日本外国語教育改善協議会(改善協)の意見書(2025年)

Ⅵ.評価をめぐって

 評価のあり方については、様々な考え方や方法があり、『学習指導要領』が大綱を示すにとどめるべきであるのと同様、評価についても一律に規定すべきではない。ましてや教科の特性を無視した全教科統一の3観点の設定には全く同意できない。

1.観点別評価

 「観点別評価」が導入されて以来、評価が自己目的化して相対的に学習内容の習得が軽視される等の問題を指摘してきたが、3観点の導入により一層その傾向に拍車がかかっている。観点別のシラバス作成やテスト得点の細分化などは、現場の多忙化を引き起こした。

 また、3つの観点(①知識・技能、②思考・判断・表現、③主体的に学習に取り組む態度)は、この3分類が絶対的なものではないとはいえ、それぞれ重要なものと考える。しかしながらすべての教育活動をここに当てはめて数字で評価することには大きな問題点があり、現場は悩み混乱している。特に③については、以前の「関心・意欲・態度」と同様、目に見えないものを「客観的」に数値化して評価するという矛盾を強いられている。「主体性」はその性質が多種多様であり、時間によって変化するものでもあり、これを数字で評価するのは極めて困難、あるいは不可能と言ってよい。各学校の評価について教育委員会が評価の変更を求めるなどは論外である。

2.指導と評価の一体化

 評価とは、本来「評価のために終わらせるのではなく、指導の改善によって指導の質を高めること」が目的である(文科省「学習指導要領」についてのFAQ)。また生徒にとっては、自分の到達度や取り組むべき課題が見えるものでなくてはならない。しかし、「指導と評価の一体化」というが、実際の教育活動や試験などは容易にこの3観点で分類できるものではなく、現場は混乱している。それゆえ、生徒にとっても何が評価されるのか、何を目標として学習すれば良いのかは明確でなく、効果的であるとは言い難い現状である。観点別評価のために、ふだん指導していないことや授業で身に付けさせてこなかった技能をテストする等の問題も起きている。
 現場に混乱を持ち込む3観点評価の制度は見直し、教師が自分の指導方法に合わせて評価の方法も選択できるようにすべきである。

知2025

Posted by shin-eiken