■ 神奈川新英研6月例会
2008年6月
6月21日大倉山記念館にて、参加者13名で。
●近況、最近取り組んでいること
・文法を説明するときに生徒や先生の話題を入れる。生徒が興味のある人生についてなどを取り入れる。
●授業でうまくいかないこと、悩んでいることなど
・参加型の授業に出来ない。意見言う子が少ない。問題を答えてもらおうとしても黙ってしまう。眠ってしまう。
●実践報告(高校)
「テレビ番組『ビギン・ジャパノロジー』(NHK総合)を使った高校の授業〜
からくり人形、風呂敷など日本文化を知る」
和田さつきさん(橘学苑高校)
会報担当の和田が今回は珍しく、少人数のクラスでビデオを見せる授業をした実践報告です(いつもは文法ばかりですから…)。例会では『ビギン・ジャパノロジー』の「風呂敷」「からくり」などをみていただきました。ピーター・バラカンさんとアシスタントの方と英語を話す日本人ゲストの3人が出演する形式で和気あいあいとした『ジャパノロジー』でした。
会報担当の和田が今回は珍しく、少人数のクラスでビデオを見せる授業をした実践報告です(いつもは文法ばかりですから…)。例会では『ビギン・ジャパノロジー』の「風呂敷」「からくり」などをみていただきました。ピーター・バラカンさんとアシスタントの方と英語を話す日本人ゲストの3人が出演する形式で和気あいあいとした『ジャパノロジー』でした。
ビデオ
『ビギン・ジャパノロジー』の概要と生徒の感想- 風呂敷:風呂敷の包み方、歴史的な経緯を紹介。「なぜ泥棒は唐草模様の風呂敷なのか」
- からくり:江戸時代のからくり人形が時計の技術から発達したことや日本のロボット技術まで話題を展開する。
- 日本の笑い:森美術館の展覧会を見ながら、笑いを分類。「アルカイックスマイル(古代の微笑み)」「エニグマティックスマイル(謎の微笑み)」「笑いの地位は低かった」「放屁合戦」などが紹介される。
- 和紙:和紙を精錬する技術は宗教的な意味合いがあったことや携帯電話の軽量化に役立っていることや和紙の靴下があること、バナナの皮で和紙を作ることを海外で指導している日本人の話。
参加者の感想
日本の文化について英語で紹介されているところ、とても興味が湧きました。ガイドさんが日本のことについて説明できており、生徒にとって独自の文化を自分の力で説明する大切さなど「気づき」が生まれるのではないだろうか。少し詳しすぎるので、大まかな枠組みを紹介してからビデオを見せるといいかなと感じました。●実践報告(中学)
「他者への想像力を大切にすることを目指して ―ケビン・カーターの生涯を通して生徒と考えたこと―」
廣瀬光恵さん(町田市立鶴川第二中学校)
事務局からの告知では「スーダンの飢餓を伝える写真『ハゲワシと少女』を撮ったことで人生が大きく変わってしまったケビン・カーター。三省堂の『New Crown』で長く使われている、このレッスンを生徒たちとどのように取り組んだかを紹介していただきます」という内容でしたが、廣瀬さんが大学4年で交換留学生としてフィリピンを訪れ、その体験を元に作ったDVD教材を見せていただいたので、参加者の関心の焦点は「フィリピンの現状はどうなのか」「教室で生徒にどうやって伝えるか」になったように感じました。
A:英語教師になりたかったので英語圏に行きたかった。大学4年生の今しか行けないところへと考えた。途上国で生活をして感じてみたいと思った。
・ 資料を配布+最後にWhat do you think?と問う=「別紙で提出」:
事務局からの告知では「スーダンの飢餓を伝える写真『ハゲワシと少女』を撮ったことで人生が大きく変わってしまったケビン・カーター。三省堂の『New Crown』で長く使われている、このレッスンを生徒たちとどのように取り組んだかを紹介していただきます」という内容でしたが、廣瀬さんが大学4年で交換留学生としてフィリピンを訪れ、その体験を元に作ったDVD教材を見せていただいたので、参加者の関心の焦点は「フィリピンの現状はどうなのか」「教室で生徒にどうやって伝えるか」になったように感じました。
廣瀬さん
- (1)信念:教育学の教授の言葉「情報の意図を読み取れ」「字面だけを追ってはいけない」、情報を正しく読み取るには正しい知識も必要だが、最終的には「情報の向こう側にいる人間への想像力」だと廣瀬さんは考えている。
- (2)フィリピン留学:大学時代にパヤタス(第2のスモーキーマウンテンのそばの町)に1年間滞在した。交換留学生として月額10万円ぐらいで生活。3年まででほとんどの単位をとって、教育実習はあとでとった。NGOが運営するフリースクールの小学校にかかわった。その小学校の校長先生が「スモーキーマウンテンに 登ってみる?」ときいてくれた。しかし「生活者ではない外国人の自分が山の上に登って、どうなるんだろう?」「彼らの仕事場なんだ! 軽々しく行ってはいけない」と思ったが、登らせてもらった。そのときのことをもとに「The Republic of the Philippines 笑顔と可能性の国」という、手作りのDVD教材(キャプションつき)を作成した。
質疑応答
Q:フィリピン留学のきっかけは?A:英語教師になりたかったので英語圏に行きたかった。大学4年生の今しか行けないところへと考えた。途上国で生活をして感じてみたいと思った。
「ハゲワシと少女」
廣瀬さんの見方:写真などに記録されたものは事実ではあるが、あくまでも「事実の一部である。・ 資料を配布+最後にWhat do you think?と問う=「別紙で提出」:
- 山本宗輔『フィリピンの最底辺を生きる』(岩波フォト・ドキュメンタリー 世界の戦場から)
- Days Japan「世界がもし100人の村だったら」特集写真版 Vol. 4 No. 3 (2007 MAR)
- 教科書マニュアルにある資料で「当時の状況を知ろう」(廣瀬さんはマニュアル資料に加筆して分かりやすく提示しています)
英作文と感想
「If I were in Carter's place,… もし私がカーターの立場だったら」を英語・日本語で書いてもらい、英語通信『English Journal』で共有した。発展
ジョン・レノン:テレビ番組「そして音楽が始まる」(テレビ東京)でImagine ジョン・レノン特集を見せ、- 歌を聴く(穴あきシート)、
- 映像(誕生秘話:イマジンの歌はオノヨーコからもらった本にinspireされて出来た)、
- 自分はどうしていくかを問う(personalization)の順で展開する。
会報担当から
スモーキーマウンテンに行ったことがある人は、廣瀬さん、Mさん、Yさん、Iさん(この夏に訪問)の4人。参加者13名のなかで4人もいることに驚きました。
(連絡先:萩原一郎)
(2008年10月24日)