■ 千葉新英研04年度講演会・総会

2004年5月
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3月5月10月
 5月29日(土)午後2時から柏市中央公民館5階和室にて6名参加。

講演「新英研と共に歩んだ32年の英語教師生活を振り返って」

今年の3月で市川工業高校を定年退職し、4月からは再任用教諭として千葉県立松戸秋山高校にお勤めの石井輝さん。「新英研と共に歩んだ32年の英語教師生活を振り返って」という講演。というよりもまとめの実践報告。

 まずは『石井輝の生い立ち』と題された年表を見ながら。一番左側に年代、その隣に履歴、その右に研究分野、一番右に世の中の事件その他。若くしてお父様が亡くなられたこと、大学時代に学生運動にのめり込んだこと、山にものめり込み遭難し3ヶ月入院して卒業が1年延びたこと、猛烈サラリーマンを2年で辞めて大学に戻って高校の教員になったこと、その大学では、現在早期英語教育の旗頭である吉田研作氏と机を並べていたこと、新英研第11回全国大会(六日町)に初参加しそれ以来25回参加していることなど、この時に初めて聞くお話もたくさんあった。その中で新英研の活動をしていながら4年間も新英研に入会していなかった『未加入問題』が発覚した。今後辞任問題に発展するかもしれない(笑)。

 次に、15年間勤めた国府台高校時代の実践。『英語の授業を通しての平和教育』として、英詩"White Shadows"と反戦マンガ"The Last Flower"を扱ったお話。その頃国府台高校では毎年秋に「平和を考える集い」が行われていた。教師集団の願いから生まれた全校生徒が参加する学校行事。映画を見たり合唱したりクラス討論をしたりと、今考えるとすごいことをやっていた。その一環として行ったのが上の実践である。詩の作者であるカーカップ氏の朗読も聞かせていただいた。

 次は今の石井さんを作り上げた市川工業高校での授業実践。『心を通わせ、仲間と共に成長しあえる英語の授業』という題名はご本人のお気に入り。実習ではとてつもなく優れた能力を発揮する生徒たちが英語となると苦痛そのものだという子が多い。そんな中で生徒の心をつかみ、お互いの成長に繋がる授業を展開して行った石井さんの授業には、今更ながら参加者一同感動を覚えた。苦手克服にはまず音読の習慣をということで、様々な工夫をしたプリントを作成してひとりひとり読みに来させ、読めたという達成感を与えることにより学習意欲を持たせた。英詩を作らせて作品をみんなで鑑賞し合ったり、班学習で手塚治虫の『ゴッドファーザーの息子』の英文教材を学ばせ、紙芝居を作って発表させたり、チャップリンの『独裁者』最後の演説を読んで、それを真似た短い演説文を書かせたりと、新英研に蓄積された様々な実践を取り入れて石井流にアレンジする意欲は、年齢を全く感じさせることがなかった。

 極めつけは英文川柳の取り組みであろう。「学校のこと、世の中のこと、目上の人に言いたいこと、腹の立つことを英語の歌で綴ってみよう」というふれこみで行った実践は、毎回作品を冊子にまとめている。見せていただいたが、生徒素直な気持ちが表れた素晴らしい作品ばかりである。日教組の教研集会でこのレポートを聞いて石井さんに熱い手紙を書いてよこした先生もいた程素晴らしいものである。

 最後には「英語の歌で生徒の心は癒される」というお話。新英研で紹介された様々な歌を聴かせて、『高度な知識が要求される専門科目の授業や実習で疲れ果てた彼らの心を癒してやろう』という気持ちを持つ石井さんは、やはりタダモノではない教師であろう。


 総会は活動報告、会計報告、活動計画を提案、了承されて、あっという間に終わりました。その後全員で飲みに行き、更に盛り上がりました。

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(連絡先:宇野智之)
(2004年11月21日)