斉藤純子氏 (三重県・和具中学校)
「明日を見つめる英語教育をめざして」
・・・英語の授業を通して子どもの心に迫りたい・・・
[はじめに]
私の勤務校である和具中学校は、全校生徒330人、教職員24人で、志摩町の中心の和具にある。本校に勤務し始めて、いつの間にか9年目を迎えた。生徒は、都会のような文化の香りもなく、いづこも同じテレビの刺激を受け、漫画やゲームの世界に浸り、偏差値教育の洗礼を受け、点数にこだわり、競争心に煽られ、学習意欲低く、心貧しく育っている。たばこ、単車、茶髪、ピアス、親や教師への反抗で心を癒そうとする、逃げ場のない子は見ていてつらい。しかし、彼らの心はいつも柔らかく揺れている。微力であっても、その揺れの隙間に明日への希望を吹き込むような授業を組みたいと願ってかかわった、今年4月卒業した生徒との取り組みを中心に報告したい。
[大切にしていることー辞書を日常的に使う]
毎年、1年生のアルファベットを学習したあと、英和辞書の使い方を勉強する。以後1年間ほとんど毎授業の初めの5分近くを、辞書調べの時間に当てている。名詞や形容詞や動詞などの原形の読み方と意味から始まって、つながりのある文を。辞書を使うことに慣れるし、自主教材も速く、1つ1つの文を解読していく喜びを持ちながら読み取れるように思う。
[卒業前のある3年生の気持ち(Jan. 1998)]
Study
I don't like study.
I like playing better than studying.
I like to play. I like music.
I didn't study until last year.
But I want to go to high school.
High school is a place everyone can enjoy.
So I must study hard.
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School
I don't like to study.
I don't like school.
But I must go to school.
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1)文法の学習
2)自主教材
3)自己表現
4)絵本づくり
<<英語学習について生徒の感想から>>
<<1学期中間テスト後の生徒のノートから>>
<感想>
斉藤純子先生の実践報告を聞くことが出来て本当によかったです。 ありがとうございました。先生のお話を聞かせていただきながら先生と生徒の心が英語というパイプで繋がれているように思いました。英語や英語の授業に対して前向きでなかった生徒の心が先生の自主教材や自主プリントでどんどん耕されているように感じました。先生の実践を見習って私も英語で迫れる教師をめざしたいです。たくさんのエネルギーをありがとうございました。(三重)