■  富山支部11月例会
2001年11月
11月2003年
 11月10日(土)午後1時半より午後5時半まで、11月例会が開かれ、7名が参加した。
 パラグアイのアスンシオン日本人学校で派遣教員として3年間を家族とともに過ごされた森田先生の話を中心に実践を交換しあった。

1.森田先生のパラグアイ報告

 民族族楽器アルパの演奏をCDで聞きながら、パラグアイで年中咲いているという花木の写真、世界三大の滝・イグアス滝の写真や、「パラグアイへの旅」というテレビ番組を見た後、3冊の部厚い実践報告集を手にしながら、3年間の実践報告を聞いた。
(1)「総合的な学習・ハチドリタイム」の実践
 日本人学校では、「発見!みんなのパラグアイ」という大テーマのもと、「パラグアイの動物博士になろう」「星のミュージカルを開こう」「料理の名人になろう」の3コースを設け、小学校1年生から中学校3年生までの全生徒22名を巻き込んで、「総合的な学習の時間・ハチドリタイム」を展開した。パラグアイの自然・文化を生かしたテーマであること、児童・生徒に問題意識を持たせ、年齢差を配慮した活動を工夫し、発表の場を設定したことなど成功要因で、児童・生徒からハチドリタイムの学習活動が楽しいという声を引き出したといえよう。
 パラグアイでは外部講師を招き児童生徒の興味を深めることができたし、小人数ゆえ教師の目が行き届いていたという。一方、日本では来春より中学校で総合的な学習が行われるが、現実はどうであろうか。1クラスの生徒数や現実の教員数を考えると、活動が限られてしまうし、実りある学活動を展開するには問題が多いのではないか。
 最後に、パラグアイのお茶であるマテ茶を森田先生に入れてもらい、回し飲みながら、皆「アミーゴ」という気分にひたり、数時間パラグアイにいたような気分にひたることが出来た。3年間は、週の持ち時間が25時間から30時間という過密スケジュールだったけれど、放課後や土・日曜日には部活動がないのでかえってのんびりできたという。帰国後の現実が厳しいがゆえに、なんともうらやましいような話である。
(2)「生き方について深く考える生徒の育成」
 進路指導を単なる進学先指導に終わらせないために、森田先生は、例会などで報告されていた「自分史作り」を取り入れたり、身近なお父さん、お母さんに職業インタビューをしたり、施設訪問をしたり、職業体験学習をしたりなどの実践を行った。学級通信43号発行を通して保護者との連携を強めたり、生徒が紙上訪問・体験報告を行ったりと、今までの新英研の財産がパラグアイでもしっかり生かせたようである。
(3) 英文「紙しばい」発表
 生徒はパラグアイ在住で体験できたことを紙芝居に活かしている。スペイン語が挨拶文に入っていたり、テレレ茶を回し飲みしたり、モグラ君が月見をしたり、プラスティック袋が子供に捨てられ冒険の旅をしたりなど、夢のある温かいストーリィになっている。
 日本からの移民の人達の誠意と努力のおかげで、現地では日本人は尊敬されているという話をきき、「武器を使わない平和的な国際協力」の大切さにふれた気がした。

2.その他の実践報告

 宮越先生からは、フレーズリーディングを生かした海木実践の追実践報告、海木先生からはメッセージを込めた自作エッセイをテスト問題に生かしたという報告、宮岡先生からは例会で検討した「読み取りを生かした授業研究(中3Sunshine第7課)」の報告があった。

飾り

 7名という小人数であったけれども、お互いの息遣いが聞こえる例会の良さは、お互いの反応がすぐに得られ、それが励みになるということであろうか。生徒は褒められて育つというが、人間であれば誰しも同じ。我々教師もお互いに褒められ、認められて成長するのでは?それが例会の良さであると確認できた半日だった。

連絡先:森田康寛
(2001年12月24日)