■ 神奈川新英研12月例会
2006年12月
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2月3月4月5月6月7月11月12月
 12月16日、大倉山記念館にて。参加者12名。

●実践報告

「中高一貫教育の中で、生徒の英語力をつける取り組み」

伊藤正彦さん(大妻多摩中学・高校)
 中高一貫校になる学校が増える中、注目のレポート。チームで行うという提案があり、考えさせられました。

(1)目標:
「英語の力と人間教育のバランス」「英語の楽しさ」「英語を読んだり聞いたり情報を取り、発信すること。大学受験につなげる」「大学入試を突破する力」「入りやすい外国語として学び、世界を広げる。英語の基本的な構造がわかる。内容の良いものを読ませたい(ラムの『シェークスピア物語』やモームの作品)」。
  • 三本柱:
    (a)受験に対応できる学力をつける
    (b)実践的コミュニケーション能力の育成
    (c)英語教育を通した人間教育

(2)取り組み
  • 英語科のチームでする:1人で出来ることはたかが知れているので、チームで取り 組む。新人を1人にしない。合い言葉はRIKI。Responsibility(責任)、Improvement(改良)、Reconstruction(再建)、Integration(統合)。
  • 同じ方針で:訳読したり、英語だけの授業をしたり、教員によってバラバラなのは生徒に迷惑だ。Does everybody act with the same policy?
  • キーワード:「音読重視」「スパイラルな指導」「インプット量を増やす(話したら→書く)」「自己表現活動の中で定着(Opinion Sheetを使ってディベート)」[予習シートの活用]「語彙力重視」

(3)活動
  • イングリッシュ・アワー:英語を使って舞台発表。好評で生徒アンケートで2位。中1は『クラウン1』のLet’s Talk 2にある会話文を用いて、寸劇でWhere is the toilet?という質問者と受付の人が会話をするが、「もしも男か女かわからない人が受付に来たら…」「耳の遠い人が受付だったら…」などの設定で演じた。中3はキング牧師のスピーチ。
  • Opinion Sheetを使って:高3では、P.F.C.マークという青年が誤射されて死ぬ間際に「Mother」と言ったという話を読んで、なぜ「Mother」と言ったかを考えて、日本語でまず書いて、「自分の意見を英語でまとめる」。中3では、ウェールズの言語について話のところでLanguage is the life of the people who use it.という文章があるので、「言葉についてあなたの考えを書きなさい」という設問。
  • Super Input:教科書の1ページずつにあわせたワークシート

(4)その他の情報
*パレットの色を増やすには、方々の民間研修に足を運べば事足りますが、仮にパレットに10色あっても、荒れた学校では使える色が3,4色に限られたりします。しかもそのままの色で使えることが少なくて、例えば普通のピンクをショッキング・ピンクにしなければいけない必要に迫られたりして苦労はいつになっても絶えません。

(連絡先:中村康雄)
(2007年6月23日)