■ 埼玉新英研2月例会

2002年2月
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2月
場 所:さいたま市立浦和中央公民館1階図書資料室(浦和駅西口徒歩8分)
日 時:2月16日(土)午後3時より7時
参加者:発表者を含めて10名

記録(浅川)

(1)「生徒が先生になる授業」

飯野厚(県立狭山経済高校)

 9月末から2月上旬まで,ペアで生徒が授業をする実践の報告であった。生徒が授業をするということで,やり方のプリントを配り,全員が担当する。希望でスケジュールを決めた。

 レジュメの報告の後,会話活動と本文セクション担当の2通りのパターンのうち,本文セクションをすすめる様子を20分ほどビデオでみた。まず,先生役の生徒が本文に関する質問をする(板書し,他の生徒はノートに写す)。担当者が英文を声に出して読む。先生役の生徒は指名し,指名された生徒は質問の答えを書く)。訳をフレーズごとに1人が英文を読み,もう一人が訳を言う。単語を1人が英文を読み,もう一人が訳を言う。担当者の後について音読をする。以上の手順。

 仲間の生徒が授業をするということで,通常の教師による授業であったら寝てしまうような生徒も授業に参加していた。また,教師役の生徒の説明にも,聞こえなかったら,手を上げてもう一度言うように要請する(相互に授業でのコミュニケーションが成り立つためには責任があるということは常々指導している)など,なごやかな雰囲気の授業となっている。「やる気のない生徒」ががんばって取り組み,試験でも高成績をおさめたという。

 生徒が積極的に準備に取り組むことを期待したが,バラつきがあった。発音の練習が不十分であったことが,教師役になった生徒からの感想にあった。音声指導面が課題である。生徒があらかじめ問題をきちんと準備されていなかったり,他の生徒からの誤って応答したりした場合には教師が介入した。しかし,教師による授業では「つい教えすぎ」になっているということも反省したとのこと。1度しか教師役になっていないので,生徒が熟達したわけではないが,継続して取り組む計画がある。

 グループでの発表にとりくむ実践はあるが,授業を仕切る取り組みであり,生徒が集団的に成長している。学習の内容がインタラクションによって深まることも期待したい。

(2)"The Japanese labor movement"

ジョン・マクラフリン(平成国際大学)

 ジョンさんは,80年代の保守化する米国よりお連れ合い(日系3世)の祖国の日本で暮らしたいと思い,当初,2年くらいのつもりが12年になった。3月に米国に戻る。大阪YMCAで勤務。サイレントウエイや公文式(小学4年生レベル)で日本語を勉強した。
 東京に来て,ICU大学院(行政学)に学び,慶応藤沢高校で教えた。そこで模擬国連などの社会的問題関心に取り組む英語の授業をした。JALTなどの学会誌に報告が掲載されている。大阪にいたころから,アムネスティやアジア太平洋労働者会議(APWLSL)などにかかわった。

 現在では,全国一般東京南部で外国人語学教育の労働問題の支援にかかわる。争議などにも立ち会う。また,移住労働者の問題,外国人が増えるなかで,来月は「生活と権利のための外国人労働者一日行動への参加要請 」がある。移住労働者の問題も追究したい。日本の労働法は米国のものよりすぐれている。しかし,入国管理法はきわめて問題。マサチューセッツに戻るが,米国でも移住労働者に権利の教育にかかわりたい。現在,日本では「組合に入るとしばられる」というような組織ばなればある。8時間が労働などまったく守られない状況があり,権利を自ら実現していく力こそ求めれるように感じた。ジョンさんのような活動を知ると励みになる。

*ジョンさんの知りあいが,ぜひにといっておいでになった。また,その方が,筑波に研修中の方をさそっておいでいただいた。また,メディアポートという地域の出版を手がけている会社の方が見えた。中学の方の参加がなく残念であった。


【文中の2箇所のリンク先のファイルは、現在ありません。】

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(連絡先:浅川和也)
(2002年2月18日)