■ 埼玉新英研 10月例会
2017年10月
ESTEEMと東京、神奈川、埼玉の新英研3支部の合同例会を東京の東洋学園大学で行いました。
●オープニング:
- 司会(柏村・東京)から、はじめて新英研においでになった方があり「一度はお話をと」呼びかけがありました。英語の歌の導入が根岸さんからありました。Try Everything という曲で、ディズニーアニメの「ズートピア」のテーマである。この曲には勇気づけられるという感想が寄せられるとのこと。穴埋めにしたプリントで、Reading and Listening 方式により、プリントにある英詞と対訳を読み比べて、かっこに書き入れる。仲間と一緒にしてもよいということで、すすめる。教師が歌詞について、最初に説明すると、生徒は下を向いてしまうが、このように内容を把握させると、メッセージ性の強いものでも理解がすすむとのこと。
近況、最近取り組んでいること
- 授業の先に笑顔を作ること
- 自分の英語力と相談しながら、知られていない良書を日本語に翻訳することに夢中です。
- 退職後の再任用5年も来年の3月で終わるというのに、映像とコラボさせた長文読解問題をつい作ってしまう。
- 授業を通じて、いかに生徒の人間性を高められるか、多読
- 英語の歌の復活(10年振り!)Try Everythingもやってみます。
- プレゼン、多読、経済(関連)英語
- ヨーロッパの歴史教育に学びたいと思います。
- 今、歌を扱う時間はあまりないのですが、扱えるようになったらTry Everythingをぜひ使いたいと思いました。
- 日本人にとっての英語教育って何?
- 福島の小学校とトルコの子どもを結ぶ英語環境教育プロジェクト
- 自己紹介→友達紹介
最近うまくいかないこと、悩んでいることなど
- 体力が落ちていること。LDの男子生徒の対応。
- 英語が必要ないと言う学生がふえていること
- 健康問題です。
- 苦手な生徒にいかにして教科書の意味把握をさせるか。
- 進路の決まった3年生の授業、無反応な3年生のクラスの授業、2学年担任だし、3年生は2単位だし。
- 英語の授業はほとんどしていません
- 学生たちの積極的な姿勢を引き出すために敢えて最低限の説明・介入にして質問を待つのだが、受身の姿勢の学生は不満を持つこと
新英研事務局への意見
- いつも運営に力を尽くしてくださり、ありがとうございます!
- 何もお手伝いせず、すみませんでした。
●中学実践報告:
「英語で人生は楽しくなる! 英語教師として生徒と駆け抜けた6年間の軌跡」
廣橋智美さん(品川区立八潮学園中)
1. レポーターから
- 6年間、実際に子どもたちと英語の授業をしてきて、大切にしてきたことや力を入れた実践を紹介しながら、日々課題に感じていることなどを皆さんとシェアし、話し合い、授業の在り方について深められたらと思います。実際に少人数授業をして感じる課題や現状にも触れたいです。
2. 廣橋さん
- 午前中、中3の進路説明会をして、駆けつけて来られた。英語教師になったのは、留学をしたことで、英語で人に伝えることができることを実感したことからだった。その思いを生徒に伝えたいと思っている。山口出身で大学は福岡、海外で1年すごして、その延長で東京に来た。最初は、2学年を受け持ち、たいへんだったので、新英研で学ぶようになり、ゲストハウス実践も発表する機会を得た。生徒に助けられたし、卒業式での感動はひとしおであった。4年目で、1年から持つことになり、ふだんの授業をしっかりしたいと思うようになった。今年は、はじめて3年間もちあがって、今は1クラス2展開になっている。
3. 授業
- 駆け抜けたというのが実感だが、「わくわく、リアル、あこがれ(こんなことができる)」ということをたいせつに授業づくりをしている。
- 9月末の修学旅行でのプロジェクトには、The Studentsによる「ハトマメ~Say Hello To The World」で導入した。「ごめんねと言いたい時、ありがとうと言いたい時、何も言えなかったあの日」とあるが、生徒はそれぐらい言えるだろうという反応だが、自分の体験では、気持ちがあっても言えなかったと、語った。
- 東京新英研で学んだフォーマット使って話す練習では、おとなしい生徒でもALTとの練習でもりあがった。京都では、海外からの観光客と話したあと、写真をとって、しおりをプレゼントする流れだった。チェックポイントに来ると、さまざまに生徒たちが経過報告をし、手応えを感じた。戻った後、書いてもらったメッセージと写真を廊下に掲示した。
- 以前、報告をしたゲストハウス実践は、よく外国からの旅行者が泊まるゲストハウスにあるコモンスペースに生徒がつくった冊子(例えば、ピースブックをもとに平和とは、行きたい国をテーマにしたこともある)を置き、旅行者にも書いてもらう、とりくみであった。
- 普段の授業では、自分で創作したキャラクターで展開する漫画をよく使う、その漫画の吹き出しに言葉を書き入れることを試験にも出題している。授業びらきに旅のことを話すようにしているが、それをもとにリスニング試験をおこなった。外国人旅行客と録音してみたこともある。
- 映画『最高の人生の見つけ方』にあるバケットリスト(死ぬまでのやりたいことリスト)を紹介したのち、スピーチを書かせ、発表させるようにした。マララのスピーチも見せた。イベントにして、賞状もだした。今の学年では、定期的にミニスピーチやミニスキットをさせている。定期的にすることで、生徒が伸びると実感している。
- 今、課題としているは、行政が求める(点数)学力と評価、また音読の評価は教師によってちがうので、どのようにしたらよいか。プリントをつくるのに2時間かかる、時間の使い方をどのように工夫するかなどが、あげられた。
4. 質疑
- 質疑では、「ゲストハウス実践は卓越しているが、少人数制ですすめる場合どうしているのか」:1年目2年目の時は、1クラス3展開だったので、2つをあわせて合同でしていた。2クラス3展開だとしにくかった。「3年生になって伸びたというのは、どうしてだろうか」:修学旅行プロジェクトの時、引っ込み思案だった生徒が、積極的にとりくむようになっていた。成長がめざましい。プロジェクトをとおして自信がついたのではないか。こまかいとりくみをかさねている。「表現活動を授業の中でするのにどのように生み出しているか」:Let's Talk を授業でしたのち、宿題にして、次の時間に発表に15分くらいかけている。
- 教師の実体験から出発して、文型指導に体験談を混ぜるように、自分自身が楽しいと思うことを教室に持ち込み、生徒にあこがれを持たせているが、普段の授業をどうするかが課題となった。リスニング問題は難しいようだが、2学期の授業びらきに旅での出来事をはなしているので背景がわかっているので、よかったのではないか。
- 少人数クラス:休憩後、東京都での少人数制度についても、2クラス3展開は問題との指摘があった。学年3クラスだと学期ごとにかわるので、1年間、ずっと生徒にかかわれない。教師と生徒との信頼関係あっての授業なので、それができない。ルティーンのなかで、打ち合わせやプリントの準備とかがとても大変で、また、生徒とのかかわりでいえば、試験でも自分から返せない生徒もいるし、自分が採点していないので生徒への声かけもできない。少人数なので、授業では、1人ひとりに目がいきとどくし、発表の機会も増えるのでよい面もある。しかし、教材や予算も限られていて、用意できない場合もある。やってみて問題がわかった。
5. 総合討論から
- 多くの教師にはげみになる実践報告であった。自分の好きなこと(楽しい、わくわくすること)をいかす、おもしろいと生徒に示すことが原点といえる。プリントをつくるのに、フォーマットをきめるとよい。だいじにしている「わくわく、リアルさ、あこがれ」が生徒に伝わっている。自分の体験と重なって、これからの自信と勇気がわいた。伝え合う楽しみは、個性から出発するが、2クラス3展開では、個性がだせないと思われる。発表者からは、発表してみて、今後の課題が見出せたのでよかったとのこと。
●参加者の感想
- わくわく・リアルさ・あこがれ、どの要素も自分の授業に欠けていたものです。私の現在の目標は、「授業の先に笑顔を作ること」。わくわく・リアルさ・あこがれの要素を取り入れながら頑張ります。ありがとうございました。
- 「わくわく」「リアルさ」「あこがれ」の3つのキーフレーズを元に様々な実践を組み立てて生徒のやる気を引き出し、生徒に英語力をつけていっていること、又つながる力をつけていっていることは本当に素晴らしいと思います。楽しい英語授業をこれからも大胆に続けていって下さい。いつ聞いても、新しい取り組みがある想像力には参った。
- 6年目とは思えないしっかりした先生だと思います。一番感心したのは、教科書を使っての普段の授業が上手くできないと自己分析されているところ。「上手くできないから、どうしよう?」という学びにつながります。私は退職しましたが、退職の最後の年まで去年より1cmでも1mmでも良い授業になるようにと新英研で学び続けました。新英研に成長させてもらいました。先生もぜひ、これからも新英研と共に学んでいって下さいね。未熟なところがあっても、若さというのは大きな魅力です。ステキな先生だと思います。これからの成長を楽しみにしています。
- 自分の旅行やゲストハウスでの体験を元にリスニング教材まで作っていることにビックリ!ただ、音声を文字にする時に誤りが生じてしまうこともあるので、複数の人にチェックを入れていただくと良いと思います。
- 4年前に神奈川で発表して頂いたとき、「普段の授業が…」とおっしゃっていました。今回も「普段の授業が…」と言っていましたが、どうしてどうして着実に進化していると思います。経験6年目とのこと、私自身の6年目を思い出して恥ずかしくなりました。バッグ・パックやゲストハウス、マルルンなど、これからもBe yourself no matter what they say(Sting?)の精神でやっていかれますことを。
- 廣橋さんの情熱をビシビシ感じました。私に足りない、「生徒と世界を直につなぐ」という視点と実践をお持ちの様子にものすごく刺激を受けました! 廣橋さんの良いところ、たくさん吸収して自分も成長できるよう頑張ろう!と思います。お互い頑張りましょう! 負けませんよ!
- 生徒が海外などに行って、いろいろな経験を生徒に生き生きと伝えている姿が、とても印象的でした。私も生徒に、こういうことをやってみたら楽しいよ。ということを生徒に投げかけて、授業ができたらなあと思いました。有難うございました。
- そのうち、毎夏休みにバックパッカーをできなくなる立場にもなるとは思いますが、廣橋さんの貴重な経験は、これからの「普通」お授業でも絶対活かせると思います。ぜひ記録と記憶を整理して、教材化をこつこつ続けられることをお薦めします。こんなステキな経験をたくさんされた廣橋さんがとてもうらやましいです。
- 今日は、お二人ともあの若さで、とても深く、広く学びつつ、すばらしい内容の実践をされていて、本当に驚き、かつ勇気をもらいました。廣橋さんの、ゲストハウスや旅の会話etc、内容の完成度が高く、ぜひ広くシェアできるよう、作品化等、教えていただけたら、と思います。
- 思いのこもった導入や、手作りのプリントやテストをつくられていてすばらしいと思いました。これから3年生が卒業するときには、ひとしおだと思います。
- 「わくわく」「リアルさ」「あこがれ」が廣橋さんの授業の原理・原則になっているように思いました。教材の提供がすべてカスタマイズされていて生徒にとって魅力な授業ができていると思いました。「一枚のプリントに作るのに2時間かかる」問題については、時間のことをことさら気にされなくて良いと思います。プリント作成の中で授業のいろんなことが、その時間の中で、準備もされていると思います。
- 4年ほど前に神奈川支部でゲストハウスの実践についてお話していただきました。その時からブレることなく初志貫徹していらっしゃるのが素晴らしいと思いました。
- 自身が海外で学んでそれを授業に生かしている。「生きた英語」を追求していると思った。「わくわく」「リアルさ」「あこがれ」を主題に教えている廣橋先生。授業準備は大変でも、生きがい(働きがい)がありますね。
- 廣橋さん、持ち時間の多い中、素晴らしいレポートありがとうございました。丁寧なワークシートづくり、自己表現活動を具体的に少人数習熟度別授業の悩みなどを率直に語ってくれてよかったです。これからも活躍を応援しています。"ハトマメ"やってみます。いい歌紹介ありがとうございます。
- 廣橋さん、前回聞かせてもらったゲストハウスの実践同様、廣橋さんらしさを生かした実践でした。「〇〇って面白いよ!楽しいよ!」と教師が生徒に語り掛けるのが、教育の原点であることを確認させられます。結果として、モチベーションを持たせ、英語に向き合う姿勢を作らせているのがよいです。その上で、英語を使って、「わくわく」「リアルさ」「あこがれ」を実現させる創意工夫をしていることが素晴らしいですね。ハトマメ、The Bucket List、ミニスピーチなど、自分の体験に基づく手立てを用意しているのがよい。
- ご自身が作るプリントは宝だと思います。安野さんからお話があったように、フォーマットを決めてプリントになさると、先生にも生徒にもいいですね。絵もお上手で、手作り感がいっぱいに先生の愛が伝わると思いました。
- Peace Book、修学旅行プロジェクト、自分の人生を折り込んだ授業、とてもすてきです。忙しい中、レポートをありがとうございました。「この子たちに英語教育は何の意味があるか」という最初の問いからきちんと答えを導き出した素晴らしい実践でした!
●高校実践報告:「子どもたちの人間性を育む―問いから始める授業の工夫―」
石井博之さん(神奈川県立海洋科学高校)
1. 授業に対する視点
- はじめに:卒業後必ずしも英語が必要ではない生徒に、何を残せるだろうか。2校10年間、学び直しの学校での経験からたどり着いた答えが「授業を通じて人間性を育むこと」です。価値観を揺さぶる問いを中心に授業を組み立てることで、英語の授業に意味を持たせられないかと試行錯誤中です。まだまだ浅い実践ですので、ご指導いただければ幸いです。
- 普段の授業で心がけていること:思考を揺さぶる「問い」から授業を始める。
問いを通じて生徒が自身の内面を表現し、それを交流させることでコミュニケーション能力を高め、ひいては人間性を高めることができるのではないかと考えるようになった。
例:Snoopyのマンガから What is a friend for you? への答えの何例かを示し、教師が説明しながら読み、
①〇△×で共感できるか否かの評価をつける
②近くの人と評価を知らせ合う、感想を言い合う(実際に4人グループでやってみた) その後に裏面のワークシートにA friend is someone whoで始まる文をイラストともに書かせる 例文:A friend is someone who enjoys ramen with you. - 目ざとい生徒は「の後は大概sだよね」「isの場合もあるね」←そこを誉める 「表現の中に I でなくyouと出てくるのは? 本だから読者へのメッセージになっているんだ。書いてみよう。この後シェアしてもらうので、なぜそうなのか説明できるようにね」「結構友だちの定義は人によって違うものだね」英語科通信でシェア
- who laughs in a tiny thing with you と書いたギャルに隣の男子が少し見直した いいねgood! / 派手でかわいい! / ささいなことも友達とだと楽しい! などのコメント
2. 人間性と問い
- なぜ「人間性」? なぜ「問い」なのか?:2校10年間、「学び直し」の学校での経験から、生徒に前を向かせる試行錯誤の中で生き生きと取り組む場面には共通点があった
→他者との関わりから成長を見せる場面を見たとき→自己表現に一つとして同じ答えがないと思い、また教師の与えた題材に予期せぬ反応や答えが出たとき→「英語授業を通じた人格形成」への興味 - 「人間主義的言語教育」との出会い:加賀田,縫部,Moskowitz論文
環境:安全・安心な教室風土を作る
形式:協同学習を中心とする
教材:グローバルなもの(愛、友情、平和と戦争、人権、科学、進路、文化など)
方法:教材を自己の内面に関連付けて表現できる活動 - それを授業で行うには?:優れた投げ込み教材(内容理解、文法演習で終わらず、内面への関連付けから自己表現まで)、「価値観偏差」のある活動(生徒にとって人間的な価値ある情報[レベル4]の授受)、表現したくなる、他者の表現を知りたくなる活動(Humanistic approach)
3. 文法導入でさまざまな自己表現
- I want to go to Italy. First, I will go to Pisa to see Leaning Tower…
生徒のコメント「人のやつを見て、考え方の違いや、興味を向けているところの違いを知った」「自分でも驚くくらい文を作れた。こんなに動詞の原形を使って書いたのは初めてだった。今度作るとき、友だちのも参考にしようと思った」 - 価値観トーナメント:What do you really need ?...
生徒の作文Progress is what I really need in my life.
理由:「なぜなら、生を実感できる瞬間は進化した時だと思うから」
4. 教科書
- 「教科書でもできたらいいのになぁ…」→教科書を「問い」から始める
- レッスンを通じて考えてほしいテーマを決める
- テーマを「問い」の形に仕立て、生徒に提示
- レッスン末にアウトプットすることを伝える
- 「問い」はレッスンの間中黒板に掲示
- 読解の要所要所で生徒の思考を揺さぶる問いを仕掛けていく
- 「問い」への答えをアウトプットさせる
- 内容と取り組みの感想をシェア
- 実際に作った教科書の「問い」リストより:
What is your ideal trip plan?(ボリビア、ウユニ塩原へ旅行した話)
What do you learn in this school for your future?
(帯広農業高校の生徒たちの学びについて)
What is important to make yourself understood by others?
(海外公演を成功させるいっこく堂さんの話) - 教科書よりA Garden in Hokkaido(北国のガーデン):1夢の実現 / 2英語で可能性を広げる / 3自然とのかかわりなど考えられるが、3で迫ってみた
→What is nature for you? 文中から上野さんの幼少期を想像させる caught fish in the river / picked wild flowers / built a tree house 生徒自身の経験をシェア What is nature for Ms. Ueno? Why? What is gardening for Ms. Ueno? Why? →What is nature for you? - 生徒の答え Wave is a teacher for me. Forest is a playground for me.など
5. サダコプロジェクトの実施
- What can/will we do for world peace? I will study English. / It is important for people in the world to eliminate racial discrimination. / I can help people in need.
- 他学年、講座、英語科メンバーを巻き込んで、計175羽の鶴をハワイに送った
6. まとめ
- 「問い」のある授業をしてみて:
- ①生徒間の人間関係が良くなった
- ②これまで目立たなかった生徒が活躍する場面が生まれた
- ③読解・音読・作文などの活動に目的意識をもって取り組むようになった
- ④自然と既習事項を活用する場面が生まれた
- ⑤ただドリルをしていた時より定着率が高い(気がする)
- ⑥生徒一人ひとりの個性が見えるようになった
- ⑦教材研究・発問計画等が容易になった ⑧自分(教師)自身が、授業が楽しくなった
7. 質疑応答と意見
- 協同学習はどのようにさせたのか?
―やり切れていない。かなり緩く「近所の人とグループになりましょう」くらいだが、自己表現の時に助けになる。人間関係に問題のある生徒もあるので、自由に席を離れていい。 - クラスの人数は?
―1クラス30人だが、英語は15人にしている。2年生になると25~30人 - 発問から音声により自己表現に至るまでの過程が見えてこない。どのように進めたか?
A Garden in Hokkaido を例にとり説明 生徒のリプロダクションの映像 - Want need write という古典的な手法、ディレンマがある授業で、生徒に多く考えさせるが、教科書の中からそれを見つけて取り上げているのが素晴らしい
- 新英研ではいろいろな優れた教材を取り上げたが、基本にする教科書を大事に展開しているところがいい
- 音声による自己表現を大切にし、スピーチを日常的に育んでいくと、生きたコミュニケーションプラクティスになっていく 少し背伸びしている感じ、もっと気楽に
- コミュニケーションの4つのレベルを見て レベル2のインタビュー活動とレベル3のインフォメーションギャップは今では昔のもの リテリング、リプロダクションを自分でやってあまりクリエイティヴでなかったので嫌だったが これはずっといい
- サダコプロジェクトがすばらしい 法政大学の坂本さんが20年前に福島の子どもたちとネパールの子どもたちを結ぶ活動をしたが、テレビ会話から始まったもの。iEARN等、余裕が出たらリアルなものまでに進んでいくといいと思う
●参加者の感想
- 発表者です。ステキな発表の機会をいただき、ありがとうございました。さらなる成長の糧としたいと思います!
- 残念ながら埼玉からの参加者がすくなくて、せっかくのすばらしい発表を聞いてもらえませんでした。埼玉新英研にレポーターとして来てください。
- 初めて先生の実践を聞きました。元気ではつらつとして、生徒にぐんぐんと入っていってるなあと発表の姿勢からも感じることができました。研究熱心で教科書に様々な工夫を加えて生徒のやる気を引き出しているのも素晴らしいし、工夫も常に人間教育をベースに考えている点はびっくりしました。英語の苦手な生徒に考えさせ、興味を持たせ、自分の力で英語の文章を作り出し、発表させている点もびっくりです。
- やはり石井先生の授業が現在の自分にとって最高の模範です。そして先生の笑顔も最高の手本です。まずは笑顔で負けないように頑張ります。
- コミュニケーションの4レベルなど、たくさん勉強されて理論に基づいた考えが実践されていて、尊敬します。「日本語でできないコミュニケーションが英語ならできる」。その通りだな~。それが日本人全員が英語を学ぶ意味だなと私も思います。自己表現で同じ答えがない活動をしたとき、生徒は笑顔や成長を見せるという話を聞いて、自己表現の大切さを再認識することができたし、日常の授業で大切にしていきたいと感じました。ありがとうございました。
- reプロダクションとかreテリングって、本当にコミュニケーションに役立つんだろうか。インフォメーション・ギャップ活動とかインタビュー活動ほどじゃないけど、実は体のいいコミュニケーションもどきなんじゃないかな。reしている限り、そいつ自身のプロダクションやテリングにはつながって行かないような気がしてなりません。たとえ紙に書いてあるだけの、音声とは縁のない英文であっても、あるいは英文にすらなっていない日本語状態のものであっても、そいつ自身がすごく考えたこととか、捨てきれないこだわりってのがあって初めて、コミュニケーションへの志向性が宿るんじゃないだろうか。
- 英語の授業は半分は日本語や日本文化(また、生徒個人のもつ言語体系)が他と異なることが多いことを知ることでもあります。そのなかでに共有できる(共感)ことがあることを発見するexcitingになるのでしょう。「平和は教室の中から始まる」のだと思います。これからもいろいろ吸収して自分流を追求していって下さい。
- 先生が見せて頂いた「ギャルの発表」が、よくできたなあと思いました。それも、先生の日頃の指導のたまものだと思いました。今度その秘訣を教えていただければと思います。どうも有難うございました。
- たくさん今までの実践を勉強されて、それを自分流にうまくニーズに合わせてアレンジしているのがすごいと思います。私もたまに思い出したように出てきた文法事項で自己表現をさせていますが、音声でやらせる時間がありません。教科書をすすめるのが精一杯で、ほとんどアウトプットまで結び付けられていない自分の授業を思い、とても反省させられました。発問のセンスがバツグンです。生徒の発表の撮影をしながらヒントの声を生徒に掛ける石井さんの愛が伝わって来てほっこりしました。
- 英語を学ぶモチベーションがとても低い学生たちを相手に、、、という点は、英語が嫌いだったいう学生がほとんどの経済学部の授業と問題意識が重なります。安心して本音(に近い気持ち)を出しあえるクラスで、楽しくやっていきたい、彼らが自ら言いたくなるような内容を考えていますが、(例えば、日本の中の貧困、非正規労働者の増加、終身雇用化実績主義か、ブラックバイトなど)、それらをどのように教材化したり、対話をさせたり、自己表現させるか悩んでいます。石井さんの学びや、発表から、いろいろヒントを得られました。ありがとうございました。
- 海外の人間教育や、Conflict Resolution教育で行われている実践から多く応用することができます。
- 「人間主義的言語教育」の信念が核になっていると思いました。その信念がベースになって、生徒と正面から向き合い、先達から広く学んでいる姿勢が素晴らしいと思いました。
- スヌーピーの絵とメッセージを使った、関係代名詞の作文練習A friend is someone who ...を紹介されていました。似たような実践で、何かを定義する表現「●● とは xx(SVC)」を教える時にジョン・レノンの"Love"という曲を使ったことを思い出しました。補語Cには、名詞、動名詞、形容詞、人名などなどが使えます。
- 先輩の本から学びとって自分自身の授業に生かし、人間主義的言語教育を追求している姿が素晴らしいと思った。
- 石井さん、大変な中、すばらしいレポートありがとうございました。学び直しの学校と言われながらも、子ども達と密に関わり、やる気や意欲を引き出すエネルギッシュな報告に頭が下がり、かつ自分の息子が高校生だったら、石井先生に習わせたかったと思いました。教材を扱うときの視点、発問する時の掘り下げ方など、具体的な手法を学ばせてもらいました。生徒へのまなざしがあたたかい先生のレポートから励まされました。ありがとうございました。
- 石井さん、自己表現を中心に協同学習を取り入れながら、人間教育をめざすという意味ですぐれた教育実践をされていると思います。生徒が「学び直し」レベルという実態にもかかわらず、高いレベルの問いをかかげてレッスンをすすめるという、大変意欲的なとりくみだと思います。つけ加えれば、教科書をそのまま扱うのではなく、教材批判の視点も持って、差し替えたり、改良したりという観点があってもいいですね。「人間主義的」というのは、まさに新英研でも目指してきた目標のひとつです。4目的などとも関連させながら、実践を進めたいですね。
- 「問い」から始まる意義ある自己表現とそのsharingでクラスの人間関係が良くなるのは素晴らしいと思いました。
- 最初にレベル4の質問を設定するというところ、とても参考になりました。関係代名詞や動名詞、教科書の随所にレベル4の質問を考えていきたいと思いました。ありがとうございました。
ESTEEM・新英研 秋のアフタヌーン・ワークショップ | |||
●日時: | 2017年10月21日(土) 14:00(受付開始)~18:00 | ||
●場所: |
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●日程: |
14:00 受付開始 14:25~14:35 今月の歌,交流(自己紹介) 14:35~15:35 中学実践報告 15:35~15:50 アフタヌーンティー(休憩) 15:50~16:00 中学実践から学べるもの(交流) 16:00~17:00 高校実践報告 17:00~17:30 高校実践報告から学べるもの,交流 2つの実践から学べるもの,交流 など 18:00~ 懇親会(どなたでも参加できます) |
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●内容: |
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●会場費: | 500円<資料代含む> (ESTEEM, 東京・神奈川・埼玉各支部部会員,学生 無料) |
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●参加申込: | 参加申し込みページ(外部サイト) |
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●問い合わせ: | 萩原一郎 安野寿美 |
(2017年10月1日掲載/11月4日更新)