■ 神奈川新英研5月例会~春の一日研修会

2014年5月
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近況報告


講演:「英文法にリアリティを与えるエクササイズ-Grammar in Text」

田中 茂範さん(慶応義塾大学環境情報学部教授)

 『表現英文法』(コスモピア 2013年)の著者であられる田中先生は、映画、歌、出版物、政治家のことばなど、authenticな英文やspeechの英語を素材に、'エクササイズ論'の観点から文法学習にリアリティを与えようという話をされました。

1.田中先生

2.中学入門期の英語の導入

3.1回目の授業―目的

  1. 英語の音の感覚をつかもう
  2. 感情をこめて表現できるようにしよう
  3. 音と意味のつながりをつけよう

4.2回目の授業

5.3回目の授業

6.田中先生の主張

7.文法のリアリティーを与えるLanguage in Textの視点

8.文法力を身につける練習問題

9.質疑応答

10.


高校実践報告:「英語で進める授業の可能性」

亀井友子(ともこ)さん(橘学苑高校)

1.はじめに


2. 生徒の状況

① 4月当初に考えたこと

② なぜ英語か? (逆になぜ英語で進めないのか?)

③ 英語で進めるために

④ 英語で進める授業の流れ

  1. 1) PPなどを利用して新しい内容を導入  Oral Introduction
  2. 2) 生徒が本文をどれくらい理解しているか知る(2択・QA・Wrong sentences等)Comprehension
  3. 3) 音読 Slash Reading
  4. 4) ペアによる活動(音読チェック・Quick Check) Pair Activity
  5. 5) ピクチャーカードを使いながらお話を再現  Reproduction
  6. 6) まとめの作文など  Writing

⑤ まとめ

3.教材


4.参加者の感想


中学実践報告:「こころとからだが動き出す授業―教材・自己表現・協同学習―」

柏村みね子さん(東京・文京区立音羽中学校)

1.はじめに


2. 生徒の状況

  1. 中学1年生は変わった?! 授業の困難さを分析する
    • 中1ギャップと特別支援教育
      「最後まで話しているのは誰ですか?」・・・「~くんで~す!」
      「授業中に何をしているの?」・・・「~していま~す!」
      先生は注意を促しているのに、そのまま「文字通り」答える生徒。
    • 小から中への移行で生徒が何に混乱するか
       →見えない規範(=望まれる行動)の「見える化」
    • ボーダレスの教室で
      ★小学校・中学校での実践例:厳格な授業規律をキープする
      (宿題・遅刻・挙手⇒評価へ)
      ⇒生徒の変化 プラスとマイナスと
      希望への突破口を探る 特別支援教育の実践を参考に
    • シンプルで明確な枠組み→学習の作法を教える。
    • Activeな活動から、静かな活動へ。
    • 良い肯定的行動を評価する。悪い行動は無視。
    • 教師の話は少なく。すぐ本題に入る。
    • 1人ひとりの生徒とつながる。
    • 小学校外国語活動との連続性
    • 「英語で英語の授業」の限界⇒「英語は大嫌いだった」面談で。
    • 格差の拡大<意欲、到達度、知識、好き嫌い・・・>
    • 英語の時間で仲間とつながる⇒Happy Communication Time
    • やる気をつなげるポイント⇒
          「音声を使い続ける」「『話す・書く』でチャレンジを仕掛ける」
          「どんどん先へ」→「広げて、深めて」への転換
  2. 1年生との春・夏・秋・冬!
    • 中学1年生の学習目標とは?
    • 1年生の目標は・・・
      「学びの作法を身につける」+「学ぶことが好きになる」
      A:学習の準備ができる B:授業の受け方からまず聴く力を~
      C:宿題、課題、提出物のしくみは。。。 D:家庭学習のポイント
      E:定期テストのbefore after と5項目に分け、かなり具体的にわかりやすく提示し、家庭での協力を求める内容も含めている。
    • 2年生の目標は・・・
      「課題をやり遂げる力」「良い習慣を意識的に身につける「可能性を広げる」
  3. 1年生の自己表現
    (1)一行自己表現  Snoopyの例に倣って "Happiness is…"
    (2)行事のあとで、季節に応じて 五行詩(Diamond Poem) 自分達のクラスを例に
    (3)スピーチの実践 My Favorite Person
    1. ①Who is he/she? Quiz ALTとの授業。聞き取り、グループでクイズづくり
    2. ②先生のMy Favorite Person  サッカーの澤さんの紹介
       Useful Expressionを学ぶ 
    3. ③日本語か英語で書いてみる
      友だちチェック、Teacher's Check ④清書用紙を発表までに提出
      リハーサルを1週間 ⑤仲間と応答しながら、スピーチ発表会
  4. マララさんのスピーチ―同世代の世界の仲間の声を聴く― (1)なぜ、マララさん? 2012年10月  ・ Who is she/he? で誰を取り上げるか。 ・ 学校の帰りに銃撃を受ける。「子どもの権利」が守られていない現状。 ・ 重体のマララさんを見守る、励ます。病院へのメール、お見舞いのカード。 ・ 新聞記事で世界の反響を伝える。We are Malala. Where am I? ・ 2013年2月 マララさん回復。イギリスで学校復帰。テスト問題に。 ・ 2013年7月 マララさん、誕生日に国連でスピーチ。 ・ 9月~10月 全クラスでマララさんの17分間のスピーチを見せる。 ・ 自己表現 One ~ change the world. ・ 10月下旬 学習発表会で、マララさんの紹介と意見を5人の1年生が英語で発表。
  5. 韓国の中学生との交流 (1)2013年7月 自己紹介文を韓国の中学生に書いて届けてもらった。 (2)11月下旬 それぞれの名前あてでお返事が届く。    みんなで読んで返事のクリスマスカードを書いて送った。 (3)2月下旬 新年のカードが届く。「読みたい!読みたい!」と待ちきれず。 (4)3月上旬 展示発表会で韓国の中学校からの手紙と訳を紹介 (5)中には、Dokto is mine. と I want to be a history teacher. それに対しては Let's share the island.
  6. 自立的な学び手を育てる! ノート指導、テストのbefore after (1)家庭学習は、やっぱり見てあげること。 ①カエル・stampで量と質を評価。 ②物語、マンガ、歌、まとめ、自分の世界で広げる。 ③「マイ・ノート」をカスタマイズ! (2)テストのbefore after ①30項目くらいの「チェックしま表」でテストの勉強の仕方を身につける。 ②テストに遊びと自己表現を。リスニングテスト、オリジナル長文、自己表現 ③「テスト返しの歌」(負けないこと、投げ出さないこと・・・と替え歌で)と「復習の鬼」ワークシート  解説は少なく、復習中心にする
  7. それでも授業が成り立たないときは、、、。
    • ・ 「英語をなぜ学ぶのか」→中学1年生に語る「外国語教育の四目的」
    • ・ 世界の人々と交流・協力し、平和な地球をつくる
    • ・ 考える力、感じる力を養う
    • ・ 日本語やことばへの理解を深める
    • ・ 「聞く・読む・話す・書く」力を身につける
    <生徒の感想から>
    • 私はいろいろな人とそれぞれの考えを交換し合い、わかち合うためだと思います。自分が思っていることをいざ世界へ飛ばすとなったとき、自分の国の言葉しか知らなければ、他の意見について考えるどころか、その考えを理解することすらできません。そうなるとそれぞれが受け入れないまま主張し合い、小さな争いが起こり、それがやがて戦争などの大きな穴をつくってしまうと思います。だから「外国語を学ぶ」ということは「交流の範囲を広げる」ということになり、より多くの考えがとびかって、さまざまな人が共有できるようになると考えます。その力は。世界だけでなく、日本国内、教室内でも、言葉や考えを大切にしようというところに生きてきて、よい良い人間関係が作れるはずです。(中1の教科通信 GLOBAL VILLAGE2014から)
    • 今年は、中学2年生の最初に語る「外国語を学ぶ4つの目的」 ★トレーニング式=「わかる・できる・身につける」のめざすもの
                ↓
      成果で証明。資格で納得させる(利益、効果で説得する)でも、それだけでは・・・
      ★経験することが目的のカリキュラム⇒意欲、意義+自立的な学習で
                ↓
      学習の主人公になる、そして自分のことばとして英語を使える。

4.参加者の感想


●日時: 2014年5月11日(日)9時半~17時

9:30 ~ 10:00
 受付
10:00 ~ 11:30
 高校レポート:亀井友子さん(橘学苑高校)
 「英語で進める授業の可能性」
12:30 ~ 14:00
 中学レポート:柏村みね子さん(文京区立音羽中)
 「こころとからだが動き出す授業―教材・自己表現・協同学習―」
14:10 ~ 16:30
 講演:田中茂範さん(慶應義塾大学環境情報学部教授)
 「文法学習にリアリティを与える:エクササイズ論の観点から」
16:30 ~
 事務連絡・片づけ
17:15 ~
 懇親会 (当日参加可)
●会場: ★会場がいつもと異なりますのでご注意を!
横浜市技能文化会館 802研修室
(96名収容可能です! ふるってご参加ください。)
〒231-8575 横浜市中区万代町2丁目4番地7
TEL 045-681-6551 
関内駅徒歩5分(関内駅南口の改札を出て右へ進んで下さい)

より大きな地図で 横浜市技能文化会館 を表示
●会場費: 2,000円(支部会員1,000円、学生500円)
研修会当日入会者も割引適用
●講演: 「文法学習にリアリティを与える:エクササイズ論の観点から」
田中茂範さん(慶應義塾大学教授)
講演者から:
 英語力の中核になるのは文法力です。しかし、多くの生徒が文法がわからない、使えないと感じているのも事実です。わかるから使えると橋渡しをするためには、文法のエクササイズが鍵となります。生徒が文法学習にリアリティを感じることができるかどうかがポイントです。理論と実践の両面からよりよい文法学習(指導)について考えていきます。
●高校実践報告: 「英語で進める授業の可能性」
亀井友子(ともこ)さん(橘学苑高校)
レポーターから:
 高1検定教科書を使い、基本的に英語で進める授業のデモンスト レーションを行いたいと思います。英語で進める時、どのようにして生徒の理解をはかるか、どんなことが行えて、どんな問題点があるのか、皆さんとアイディアを交換しながら考える機会にしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
●中学実践報告: 「こころとからだが 動き出す授業―教材・自己表現・協同学習―」
柏村みね子さん(文京区音羽中学校)
レポーターから:
 生徒も教師も学ぶことが楽しくなり、新しい発見があり、自ら学びたくなるような授業をつくりだしたい。楽しくて、ちょっと内容が深い教材、自分をひらき、他者を知る自己表現活動、そして共に学びあい、高めあう協同学習を追求して、いつも、転びながら、くるっとまわって、また立ち上がる、回転レシーブのような日々をお話したいと思います。私の実践を材料に、皆さんの実践も聞かせていただく、交流ができればと思います。
●お問い合わせ: 萩原一郎 クリックするとメーラが開きます。

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(2014年4月28日掲載/6月29日更新)