■ 群馬新英研4月例会

2012年4月
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 2012年4月22日(日)、前橋プラザ元気21・第53会議室にて。6人が参加。多目的ホールでのコンサートをはじめ色とりどりの催しがあったため駐車場が満杯で苦労しました。

Ⅰ 実践交流「これだけはおさえたい英語の基本とお薦め教材」(2)


1 加藤(元市立伊勢崎高校)

 3月例会に資料を出したのですが時間切れでほとんど触れられなかったため、4月例会で再度レポさせてもらいました。
 「英語の基本」ということで、外国語(英語)教育の目的論、英語の基本文型と動詞についての実践を、現役時代1996年頃から2006年までの教科通信や授業プリント25枚を紹介して報告しました。

◎加藤の「目的論」

 なんで英語やるの?→みんなで仲良くなること+みんなで賢くなること。
 教組教研の「外国語教育の四目的」(2001年1月改訂)

  1. 外国語の学習をとおして、世界平和、民族共生、民主主義、人権擁護、環境保護のために、世界の人びととの理解、交流、連帯を進める。
  2. 労働と生活を基礎として、外国語の学習で養うことができる思考や感性を育てる。
  3. 外国語と日本語を比較して、日本語への認識を深める。
  4. 以上をふまえながら、外国語を使う能力の基礎を養う。
UNESCOの外国語教育に関する勧告第59号(1965年)
[Recommendation No.59] To the Ministries of Education concerning the Teaching of Foreign Languages in Secondary Schools
(9) The aims of teaching foreign languages is not an end itself, but should serve by its cultural and human aspects to train both pupils' mind and character, and contribute to better international understanding and the establishment of peaceful and friendly cooperation among peoples.

◎英詩

 A Friend Is Someone Who Likes You の鑑賞と自己表現五行詩 MY FRIEND(S) づくり

◎『英語実力アップ↑UPのカギ』と『読み取りの極意』

  • 書かれた英語の情報は「左から右へ」流れていく。
  • 話されている英語の情報は「後から、後から、付け足される。」

◎基本語順(文型)

  S  +    V    +   α     + (どんなふう、どこ、いつ). 
「だれ + どうする + だれ(なに) + (どんなふう、どこ、いつ)。

◎動詞

 書かれた(話された)情報を正確につかむためには、動詞のことはどうしても分かってもらわなければ!
        
Be動詞①~である  
②いる、ある  
        
Do動詞③自動詞  
④他動詞  

◎言葉のかたまり

情報を  言葉のかたまり  でつかむ
(どんなふう、どこ、いつ)=「副詞」(副詞句、副詞節)は動詞と仲良し
「美しい~」も「きれいな~」も=「形容詞」(形容詞句、形容詞節)は名詞と仲良し

2 御供さん(高商)

 中学校で教えたあと高商に移って2年目。3年生の英語Ⅱ(週3時間)を担当。中学校でやったALTとのTTの経験を活かして作った授業プリント「Enjoy English」の実践を報告です。
 教科書各課のKey Expressionを、生徒にとって身近に感じられるダイアローグ(映画・アニメ・行事・恋愛話など)にして示しながら、語法の説明、Exercise(並べ替え・語句挿入など)、発展英作文、そして復習自己表現 Express yourself! で構成されている。今回は「準否定:hardly, rarely, seldom」「強調のdo」「同格のthat」のプリントを紹介してくれました。

◎例えば「準否定」のダイアローグは

A: I'm thinking to buy Disney Land tickets for her birthday. What do you think?
B: She hardly ever goes out. Why don't you buy her a cake? She loves sweets.
A: I see…. But how do you know it?
B: Well…. She is my girlfriend.
A: Really? / I can't believe it! / Oh, no! / I knew it. / She is MY girlfriend!! / You must be kidding.
「hardly(ほとんど~ない)、rarely [seldom](めったに~ない)などを使って弱い否定を表す。」
「使う際、位置に気をつける。一般動詞の〔   〕に置く。be動詞の〔   〕に置く。」

◎Express yourself! の課題は

  1. ダイアローグ全文書写で評価A
  2. ダイアローグ下線部に自分の好きな言葉を置き換えて書くと評価A+
  3. さらに既習表現を自由に書き足して発展させると評価A++
    生徒の自己表現文はプリントにして生徒たちにフィードバックする。

◎参加者の感想

  • 教科書本文との切り替えを上手くやりながらダイアローグを活用して定着を図るのがいいですね。
  • ダイアローグの部分をコンセプトを提示してALTに書いてもらうようにすると彼らも喜ぶと思いますよ。
  • 取り組みやすい形で自己表現させているのがとってもいいですね。
  • 次回参加のときに、生徒の作品をぜひ紹介してほしいです。

3 富沢さん(下仁田高校):

 2月例会で埼玉支部の田中渡さんの実践報告をお聞きしましたが、さっそく、リーディングとオーラル・コミュの授業に「授業ノート」や「グループ学習」を取り入れて実践に取り組みました。春休みの大部分をこの教材作りに費やしたそうです。(すごい!!)

◎授業ノート

 リーディング Sharing One World の「授業ノート」は、

  • 見開き左ページに、教科書本文を1文ずつ行を開けて印刷し、単語の意味を添えて、S/Vと和訳を記入させる。
     例えば、
    1 know知っている  that ~ということ  world 世界  
    be full of ~(      )   more than ~以上  six billion 60億
    We all know that the world is full of people ― more than 6,000,000,000!
                                       
    というふうに5~8文に取り組ませる。
     さらに、内容理解を確かめる設問、例えば
    問:私たち人間はどのような点でおなじなのでしょうか。
                                       
    ページの冒頭に【①単語意味調べ ②英文意味検討 ③音読】の取り組みをチェックした検印を押す欄がある。
  • 見開き右ページは、単語・熟語の書き方練習、全文訳記入欄、英文全文書写欄で構成されている。

グループ学習

 5人グループを作り、左ページの各文をグループ内で1文ずつ分担して意味を考える。(1持間)
 とにかく辞書を使って意味を考えてみることに取り組ませる。自分の責任分担がはっきりしているので取り組むようになる。富沢さんは各グループを回ってヒントを出したり、質問に答えたりして生徒個々への接近もできる。

◎次の時間

 出来上がった全グループの訳(担当者名も)をB4判にプリントして、次時に返し、全員で意味確する。生徒は他のグループの訳を比較しながら正しい意味を確認できる。確認が終わると右ページの全文訳欄に記入し、英文も書写して覚えるようにする。

◎オーラルC

 オーラル・コミュ EXPRESSWAYS の「授業ノート」は、教科書のイラストを写し取り、それにリーディング同様の単語調べ、英文意味検討、さらには「あなたもscreenwriter(オリジナル会話づくり)」「あなたもWriter(日記)」も付け加えて自己表現に挑戦させようとしている。

◎参加者の感想

  • 多大な労力と時間を使って作られた「授業ノート」がすごいですね。
  • 黒板の前で先生がベラベラ説明して、生徒にノート取れと言ったって、手が着かない子が多いから、これなら手順に従って友達と取り組めるね。
  • 「作業療法(良法)」かな。
  • 富沢さんの意欲的・積極的な実践姿勢に感動です!粘り強く続ければ、英語嫌いの生徒も絶対ついてくる、分かるようになるぞ!


Ⅱ 講読「The Freedom Writers Diary」

 これも1時間だったので、僅かしか進まなかった。
 Diary 7 & Diary 8 を担当のかたが参加できませんでしたので、Diary 9 を読みました。

Diary 9

 Diary 9 の冒頭は
Ms. Gruwell just asked us to write or draw a picture describing our neighborhood. I can't believe she's allowing me to draw. I wonder if she knows how much I hate writing.
ですが、この後に自分が居住する地域の gangsters and drug dealers や racial tensionsやdrive-by shooting のこと、そして
What goals do I aim for? I don't aim, because I don't have any goals; instead I deal with what comes. Raised in a shitty neighborhood, I have had to adapt to what happing around me.
という自分の境遇、などがしっかりと「書かれて」います。
 しかし、この少年(と思います)はTagging(スプレー塗料でやるイラストや文字の落書き)にのめり込んでいる自分を吐露しています。
taggingの例。クリックするとFreedom Writers Diaryのtaggingnについて述べられたブログが開きます。  Tagging is what gives me a thrill. The chance to express my talent. To hear people talk about my art gives me the "ganas" (strength) to continue what I do.
 日本でも、陸橋の橋脚、倉庫の壁、空き店舗のシャッター、公衆トイレの壁などで見かけますね。
(左の写真上でクリックすると、Freedom Writers Diaryのtaggingnについて述べられたブログが開きます。)



日時: 2012年4月22日(日)14:00 ~ 17:00
場所: 前橋プラザ元気21 5階・第53会議室
<エレベーターの通路と反対側の通路の部屋です。(→)>
前橋市本町2-12-1
Tel 027-210-2199「中央公民館(前橋プラザ元気21内)」
別のウインドウを開き、より大きな地図で 前橋プラザ元気21を表示

※JR前橋駅から徒歩10分
※北側の道路を挟んですぐ向かいに立体駐車場があり、参加者は無料で利用できます。(上の地図の青い箇所)

例会内容:
    "the Freedom Writers Diary" Cover
    • 講読「The Freedome Writers Diary」
       Diary 7の途中からp.17 l.9から)を読みます。翻訳担当者は決まっています。
      ※本をお持ちでない場合も、とりあえずご参加ください。

    • 実践交流
      テーマ:これだけはおさえたい英語の基本とお薦め教材
       (1)『なんで英語やるの? 高校生に基本5文型って必要?―動詞を学ぶ』(加藤彰男さん)
       外国語(英語)学習の目的は「みんな仲良くなること」&「賢くなること」。
       英文が発している情報を左から右へ掴んでいく。述語動詞の学びから、副 詞・形容詞でより豊かに。
      (2)新学期にあたって行った授業開きの様子を交流しましょう。プリントなどがあれば、ご持参ください。
連絡・問合せ先: 加藤彰男 クリックするとメーラが開きます。 Tel. & Fax. 0270-20-2059
見城昌平 クリックするとメーラが開きます。
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(2012年3月26日掲載/3月28日更新)