日本外国語教育改善協議会(改善協)の意見書(2025年)
Ⅴ.教員の養成・採用・研修をめぐって
教員に必要とされる資質は「当該教科の指導方法に関する十分な知識と実践力、および工夫改善への意欲を有すること」である。「外国語」教員の養成・採用・研修について、以下のことを要望する。
1.「外国語」担当教員の養成について
- (1) 当該外国語およびその指導法に関する十分な知識と実践力を備えた教員を育成すること
そのためには「教科に関する科目」の履修に重きを置くべきである。近年、教員養成を担当できる大学教員自体が減っているとの報告もあり、早急な対策が求められる。 - (2) 養成課程における教育内容については、養成機関の創造性と自主性を尊重すること
外部機関のテスト(英検、TOEFL、TOEIC等)が目標にされるのは論外である。また英語以外の言語についても「教科教育法」および「教育実習」を充実すべきである。なお教育実習の履修形式の安易な柔軟化はすべきではない。
2.「外国語」担当教員の採用について
- (1) 教職員定数の改善を図り「正規教員」の採用増を行うこと
「免許外教科担任」や「非正規教員」のような臨時採用教員や非常勤講師に頼るのではなく、十分な財政措置を含む条件整備をすべきである。 - (2) 外国語担当教員採用に当たっては全人的観点から選考すること
前述の外部機関のテストの成績を重視したり、外国語ができるだけで安易に特別免許状を発行したりすることは許されない。教員養成課程を否定するものである。
3.「外国語」担当教員の研修について
研修は教員が自らの判断で自律的に行うのが本来のあり方であり、教育行政は教員に「伴走」することが求められる。教員一人一人が自主的に研修の場を選択できるよう環境を整備していくことが必要である。とりわけ「外国語」は、教員になってからも常に自らの力量を向上し続けることが必要な教科であり、すべての教員が、現職研修や長期海外研修に参加できるようにすべきである。
4.教員の処遇改善についての提案
昨今、教員採用試験の倍率の低下が問題となっている。問題解決のために、教員免許取得の条件を緩和したり、採用試験を前倒ししたりすることは、教育の質の低下を招く施策であり容認できない。
一方、教員の処遇改善のため、中教審特別部会は、残業代に相当する「教職員特別手当」を4%から10%以上に引き上げることを提案した。しかし、これは残業そのものを減らす努力をせず、残業を前提としてお金でごまかそうという施策である。
今の教員に必要なのは、お金ではなく「時間」である。クラス数に対する教員数制限を緩和し、小中学校教員の持ち時数も、まずは高校教員程度に減らす。そして、授業準備や、教科以外の仕事が勤務時間内に終わるようにするべきである。加えて、自主的研修を可能にするための一つの方策として、「サバティカル」制度の導入を提案する。多くの大学や一部の私立学校では取り入れられているが、「外国語」科の教員に限らず、すべての教員に対し1年間現場を離れて自由な研修を認めるのである。導入には様々な条件(教員歴○年以上、基本給の支給、など)を検討する必要があるが、これが長く教員を続けていく原動力となり、教員の資質向上に寄与する。「外国語」科の教員にとっては長期海外研修も可能になる。