■ 埼玉新英研12月例会

2007年12月
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2月6月9月12月
12月10日(日)浦和コミセン(パルコ10F)にて、参加者13名。

1)「他を知り、自己を知るをテーマに―高校での実践(プロジェクトワーク)」

三浦幸子先生(都留文科大学非常勤講師)
 高校2年生での「外国事情」の授業における実践の報告がなされた。
  他の国とそこに住む人々や文化を知ると同時に生徒たちがお互いにより知り合うということ(生徒が相互対話を行いながら他との新たな関係性を築き、多様な価値観への尊重と自己実現をめざす)ことが目的で、各生徒が自分で選んだ国について調査しスピーチする実践。
  教師のモデルスピーチは単なる地理、観光に焦点を当てたものではなく、国旗の意味から国の独自性を尊重できるものにしてあり、また、何かしら人々の生活の苦労や社会問題を盛り込んであった。
  生徒たちは、聞いている生徒が理解しているかどうかをきちんと意識しながらスピーチをしている点がすばらしかった。また、わかりやすい絵、図、表が用意されていて、本当に理解してもらいたいという気持ちがよく表れていた。
  先生自身が、この発表で知った韓国の国旗の由来を韓国に行ったときに話した所、韓国の人との関係がぐっと良くなった話は、この実践の本質を語っていた。この実践は追実践しやすいように「アクティブスピーチ」という英語教育教材として市販されるので、是非学校で購入したいものである。

2)「Conflict Management」

松井ケティ教授(清泉女子大学)
 地球市民学専攻の内容を中心に協調的に紛争を解決する方法について英語、日本語で話された。
  conflictを学ぶ意義としてあげられた5つは、とかく否定的に捉えられるconflict自体がプラス要素を持っているという新しい視点を与えてくれた。
1. A lot of people spend a lot of time and energy in conflict
2. We can learn to manage conflict
3. We need to learn about the causes of conflict, and ways to settle them
4. Studying conflict helps us to make our life more joyful, caring and loving
5. Conflict helps us to see problems more creatively, from a new perspective with new ideas
  .自分や他人を尊重することがconflictをうまく処理する力として大事で、そのワークショップとして、自分の良いところをペアに話す活動を行った。また、自分の思いをわかりやすく伝えたり、相手のことを注意深く聞いたりすることが大事で、門限について考えが違う場合の親子の話し合いのしかたについての例があげられた。 "I" messageが大事なこととしては、「親業」というものがあることもわかった。
  参加者の中には、教室の人間関係に対してどう対応したら良いかという点でたいへん示唆に富んだものだったという感想があった。英語教育の目的のひとつを平和な社会の形成と考える新英研にとって、さらに学びを深めたいテーマだった。

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(文責:竹島)
(連絡先:浅川和也)
(2008年7月13日)