■ 埼玉新英研10月例会

2001年10月
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10月
 2001年10月20日(土)さいたま市中央公民館にて,和田文明さん(県内高校定時制)をお迎えし,「身体性,物語性を求める授業」というタイトルでレポートをしていただいた。参加者は7名。

飾り

 中学校時代に「不登校」を経験する生徒がここ7,8年の間急速に増え,現在では入学者全体の過半数を越えるようになっている。26名の新入生のうち中学校で年間30日以上の欠席をした生徒が19名。年間100日以上欠席をした生徒は14名。まったく中学校に行っていない生徒は9名もいるそうだ。

 自分や仲間をかけがえのない存在であることを常に教えながら生活指導を続けている様子が丹念に報告された。

 こうした教科外の交流に加えて,和田さんは「腑に落ちる」授業を心がけているとのこと。その一例としてなぜBE動詞と一般動詞の疑問文の形が違うのかという授業,The Blacks in Americaから英語の詩を用いて物語性のある授業に取り組む授業の様子を報告して下さった。

 討論は,新学力観が導入され始めた時期からの生徒の変化,バブル崩壊などの社会状況と照らし合わせながら,不登校の生徒が増加している状態や中退をする高校生の実情について意見交換をした。

 定時制の先生がこれほど手間隙かけて高校生と向き合っているのかと驚嘆の声も聞こえた。

 後半は『新英語教育』11月号を手に,映画を授業でどのように取り上げるかをめぐって情報交換をした。映画の活用法だけでなく,自分たちが映像や画像を加工して主張のある教材をつくることの重要性や可能性について話が弾んだ。

 また,小学校への英語教育導入にも話題が波及。財界・行政の英語教育に何を求めているのか,基礎学力との兼ね合いなど話題が広がった。レポートのない議論であったが,さまざまな意見交流が進んだ。こうした放談形式の例会運営もまたひとつであるように感じた。

報告 鈴木政浩

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(2001年12月29日)