■ 第1回こもれび塾8月例会報告
2008年8月
こもれび塾は西東京市を中心に、集まれる人で集まって今日の授業、明日の授業を語り合おう、ということでとりあえず始めた会です。
8月27日、夏休みの終わり、新しく保谷駅前にできた西東京市保谷駅前公民館で開かれた第2回例会の報告です。参加者は9名。今回は特に若い方が沢山参加され、重厚で暖かく、細やかでダイナミックな松下さんの実践に多くの新鮮な感想や意見を寄せてくださいました。素晴らしいレポートを中心にフレッシュな感覚が合い混じる、とても実りある会になりました。
8月27日、夏休みの終わり、新しく保谷駅前にできた西東京市保谷駅前公民館で開かれた第2回例会の報告です。参加者は9名。今回は特に若い方が沢山参加され、重厚で暖かく、細やかでダイナミックな松下さんの実践に多くの新鮮な感想や意見を寄せてくださいました。素晴らしいレポートを中心にフレッシュな感覚が合い混じる、とても実りある会になりました。
「生徒と創る3年間の授業(3年間の作品を中心に)
~遅れがちな子どもをどう生き生きさせるか~」
西東京市明保中学校・松下里美さん
3年間を通してずっと五行詩を書かせ続けた、ということからも分かるように、「自己表現」を中心にすえた授業作りを展開し、又、ねばり強く指導をくり返し英語ノートを作らせ続けた実践でした。当日はこれまでの生徒作品を持ってきてくださいましたが、画用紙に書かれたイラスト付きの五行詩はどれも若々しい感性にあふれたとても素敵な作品!聞くと、遅れがち、つまり、つまずきが大きかったり、不登校気味だったり、発達障害があったり、といった生徒達の作品を主に持ってきてくださったとのこと。そういう子ども達がこんなにも生き生きと表現をしている…めんどくさいからやらない、ではなく、そういう子ども達がこういう自分を表現する場で本当に光る。まさしく「遅れがちな子どもをどう生き生きさせるか」というテーマに対する一つの答えをみる思いでした。
もう一つは、授業ノートづくりです。実際に3年間通して子ども達が創り上げたノートは、単語調べ、ポイント、本文、そして豊かな自己表現。一冊入魂、といった思いの伝わってくるノートは本当に時間をかけて、ねばり強く、支えて励まし続けてこそできる、ということを強く感じさせるものでした。
松下さんの言葉
「とにかくほめます。『すっごいね、前よりすっごく上手になったねー。』『わー、私これ好きだわー。』と」、「あんまり細かいこと言わない。おおざっぱに道筋つけてあとは子どもが自分でやる」、「テーマをできるだけ自由にする。そうすると子どもが本当に自分を伝える詩を書いてくる」、「辞書をどんどん引かせている。英語を調べたら必ず例文を読ませそれを参考に書く、つまり『英借文』しなさい、と言っている」、「一人一文読む活動の時、『読めません。』のセリフはOKで、『どこですか?』のセリフはだめ」。
こういった一つひとつの取り組み、考え方が、長い時間かけて「松下ワールド」を作ってきたのだと実感しました。
阿原成光さんからはこの実践について
こういった一つひとつの取り組み、考え方が、長い時間かけて「松下ワールド」を作ってきたのだと実感しました。
阿原成光さんからはこの実践について
- 遅れがちな子ども達に学習意欲を起こさせるのは「表現」である。五行詩の紙面から伝わってくる。
- それを3年間通してくり返しやらせていることが大事。若い方はぜひこの五行詩をやらせてみるとよい。
- 学び方を子どもに伝えている、つまりノート作りをしっかりやらせている。学び方を学ばせることにうんと時間をかけている。
- 英語通信で思いを伝え、共有している。
参加者の感想
- 都合で1時間しかいられなかったのに、こんなにたくさんいただいて帰れるのがすごいと思います。ありがとうございました。
- とても参考になった。今大学院に通いながら高校の非常勤講師をしている。自分も今日得た物の中から少しでも実践してみたい。
- 一緒の職場で間近で見ていた一つ一つの取り組みが今日始めて一つの流れとしてつながってわかりました。こんな風に一つ一つ意味を持って、思いをこめてやられていたんだ、ということが今日改めて分かって本当によかったです。
- 授業ノートにマンガを自由に描き、自分が興味持ったことを英語にしていた。そしてそれを英語通信に載せてまわりの生徒が評価していた。興味のあるところから英語にも興味を持たせるのが大事だなあ、と思った。自分も工夫して取り組んでみたいと思った。
- 特に授業ノートが本当に生き生きと楽しんで作られているのがすごいと思った。ここまでになるには相当ねばり強く、あきらめないで、励まし続けているのだと思う。本当に素晴らしくぜひ見習いたいと思う。
- 小学校の教員ですが、英語授業導入で苦労しています。中学でこんなに丁寧に豊かに教えてもらっているなんてありがたく思います。
(連絡先:安部直子)
(2008年9月13日)