■ 埼玉新英研2月・3月例会

2003年2/3月
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2/3月4月6月
 埼玉新英研2月・3月例会報告。
 いずれも、エジプトからの留学生や一般の方の参加もあり、広がりをみせた。動画で記録したCD(Windows Media Playerで見られます)をお送りすることができます。ご連絡ください。
(文責・浅川)

「GDMの教材は いつでも、どこでも、だれにでも使えるはずだ」

中山滋樹・都立久留米西高校):

 GDM(Graded Direct Method)で活動をされている中山さんは、きちんと文法と概念を教える手だてを用意している。"English Through Pictures" にあるように、動詞や前置詞などを順序だてて、英語で身体を動かしながら、あるいは絵を使って導入する方法が紹介された。
 また、実際の文法項目を選んで、その導入にどのようなイラストを使うか、書いてみるようなワークもおこなった。

"English teaching, using Amnesty International and Human Rights materials"

Chris Pitts・共立女子短大):

 クリス・ピットさんは、アムネスティインターナショナルで活動をしている。いつも単語が壁になる。ワードサーチやクロスワードパズルで人権に関する単語をあつかい導入する。難しいようだったら、リストもつける。「世界がもし100人の村だったら」をもとにインフォメーション・ギャップ・アクティビティにした。2種類のワークシートをつくって、やりとりをしてペアでうめていくようにするもの。例えば、アムネスティについて、知っていること、知りたいことを出し合うことからはじめるとよい。それから資料を配付する。リーディングの素材として、事例をパラグラフごとに切りはしておいて、並べ替えのようにすることもできる(日本語訳も参照することもできる)。
 子どもの事例に取り組む、Junior Urgent Action (http://www.amnesty.or.jp/uacentre/kids/)では、英語と日本語による通信(説明や語彙リスト、手紙のひな型、質問もついたもの)が出されている。同年齢の者の事例は共感を得る。

『やさしい英語でフェミニズム-英語で女性問題を語るクラスやテキスト』

吉原令子・工学院大学ほか):

 吉原さんは高校では、きめられたことしかできないので、大学で教えるようになった。大学でもTOEICをやるようにとか、しばりがある。そこで、友人がやっていた学習会を引き継いだ。それが女性のための英語講座・Colors of English 。英語を学ぶのは自分の人生に新しいものをもたらすものでなければならないはずだ。
 テキスト(『やさしい英語でフェミニズム』)もつくった。模造紙に色マジックで寄せ書きを書くような活動をすると、黙りがちの人がどんどん書いたりする。形式にしばられるスピーチではなく、好きなこと、例えば、詩を読むとか、声をだすことで自信になる。地域の女性センターなどに、ジェンダーや女性問題を扱ったビデオや映画でもよいものがある。活用したい。
 

『ジェンダーを英語の授業でどう取り上げるか-中学・高校も視野に入れて』

Barbara Summerhawk・大東文化大学):

バーバラ・サマーホークさんは、現代アメリカ文化や女性学の講座を教えている。はじめに書籍や資料の紹介があった。「女性あるいは男性に生まれて損か、徳か」をたずねたデータは、文部省の資料からのもの。クラスのジェンダーフリー度のチェックリストもある。最近は、行政もジェンダーフリー教育をすすめている。
 武道について英語で何というか聞き、空手の全国大会のポスターを掲示し、問題点をグループで話し合い、どうすべきかも考える。70年代のテキストにある4コマ漫画は良妻賢母、男性は男らしくあるべきと描かれている。ロールプレイもできる。男性と女性をあらわす形容詞を出し合うことで、ステレオタイプをあらいだし。should/must be の練習にもなる。ストーリーを書き直すこともしてみる。また、現在のものと比べる。
 日本の女性運動で著名な歴史上の人物の写真と説明を用意し、その人のことを発表する。家庭での妻と夫の葛藤で、その解決方法を話し合う。たくさん選択肢があることを実感し、自分で発見できるようになうることが大切だ。別の例では、会社で社員として、どの人を採用するのか、決めるシュミレーションもしてみる。男・女がするべき仕事を出し合い、逆にしたらと提案した。
 最後にセクシャル・マイノリティの話。中高生にとっては実は日常的なこと。ゲイ・レズビアンについてゲストに話をしてもらった授業が、一番、印象にのこったとのこと。以前、NHK基礎英語・レシテーションコンテスト用のスキットで「男から手紙をもらうなんて、悪夢」というような表現があり、抗議をした。それを事例として取りあげて、問題点は何か、その場合にどうするか、ゲイに対する問題を考えた。その抗議にNHKはどうしたか、学生に聞くと、抗議してもとりあわなかっただろうと言うのだが、実際はNHKは撤回をし、謝罪したのだった。

【文中の http://www.amnesty.or.jp/uacentre/kids/ のリンク先のページは、現在ありません。】

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(連絡先:浅川和也)
(2003年7月13日)