■ 神奈川新英研7月例会
2007年7月
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2月4月5月6月7月10月11月12月
 7月14日、大倉山記念館にて。参加者:10名

●実践報告(高校)

「英語2での習熟度別授業について考える」

西村正さん(市立戸塚高校)
 少人数制と抱き合わせで導入されることが多い「習熟度別授業」の効果はいかに? 戸塚高校でのケースを報告してくださいました。
(1)習熟度別授業
  • 習熟度別授業:戸塚高校では2年次から英語と数学で実施、4年目。
  • クラスの名称:英語2a(標準)と英語2b(発展)で4単位。高1の7月に生徒がどちらかを選ぶ。中間テストの素点などで判断。年度途中でのクラス移動は認めない。25人が上限。
  • 英語2以外の習熟度別:英語文法(2年次選択2単位)、リーディング(3年次3単位)、グラマー(3年次選択2単位)、ライティング(3)、OC2(3)、異文化理解(2)
(2)生徒アンケート
  • 「一度模擬授業をすべきだと思った」「年度途中の移動を認めてほしい」「少人数だと質問しやすい」「人数が少ないのは良いと思うが、aとbに分けても大して変わらないと思う」
(3)質疑応答
  • Q1:なぜ習熟度と少人数がセットなのか?
    A1:県教委、横浜市教委で決めている。
  • Q2:aとbの選択は生徒自身がするそうですが、目安は?
    A2:「70点以上の人ならaかな?」「4.5以上ならaかな?」と話しておく。
(4)参考
  • 佐藤学『習熟度別指導の何が問題か』岩波ブックレットNo. 612 (2004)
(5)参加者の感想
  • 少人数は良いが習熟度別は能力別と同じ。20人以下でやればみんなできるはず…?
  • 少人数と習熟度が抱き合わせとは驚いた。川崎市の中学でもここ数年、習熟度別授業をやっている中学があるけれど、どこか「研究のための研究」みたいに感じられます。
  • 2年次から習熟度別クラスで自分のレベルに合った集団で授業を受けられると、3年になるまでに基礎力をつけ易いと思います。

●実践報告(中学)

「タフな教室のタフな練習活動『弾丸インプット〜英単語ビシバシ編〜』など」

泉康夫さん(川崎市立白鳥中学校)
(1) 現在は「白鳥(しらとり)」という校名のごとく、スワンのような生徒たち(?)に囲まれている泉先生ですが、2002年6月例会での実践報告「『リピート アフター ミー』してくれない子たちを前にして」というタイトルが象徴するような状況にこの数年は苦しんでいらっしゃいました。その状況から脱すべく、効果的なポイント制を確立し、生徒に迎合することなく、授業にメリハリをつけました。また、「通奏低音」「サブリミナル効果」(?)というより、「おもいっきり」ベトナムを全面に押し出した諸活動ではありますが、単語が覚えられる工夫が随所にあるため、遅れがちな生徒も「単語が書ける」と自信がつき、生徒が成果を実感し満足することで(これが保護者からもクレームを受けない「予防線」となり…)、どうしても伝えたいアジアの歴史とベトナムの現実を知らせるという目的も完遂されました。
(2)参加者の感想
  • 泉さんの集大成で新しく気づいたこともあり、改めて「工夫の深さ」に感心しました。ベトナム旅行の教材化は誰でも自分の経験で応用できそうですね。
  • これなら高校の授業に取り入れられるなと思いました。列で並んで、英文を覚えるのはなかなか良いかも知れない。


(連絡先:萩原一郎)
(2007年12月16日)