場所:国立市立公民館ー参加者10名
1. 英語の歌ー指田徹
"Joy to the world
/ All the boys and girls now
/ Joy to the fishes in the deep blue sea
/ Joy to yo and me"
のリズミカルなレフレインが面白かった。思わず青い深い海の魚になったような幸せな気分になった。
2. 近況報告
挨拶ができない生徒が増えたり、集中力がなくなった生徒が増えて授業がやりにくくなってきた。
4月に定年退職して、93歳の母の面倒を見ているので、これからはなかなかサークルに来られなくなるからとたくさんの差し入れを持って参加して下さった柄沢さん。先日卒業生のクラス会によばれていったら、60歳になっていて自分はもっと年をとっていたことを忘れていて、びっくりした。教え児たちが元気なのがうれしかった甲斐さん。
生徒たちは文化祭で元気に「ヨサコイ・そーらん節」や「沖縄の島唄」を歌ってくれたという池田さん。5歳のとき農業機械で左足を切断して義足でサード手として甲子園の高校野球で活躍した今治西高校の曽我健太君のことを「自主教材 "Do you know this baseball player?"」に 教材化して生徒のやる気を出させた小美濃さん。 シャルロッテ・アルデブロンちゃんのイラク戦争反対のスピーチを聴いて読み、自分にとって大切だと思った文を選ばせてその理由といっしょに彼女宛のE-mailを書かせて送った田中さん、などの報告があった。
3. 夏期研修旅行報告
(a)「トルコ旅行記」 指田徹(田無3中)
トルコの通貨は120万トルコ・リラ=¥100。現地へ行けば、少なくとも挨拶ぐらいは現地語でと、いくつかを紹介。「メルハバ=Hello!」、「テシェッキュルエデリム=Thank you」、「ギュナユデュン=Good morning」、「アーフィエトオルスン=Tastes very good!」。トルコではサッカーが大人気。ドイツと地理的にも近く、戦後はドイツに多数の労働者が雇われて行ったこともあり、サッカードイツ留学などで仕込んでいてとても鋭い。人口の99%がイスラム教徒。早朝からコーランが町中に響き渡り、1日に礼拝は最低5回めメッカの方角に向かって行う。トルコ人はとても親日的だ。その理由は日露戦争によって当時ロシアに痛めつけられていたのが日本がロシアに勝ったことで解放されたからだと言う。トルコは世界遺産の宝庫であり、エーゲ海沿岸の古代都市アクロポリスの野外劇場は、山の斜面を利用して作った劇場で圧巻。古代の生活の中に芝居や歌などの芸術を楽しむ余裕があったのかという感慨深い気持ちになった。夜劇場の客席に座ってみると芝居を見ながら、海や星が見えた。
(b)「韓国スタディツアー」 塚本典子(東久留米・中央中)
「新英研の『韓国の歴史と平和を訪ねる研修旅行』は、私の人生に大きな影響を与えるすばらしい経験になった」と語り始めた。5.18運動記念館の入り口に掲げられていたことば、"History which does not speak the truth, and does not remember the past, Bound to be repeated." が今も印象強く、目に焼き付いている。
韓国がいかに当時の日本帝国の蛮行に虐げられ、耐え、抵抗してきたか。生田の人々の尊い命を犠牲にして、その塗炭の苦しみを乗り越えて、独立、自由、民主主義を勝ち取ってきたか。学生を中心に広がった民主化運動の歴史。市民、農民といった一般庶民をも巻き込み、多くの人々が犠牲になったつらいつらい負の歴史。その負の歴史に対して目をつぶらず、その事実に正面から対峙し、検証し、正確に後世に伝えていこうという姿勢。ドイツ国民がナチスがユダヤ人に対して行ったホロコーストに対して徹底的に追及し、弾劾していこうとする姿勢と共通している。
このような韓国旅行での勉強以外にも、塚本さんは、遊びもばっちりと経験してきた。こういう自分が楽しめる研修旅行であって、初めて旅の意味は深く身体に刻み込まれる。
- 韓国のエステを体験。ーすっかりあか抜けして一段と輝いてレポートしたいた。
- 韓国のカラオケ(ノレバン)に行く。ーホームステイの家族とおおいに楽しんだ。
- 本場韓国料理を楽しむ。ーテーブル狭しと多くの皿に並べられた家庭料理を満喫してきた。
4. 中間テストその他の情報交流
塚本さんは「"Hop Step Jump!"」という英語通信と「ペアワーク、友だちにインタビュー」を紹介。'Will'を使うものと'be going toー'の形の未来形を対比させて教えている。前者を単純未来と意志未来に分け、後者を「確実に実現する近い未来」として図解して説明している。こういう未来の考え方は日本語にないので、生徒には難しいと思う。
2人のレポートの後、都教委がコミュニケーション(25%)、知識・理解(25%)、表現能力(25%)、言語・文化(25%)として評価するように指導しているという話が出た。しかもそれぞれを「意欲・関心・態度」に分けて、A, B, C で評価しなければならない、という。これでは試験問題作りにも採点にもとても悩んでしまうし、生徒の学習活動をそこまで細かく分析したり、評価することは実際問題として不可能である。
たとえ、可能であったとしても、そんな評価で生きた生徒の学力や人格の何が測定できるというのだろうか?これは子どもの教育という現実を知らない役人の机上の理論にすぎないのではないか。参加者からは絶望的な疑問と怒りの声が出されていた。こういうことで現場はいたずらに混乱し、多忙になり、子どもたちと接する貴重な時間が奪われているのだ。
(b) 池田さんからは「韓国の英語教材から"What's Up?ー今日の新聞ーから」が紹介された。
その日の英字新聞の写真と説明のところをコピーして、
(1)集まっているのは誰か?
(2)何をしているか?
(3)「ハナ」という言葉はどんな意味か? [ハナ=ハングル語で1の意味で、みんなが一つになる祭り]
(4)何のためにしているのか?
もう一つの資料は、同じく韓国の教材で、生徒が知っている英語の歌をテープで聴かせながら、
(1)歌詞をばらばらに1行ずつ書いてあるものの順序を並べさせる。
(2)1行の歌詞の前半に続く後半の語句を選ばせる、
というような問題で、簡単ながら聞き取りや意味を把握させるための興味ある問題になっていた。
(c) 田中さんは「都教委が行っている『東京の教育改革』」についての資料を紹介。
「日の丸・君が代」についての新しい規制のことや、企業の論理と競争原理を学校現場に持ち込んで、全都立高校に「学校経営計画」や「数値目標」を立てさせてホームページで公開している問題などを話し合った。
終わってからはしばらく会えない柄沢さんを囲んで、いつものように夕食をとりながらまた盛り上がり、終電にやっとのことで駆け込んだ。
(連絡先:市村香代子)
(2003年11月27日)