■ 大教組10月教研報告
2003年10月
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1月9月10月12月
 10月26日(日)千代田高校で大教組教研が開催され、外国語教育分科会に20名が参加しました。
  1. 英語学習を通して平和や環境問題について学んだこと
    (大阪市教・井高野中・大谷美枝子)
     教科書の、(A)長崎広島(B)地雷(C)地球を守れ、の各課について、教科書以外のいろんな教材を使って内容理解を深める実践報告である。
    (B)では、受動態の学習には必ず、ピカソの「ゲルニカ」を扱った文を入れ、
    (C)では、環境問題の自己表現を書かせた。
     生徒たちはその中で「平和で豊かな世界を守っていきたい」と書いた。
  2. 週3時間で英語を教えるための工夫
    (堺・月州中・田辺恵美)
     英語週3時間に対する工夫の報告である。
     たとえば、教科書本文の訳読、説明の時間を減らすため、読みとりプリントを使用し、音読を重視してペアで音読の時間を多くとる、などである。生徒たちは急ぎ足で忙しくてもペアワークに喜んで取り組んだ。
  3. オーストラリア子連れ留学―長期自己研修制度を利用して―
    (府高教・茨木東高・中野雅子)
     授業実践とは異なるが、府教委の長期自主研修支援制度(3年以内、休職中給与なし)を利用して、2000年5月から当時小4と小2の娘を連れて今年2003年の8月までオーストラリアの大学で学んだ報告。1年間の母子3人の生活費は約350万円だったそうである。
     この留学がいわゆる「英語教員の研修」に認定されないなど問題点は多いが、体験が特に子どもたちに大きな意味を持った。
  4. 「ブー」とか「プゥ〜ン」って鳴らさんといて―子ども達と作る英語学習ソフト「添削くん for English」―
    (南河内・大阪狭山南中・岡谷安蔵)
     1時間の選択授業でコンピュータ教室が空いているときに使う、英語学習用パソコンソフトの実践報告である。
     報告は、分科会会場の黒板の白い紙のスクリーンにパソコンソフトの画面を映す形で行われた。誤答の時、鳴っていた「ブー」を鳴らさないようにするなど、子ども達の実態に合わせて、設定変更ができるそうで、可能性は大きい。
  5. 学ぶって何だろう―暗記から考える勉強へ―
    (大私教・千代田高・丸岡望)
     普通科総合コース、普通科文理コース、国際文化科という3つの課程で生徒の状況が大きく異なる私学の千代田高校に、昨年就職し、今年2年目の丸岡さんの報告。
     丸岡さんは、生徒の状況が困難な中で生徒たちの声に耳を傾け、勉強することで自信を取り戻し、本音を出せるようになった時に生徒たちが大きく成長することを知ったという。授業ノートの中で生徒たちは「世界が広がるのを感じる」と書いた。
     討論では、特にいわゆる「英語教員の研修」について多くの意見が出て、この間の大教組と府教委とのやりとりも紹介された。レポートについては、大いに学び合えて、参加者の満足度は大きかった。

(連絡先:谷浦健司)

(2004年2月14日)