■ 千葉支部3月例会

2002年3月
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3月5月
 千葉新英研3月例会報告、ちょっと長文です。
 3月23日(土)午後1時30分の予定が、参加者の遅刻により2時過ぎから。みんな時間を守ろうよ。事務局長やめるよ!柏市中央公民館5階和室2にて10名参加。初めての方や久しぶりの方がいらして、金太郎飴状態の例会に久しぶりの新風が吹きました。

 レポーターは市原高校の榎本泰子さん


「新英研ベトナム旅行報告と開発教育の実践」

 市原高校は5年目。英語科があり、今年英語科2期生を卒業させた。英語科は各学年20人前後。成績の上下の差が大きい。交通がとても不便な場所にあるため、英語科はずっと定員割れ状態。
教員になる前に日本文化紹介の雑誌を発行する半官半民の会社に勤めていた。父親がケニアに勤務していたので、会社の経営状態に不安があったこともあり退職してケニアに。その後教員になってからもケニアに何度か滞在し、計8回、延べ約半年の滞在となる。
ケニアはイギリスの植民地だったということもあり、とても近代化されておりきれいな所である。日本人のアフリカに対するイメージとはだいぶ違っていた。その誤ったイメージをどう変えて行けるかということで悩んだ。その時コロンビア大学日本校で英語授業の中で行う開発教育に出会った。

まず取り組んだのが難民問題。


 現代社会の授業で難民について学んだ生徒がもっと知りたいと私のところに言ってきたのをきっかけ。LHR2時間でウェビング(4人1グループ)。UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)から借りた難民問題紹介ビデオを視聴し、難民クイズとビデオの感想を書く。
 授業では、地雷、フェアトレード、ジェンダーについて実践。「地雷」では足を失った人の写真を、最初に上半身だけ見せて想像させる。『ダイアナ妃と地雷』『対人地雷』を読む。絵本『地雷ではなく、花をください』の英文を読む。『クリス・ムーン』を読む。「フェアドレード」ではフェアドレードの概念を商品から理解させる(グローバルビレッジ)。ちなみにこの日の洋服は上下共フェアトレードで購入したもの。

ここでQuiz on African Culture and Societyをどうぞ。いくつ正解できますか?

  1. The average temperature in African countries is:
    a.35° b.30° c.25°
  2. Most people in Africa live in houses made of:
    a.mud b.stone c.wood
  3. Most African countries are hot, so people wear:
    a.almost nothing b.T-shirts c.sweaters
  4. It's cool in some African countries because:
    a.they're near the equator b.the altitude is very high c.it rains a lot
  5. The number of supermarkets in Kenya is:
    a.0 b.more than 10 c.more than 50
  6. The number of golf courses in kenya is:
    a.o b.more than 10 c.more than 50
  7. The number of buildings in Kenya higher than 10 stories is:
    a.o b.more than 10 c.more than 50
  8. Most people in Kenya:
    a.speak Enlgish very well b.speak only their own language c.speak English but not very well
  9. Most people in Kenya run fast because students:
    a.have a marathon once a month b.have to walk to school far from their houses c.have to run all the time
  10. There are no air conditioners in people's houses in most African countries because:
    a.they're poor b.it's cool c.they love hot weather
 生徒に実施した結果、平均は英語科で70%、普通科進学クラス40%、非進学クラス60%と、英語の成績とは関係なく、世の中に意識感心のある方が高いという結果が出た。
いろいろなエピソードの背景に対する質問は、成績が悪い方のクラスがたくさん出て、成績の良い生徒は余計なことはやらなくていいというような反応であった。

次の「ベトナム」授業実践。


 新英研ベトナム旅行に参加。学校訪問も充実、戦争関係の場所に訪れたのも良かった。ホーチミンは2カ所。Cuchiのトンネルと戦争証跡博物館。
前者は中で生活が出来るほどのもの。後者を見た時のショックはものすごく、涙も出ないほどであった。フエに一番長くいた。
 学校訪問にとても感動。ベトナムの人たちの復興のエネルギーに驚き、生徒の取り組みのまじめさには参加教員一同からためいきが出た。中2の授業ではすべて英語で。イギリス発行の教科書だが、グローバル教育を正面に出したもの。
 ストリートチルドレンを教育する施設を見たが、単なる収容施設ではなく、芸術を学ばせるなど、生きる力を身に付けるカリキュラムがしっかりしていた。
最後にハノイに。天候不良のため、日程が短縮されて残念。フランス語がメインだというイメージを持っていたが、今は英語がかなり通じるようになっている。
この旅行の経験を元にベトナムについての授業を行う。その一つ。旅行の話を元に3行書いた。主として戦争証跡博物館の話を中心に話しをした。枯れ葉剤による奇形児のホルマリン漬けのびんが展示されていた話をすると、いつもはにぎやかなクラスがしんと静まりかえった。その3行はこれ。
  1. "I went to visit Vietnam.!
  2. "I visited the War Memorial Museum."
  3. "I was shocked to see many things there."
 そのあと生徒たちに自分たちの冬休みについて3行書かせた。この他、同僚のALTがアメリカとベトナムの友好団体主催のベトナムボランティアツアーに参加したので、二人で写真や音楽を使いながらの授業も行った。

榎本さんの報告の後、参加者が感想と自己紹介、そして関ブロに参加した人はその分科会参加報告を簡単に行いましたが、内容は省略いたします。

公民館の受付に使用報告書を提出して車を駐車場に取りに行っているスキに、参加者一同はいつの間にか柏の街に消えていました。きっと今頃はいっぱいやっているのでしょう。どうせ車だから行けないからいいけど。

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