日本外国語教育改善協議会(改善協)のアピール(2023年)
Ⅰ.望ましい学習指導要領について
かつての『学習指導要領』が主に授業の内容を規定してきたのに対し、最近のものは学習方法や評価にまで言及してきている。
現行の『学習指導要領』はますますこの傾向を強め児童や生徒の資質・能力をも規定した。これでは現場の授業を今まで以上に拘束することになり、教員の自主的創造的な授業の障害になることが憂慮される。教育は、一人一人の子どもの現実を踏まえて教師が創意工夫して行うところに本質がある。このことは、1947年の「試案」が以下のように雄弁に述べているとおりである。
「その地域の社会の特性や、学校の施設の実情や、さらに兒童の特性に応じて、それぞれの現場でそれらの事情にぴったりした内容を考え、その方法を工夫してこそよく行くのであって、ただあてがわれた型のとおりにやるのでは、かえって目的を達するに遠くなるのである。またそういう工夫があってこそ、生きた敎師の働きが求められるのであって、型のとおりにやるのなら敎師は機械にすぎない。」
そもそも「学習指導要領」は教員のための一つの指針として位置づけ、その内容は概要にとどめ、教員や教科書、その他の教材などを規制することのないようにすべきである。