■ 神奈川新英研3月例会

2019年3月
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3月5月

■ 近況、最近取り組んでいること

  • Google Formsを活用した英作文指導
  • phonics やリズムを中心にプリントを使用します。
  • アドラー心理学をベースにした学級づくり、授業づくり。初の3学年担任。進路指導。3年次のカリキュラム。
  • 小学校英語

■ 最近困っていること

  • 進学校で受験と向き合っている生徒の心をどう育てていくか
  • 職場のパワハラ、モラハラにどう向き合うか マンネリ化したペアワークの改善 音読・暗唱が通用しない高3


●高校実践報告:「教師生活悲喜こもごも」

南方壯文さん(神奈川県立横須賀大津高校)

1. 南方さん

  • レポーターから:教師生活43年目を迎え、反省したこと、感謝したこと、体験を通して学んだことについて、参加者の皆さまと、交流させていただければ幸いです。

2.教員生活を 振り返って

  • 愛媛でスタートし、神奈川で終える43年間の教員生活を、ご苦労や喜びをかみしめるように誠実に語ってくださいました。
  • 教職を愛媛の私立高校でスタート。生徒数4,000人という環境で、文法訳読式の「解析」授業に頼らざるをえず、商業科のクラスで授業崩壊を体験したとのことです。5年後に神奈川県の県立高校に移り、再任用もふくめると7校を経験されました。その内訳は、中堅校、生活指導が大変な高校、外国語コースをもつ高校、定時制農業高校(国語総合も担当)、進学校とさまざまですが、一貫して生徒に対して真摯に対応されていた様子を垣間見ることができました。
  • そして、南方先生を支えて北野は、研究会活動。新英研、ELEC同友会、英授研、語研、そして神奈川県の英語部会では「県下一斉テスト」の作問委員も長くつとめられました。定年間際になっても、研究会に通われ、熱心に研修に励み、その成果を生徒に還元しようとされてきた姿は是非見習いたいものです。
  • また、愛媛が輩出した仏教詩人坂村真民さんに高校時代国語を教わった南方先生にとって、坂本真民さんの詩が支えだったそうです。
    二度とない人生だから
    一輪の花にも
    無限の愛をそそいでゆこう
    一羽の鳥の声にも
    無心の耳をかたむけてゆこう

    二度とない人生だから
    一匹のこおろぎでも
    ふみころさないよう
    こころしてゆこう
    どんなにかよろこぶことだろう---

<参加者の感想>

  • 最後に聴かせていただいた「二度とない人生だから」の詩を体現する生き方をされていらっしゃるのだなと強く感じました。1年間同じ職場で働き、多くのことを伝えてくださってありがとうございました。異動間もなく心に余裕がない状況で、失礼な応対も多かったであろうにもかかわらず、いつも優しく見守っていただいたこと、嬉しく思っております。アドバイスを頂いた通り、もう少し肩の力を抜いてやっていきたいと思います。四国へ戻られても、お元気で。いずれ山を登りに行きます。ぜひ、その時にお会いしたいです。
  • 南方先生がこれまで歩み続けてきた43年間の事実と向き合おうとすると、とても心が痛みます。それでもここまでやり切られてきたお姿を今日ご発表という形で拝見でき、大変幸せに感じております。レポートしていただいた生々しいエピソードの数々を知り、その中でも生徒のために研究し続ける南方先生のお姿がこれからの私の教師理想像になりました。
  • 南方先生の教員生活をお聞きして、本当にお人柄の素晴らしいことを再確認いたしました。生徒や人に対する愛の深さを感じました。生徒のレポートも、きれいな字でしっかり書けていて、「先生のようにジェスチャーを入れて会話をしたい」と書いていました。
  • 40年をこえる教員人生の振り返りは90分ではおさまりませんよね。プライベートでもっと聞きたいです。

●中学実践報告:「生徒が食いつく長文読解授業のカタチ-映像と長文で考えるあるイギリス人脳性麻痺者と津久井やまゆり園殺傷事件-」

泉 康夫さん(元・中学校)

1.泉さん

  • レポーターから:長文に手を焼き、リーディング・スキルとかに頼っていませんか。マニュアル通りに生徒の智に働きかけるものの角が立ってしまい、スキルと反りが合わない生徒から反発を食らうということはありませんか。発表では、生徒の智ではなく、先ずは情の部分に棹さして流されてやろうという授業のカタチを紹介します。ガツンと腹にくる、あるいはコツンと胸を打つ映像で生徒をその気にさせ、最後に授業者の意地を通すというものです。情から入っていきますので楽々と学力差を乗り越え、英語嫌い・勉強嫌いも含めて広く生徒を巻きこめます。一言で言うなら、非常に平易な「感情移入」の回路に沿って授業を立てようという試みです。

2.授業

  • 実践に至るあらまし:2016年7月26日未明、神奈川県立知的障害者施設・津久井やまゆり園で入所者19人が殺害され、26人が重軽傷を負うという凄惨な事件が起きた。容疑者は「障害者は不幸を作ることしかでき」ないとしてヒトラーを引き合いに出し、「障害者を虐殺したこと(アウシュビッツに先行するガス室や毒薬の注射、食事を極端に減らすなどの方法によって20万人にも上る障害者が虐殺されたという安楽死政策])は正しかったが、ユダヤ人虐殺は誤っていた」などとする言葉を残している。この事件を知って泉さんが思い出したのは、NHKが1970年代半ばに放映したBBCドラマ『ジョーイ』でした。ジョーイ・ディーコン(1920〜1981)というイギリス人脳性麻痺者を描いた作品だった。
  • 泉さん:障害を負った人が身近にいなかった私にとって、その映像は衝撃でした。その後、調べてみたところ、You Tube にその『ジョーイ』があって今も観ることができ、原作となった自伝も古本ながら入手可能。早速に映像を視聴し、原作を取り寄せました。
  • 泉さん:津久井やまゆり園」殺傷事件に言及するこの中学校3年生向け英語長文読解問題は、『ジョーイ』の映像(短縮版・字幕付き)を観てスキーマを活性化し、続いてジョーイに関連する英語長文の読解に挑むというものです。映像は英文読解の単なるご褒美ではなく、実は英文読解の拠りどころとして一役も二役も買うことができます。生徒のスキーマを活性化し、その気にさせる力が圧倒的だからです。これまで一般的だった指導手順を逆転し、映像視聴→英文読解の順に授業を展開してみませんか。

3.発問

  • 11の「怒濤の質問」の最後の問い:2016年7月26日、相模原市の「津久井やまゆり園」で障害者19人が殺害されました。犯人は元職員。犠牲者は全員、知的障害者でした。脳性マヒながら、仲間の協力を得て自伝を著すことのできたジョーイほどには意思の疎通ができない人たちでした。犯人は、「障害者は不幸を作る事しかでき」ないと主張。これを後押しするように「知的障害者は嫌い。独り言も不気味」「障害者は生産性ゼロ」「生きている価値がない」「消えてほしい」「正直なところ、親兄弟はホッとしたんじゃないかな」という声もあります。知的障害者に対するこうした主張や声をどう思いますか。あなたの意見を書きなさい。
  • 泉さん:この長文読解問題の肝は「怒涛の質問編」の最後の問いにあります。この問いを中学生はどう受け止めるのでしょう。そして、私たちは?  
  • この問いに対する自分の言葉が授業ではたとえ見つからずに終わっても、英語の授業でこうした問いが投げかけられたという記憶は長く残るのではないか。そこに意味がある。

■参加者の感想

  • 11の問いがものすごく心に刺さります。これはきっと子どもたちにもそうだと思います。こんな風に心を揺さぶる問いを作り続けられる教師でありたいと思います。
  • 泉先生がご用意されている映像には、本文のスキーマを広げるという効果以上のことが詰まっています。Joeyの映像からは人間の生きざまが生々しく出てきます。11の問いは頭を使う発問ですが、最後にあることが工夫されています。ガツン…なぜ教科書はコツンもないのか、不思議に思いました。
  • 「不気味だ」とか、「生産性がない」などと他人のことを言うのは自分のことしか考えず、他人に不寛容なヘイトスピーチだ。繰り返し、何回も学校や授業の場で生徒に投げかけて、考えさせる場を作っていかないといけないだろう。Joeyの言葉を理解したErneyや、食べ物をこぼすJoeyを叱らず、後年「本を書いたら」と勧めたナース、彼らの言動は素晴らしい。





●日時: カット 2019年3月16日(土) 午後3:30~7:00

3:20 ~ 受付開始
3:30 ~ 5:00 高校レポート [担当:萩原]
5:00 ~ 5:15 休憩
5:15 ~ 6:45 中学レポート [担当:棚谷]
6:45 ~ 7:00 アンケート記入・事務連絡
●会場:
大倉山記念館 ストリートビューの表示 第1集会室 (Tel. 045-544-1881)
  東急東横線大倉山駅 下車 徒歩5分
改札口を右に出て右折、急坂上る

●高校  
実践報告:
「教師生活悲喜こもごも」
南方壯文 さん
(神奈川県立横須賀大津高校)
レポーターから:
教師生活43年目を迎え、反省したこと、感謝したこと、体験を通し て学んだことについて、参加者の皆さまと、交流させていただければ幸いです。
●中学  
実践報告:
「生徒が食いつく長文読解授業のカタチ
 -映像と長文で考えるあるイギリス人脳性麻痺者と津久井やまゆり園殺傷事件-」
泉 康夫 さん(元・中学校)
レポーターから:
 長文に手を焼き、リーディング・スキルとかに頼っていませんか。 マニュアル通りに生徒の智に働きかけるものの角が立ってしまい、スキルと反りが合 わない生徒から反発を食らうということはありませんか。発表では、生徒の智ではな く、先ずは情の部分に棹さして流されてやろうという授業のカタチを紹介します。ガ ツンと腹にくる、あるいはコツンと胸を打つ映像で生徒をその気にさせ、最後に授業 者の意地を通すというものです。情から入っていきますので楽々と学力差を乗り越 え、英語嫌い・勉強嫌いも含めて広く生徒を巻きこむことができます。
●会場費: 500円(学生200円)
[当日会員登録(年会費1,000円)で割引適用]
●お問い 
合わせ:
萩原一郎

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(2019年3月5日掲載/4月24日更新)