日本外国語教育改善協議会(改善協)の意見書(2025年)

Ⅱ.小学校外国語教育をめぐって

 小学校に教科としての外国語(英語)が導入されて6年が経過し、昨年度教科書が改訂され、この4月より改訂された教科書が使用されている。教科書のデジタル化が進む一方で、文部科学省による学力検査においては、子どもたちの英語嫌いが増加している。私たち改善協は一貫して小学校の外国語教育について大きな問題と考え、様々な提言を行ってきた。今年の大会においても提案に基づいて議論を行い以下のことを確認した。

1.過去の改善協、とりわけ2023年度の提言に載せた内容を基本的に確認すること

  • (1) 小学校における外国語教育の導入の意義と目標を明確にすること。外国語教育であり、英語以外の外国語についても児童にその存在を示すこと。
  • (2) 担当教員の十分な研修、長期的視野に立った教員養成やクラスサイズの縮小に対して、人的・財政的措置を行うこと。
  • (3) 教育内容については、小学校教育にふさわしいものにすること。
  • (4) 「ネイティブ・スピーカーや英語が堪能な地域人材など」は、現場が必要とするところに配置し、強制しないこと。
  • (5) 中学校との連携を十分に考慮し、小学校・中学校・高等学校・大学を見通した外国語教育のあり方を明らかにすること。
  • (6) 小学校では、英会話教室・塾に通う児童とそうでない児童の間に大きな格差が生まれている実態がある。「教科化」を理由に、中学校等への入試で英語を課すことがないようにさせること。
  • (7) 「国語」と「外国語」が連携して「ローマ字」の指導について検討すること。
  • (8) 外国語活動、外国語の指導にあたっては非正規教員ではなく専任教員を配置すること。

2.次期学習指導要領において小学校中学年からの教科化はすべきではないこと

 小学校英語「教科化」後の英語教育は、差別選別の英語教育ではなく、全ての子どもたちに外国語を学ぶ喜びと楽しさをもたらす英語教育であるかどうかが問われる。「差別化」「孤立化」の英語教育を排除して、全ての子どもと協同の学びを実現するべきである。授業を作る楽しみ、生徒とコミュニケーションをすすめる楽しみを柱に、教師の協働をつくることで人間らしい教育をつくる必要がある。以上の視点から、次期学習指導要領において小学校中学年からの教科化はすべきではない。

知2025

Posted by shin-eiken