■ 春季セミナー 2013年

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2.現場からの報告

現場からの報告 (1)
泉 康夫先生(神奈川・中学)14:35-15:05
タイトル:
「タフな教室のタフな練習活動 ~思考のふり巾を広げるには~」

1)はじめに

現場からの報告(1)  今年3月市立中学を定年退職し、現在は別の中学で「再任用」で教えている。「帯学習」を実践している。この方式は荒れている学校でも優秀な学校でも生徒の"食いつき"が良い。生徒に世界の現実を覗かせ、そこに生徒自身を重ね描かせるというマクロな視点をもたせる。


2)帯学習

 帯学習は、「横断的学習」とも「授業デザイン(大阪の中学の劉先生の呼称)」とも呼ばれる。「何を教えたかではなく、何ができるようになったか」が重要である。「何度も説明するより何度も練習できるシステム」であり、飽きさせないために「ポイント制」にして、「ポイント化できる課題を与え続ける」ことが重要。

3)タフな教室のタフな練習活動

 授業規律が乱れ学習意欲が停滞した教室では、教師の方を向いてくれる生徒の数を増やすことが大切。「英語は苦手だがついていこう」という生徒をより多く参加させる間口の広い活動を展開させる。

  1. ① ポイント制―――荒んだ教室に「競争」を産み、教師の負担の軽減をめざす。ポイントをゲットしたらハンコやシールをはって知らせる。
  2. ② 文法事項のまえさばき―――遅れがちな生徒でも食らいつくことができ、参加意欲を高められる。
    1. 「~しました」は 動詞にedくっつけて
        Did「~しましたか?」 didn't「~しませんでした」
    2. 「~しました」は 動詞をgo-went 変化させて
       Did 「~しましたか?」 didn't 「~しませんでした」
  3. ③ 「英鍛語マシーン」―――体力勝負型の単語練習活動で、単語を覚えようという気持ちがあまりなくても着実に書けるようになる。私自身はこの活動を橋頭堡として、しょうもない連中とようやく言葉らしい言葉を交わすことができるようになった。彼らにとっては、英語学習の手応えを初めて実感(「やっべー! 俺、8番まで一回も裏見てねえよ」)した活動となったようだ。遅れがちな生徒にとって、単語が書けるということの意味は極めて大きい。
  4. ④  基本文口頭練習…遅れがちな生徒でも食いつくことができ、参加意欲を高める上で効果的
  5. ⑤  基本文WRITING練習…「音声から」ではなく、「ライティングから」が早道
  6. ⑥ CHECK & RECHECK ~基本文WRITING & RECITING編~…「並ぶ系」と生徒が呼ぶ活動で、遅れがちな生徒が参加しやすい。
  7. ⑦  Mines!! 音読チェック…遅れがちな生徒でも食いつくことができ、参加意欲を高める上で効果的
  8. ⑧  Mines!!…遅れがちな生徒が参加しやすい。時々ズルする。 
  9. ⑨ アンコールワットへ行こう!…遅れがちな生徒が参加しやすい「並ぶ系」で、クリエイティブ
  10. ⑩ 映像と長文で巡る世界の現場…この3年間で17本実践した。この実践に行き着いて、ようやく腰が座ったという感覚がある。「映像や長文を通して、何か思うことがあれば書きなさい」のコーナーに書かれた感想で一番うれしかったのは、子ども兵士をテーマにしたときの「英語以上に大切なことを学んだような・・・」だった。

4)さいごに

 帯学習をポイント制で十数年やってきて感じるのは、従来の授業スタイルでやるよりも生徒は格段に積極的になるということです。また、練習活動中心の授業は見栄えが良く、授業参観やオープン・デイなどで保護者からの支持を得やすいということもあります。多分そのお陰でしょう、教科書にはない、かなり際どい題材を持ちこんでもクレームが来ることはありません。

●泉報告への質疑応答 (15:05~15:15  10分間)

ブレイク10分(15:15-15:25)

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