洩の危険性について
 今回は、東京の中学生、教員が置かれている教育現場の危機的状況をお知らせし、さらに「テストで授業を 変えようとする」ことの危険性を理解していただきたいと願っています。

(1)新学習指導要領下で新教科書を使う英語授業は今

 2021年春施行の新学習指導要領下で作成された新中学教科書は、小学校での英語教科化の影響からかな り高度化し、小学校で既習とされる600語と中学校で学ぶ1600~1800語を合わせて、これまでの2倍の語 彙を学ぶことになり、それに加え、高校から降りてきた仮定法、現在完了進行形などの最も難しい文法事 項も扱うことになりました。教師は教科書を進めることに追い立てられ、「早々に英語をあきらめていく生 徒が増えている」という声が全国から上がっています。

(2)コロナ禍で小中を過ごし、心の不安も増えている中で

 文科省の調査では2020年度、自殺をした生徒が400人以上、不登校が19万人以上の過去最高となり、 コロナ禍で心に不安をもつ生徒が増えています。2022年度にスピーキングテストを入試に使用する形で初 めて受けることになる現中学2年生は、コロナ禍で、小学校の卒業式も中学の入学式も満足に行えなかっ た学年です。入学後の英語の授業においては、コロナ対策から、ペア、グループ学習も、音声活動も十分 に行えず、今年度は、難しくなった新教科書で、1年時に未修の文法事項と新たに2年生に降りてきた文 法事項も学ばなくてはならず、生徒も教師も苦しい中での英語学習です。その上新たに「話す力」を測る テストも受けることになれば、テスト対策を授業でしなくてはならなくなります。

(3)真のコミュニケーション力を高める英語教育がしたい!

 本来、スピーキングの力は、基礎基本の習得を土台にして、リスニングやリーディングなどの十分なインプットがあって、初めて表出される力であることは様々な研究者が発言しています。小学校から「聞くこと」「話すこと」を中心に外国語への興味関心を育まれてきた生徒たちが、今度は中学校で、より明示的に、母語との比較や英語の特徴を学びながら、ゆっくりと豊かに総合的な英語の力をつけることが発達段階として妥当ではないでしょうか。高度化した新教科書に苦しみながら、さらにテスト対策に特化したスピーキング練習が入ることで、基礎基本を学ぶ時間が削られ、かえってスピーキングの力は落ちることが予想されます。そして、ますます英語嫌い、苦手感をもつ生徒が増え、塾通いができる家庭と経済的に厳しい家庭との格差が拡大し、二極化がさらに進むことが考えられます。スピーキングテストが入試に使用されることには反対です。そして、中学校の出口で「話す力」を測定することは、本当に必要でしょうか。テストによって、現状を確認するにとどまらず、点数を上げることに追い立てられ、ますます授業内容が規格化され、ゆとりが失われることが考えられます。もっとじっくりと、豊かに学ぶ中で、真のコミュニケーションができる力を育てたいと私たちは願っています。このような民間業者の公教育への参入は東京だけの問題ではなく、入試への使用も他の道府県にも広がることが予想されます。その動きを止めるために、東京のみならず、全国的な運動となるよう、共に行動していただくことをお願い申し上げます。

都立高校入試へのスピーキングテスト導入の中止を求める会
(小学校・中学校・高校教師・大学教員 有志、市民団体、
新英語教育研究会、日本外国語教育改善協議会世話人会、
などが賛同しています。)
  代表 沖浜 真治
お問い合わせはこちらに↓
stoptokyospeakingtests@gmail.com




 小学校への基礎の移管が、圧倒的に大きな影響を与えています。基礎がおろそかになり、習っている子と そうでない子の差が出ないよう、これまで以上にマックスで腐心し、教材づくり、授業づくりをしています。これまでも持ち帰り仕事は当然大量にありましたが、とうとう、4時台に起きるのが通例になりました。4時間半は寝ようと思っています。今年の中学校英語教師の多くの姿だと想像します。半端な大変さではなく、私は30年以上やっていますが、今年度が群を抜いて一番大変です(子どもも大人も)。何かが壊れそうな予感がします。【東京 中学校教員 女性】



新学習指導要領の施行で教えなければならない内容の増加に加えて、コロナによる休校や午前授業により失われた授業時間の影響で、時間と戦いながら授業作りをする日々が続いているんです。とにかく時間が足りない中、本来なら遅れがちな子に寄り添いながら、丁寧かついろいろな活動を行いたいですが、今は、時数削減されている中で効率良く授業を進めていくことが推奨されています。そして一人一台の端末を活かさなければならない、というICTを使うための授業プランを強いられています。 【東京 中学校教員 女性】



小中連携の英語教育交流で驚きの報告!
その1:
英語の学習を早期に諦めてしまう生徒が増えた。
小学校で600~700語を含め2200~2500語を教えることになる。
中学校現場の生徒と教師の苦悩はいかほどだろう。
その2:
英語の教員が一人いなくなった。学校に出てこられなくなって病休になった。
英語授業の大変さだけが原因ではないだろう。しかし、日本の英語教育を何とかしないと生徒も教員もボロボロにされてしまう【岐阜・小学校教員 男性】



授業ではやることが多すぎて時間が足りません。置き去りにしている生徒が気になりながらも、教科書を進めていかなければならないのが悩みです。 【東京 中学校教員 女性】



今年の1年生の教科書は驚くべきものでした。Be動詞と一般動詞がLesson1に同時に登場します! 両方の肯定文、両方の疑問文、両方の否定文、が1時間ごとに初出します!!考えただけで、気が遠くなり「もう無理」と何度弱音を吐いたことか、それでも日々の授業は私を追いかけてきます。弱音ばかりですがそれに加えて東京は2クラス3展開の少人数授業を行っています。3人の先生で統一の進度で教科書を進めます。ひとクラスだけ遅れをとるわけにはいきません。ハイペースな要求に生徒ばかりか私もつかれる日々を送っています。 【東京 中学校教員 女性】



 コロナ対策をしながら、格段に難しくなった新教科書への対応だけでも、生徒も教師もぎりぎりです。
 もう、これ以上、学校現場の教員や生徒たちを苦しめるような教育施策はストップしてください!
 スピーキングテストの実施は、学校現場をさらに追い詰め、生徒や教員を苦しめるだけだということをぜひ、ご理解いただきたいと思います。



  1. 都立高校入試へのスピーキングテスト導入の中止を求めます!
  2. 会見の様子の報道
  3. (このページ) STOP!2 今,東京の中学校現場は? テストで授業を変える?
  4. STOP!3 都庁で記者会見!スピーキングテスト中止を求めて
  5. 都立高校入試への英語スピーキングテスト導入見直しを求める市民大集会
  6. 署名にご協力ください
  7. 「導入の中止を求める」記者会見/都教育委員に公開書簡を提出
  8. 運動に寄せられた声
  9. 第2回署名にご協力ください
  10. 都立高校入試への英語スピーキングテスト導入見直しを求める 夏の市民大集会
  11. 江戸川陳情署名ににご協力ください

(2022年5月16日掲載)

 

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