■ 千葉支部12月例会

2001年12月
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6月12月
 千葉新英研12月例会報告です。長文になります。例会中に作成しました。
12月1日午後3時より県立小金高校応接室にて8名参加。

報告その1

 この4月から市立船橋高校の非常勤講師になられた鎌田明子さん
昨年度まで勤務されていた公立中学校での実践、『"Not Mines, But Flowers"を読んでのEメール交換』。以前にも例会で報告されましたが、その時はまだ途中経過でしたので、今回が完成版。実践報告は桐書房から出ている『現代と教育』という雑誌のVol.55に掲載されています。それを報告。小タイトルを追ってここに紹介。【 】内がタイトルです。
【夏休みが終わって】
"Not Mines..."の本の後ろに載っていた「難民を助ける会」への募金活動を。向こうから届いた領収書に'Nothing will ever improve unless we make it.'という言葉が書かれていたので、教科通信で紹介。募金に参加した生徒は誇りに感じたり感動したようだ。
生徒の感想から。
○もう一つ感動したことは、募金をしたことです。自分の少しのお金が役に立っていると思うと「私にだってできることはあるんだ」と強く感じた。
○普段他の人のことはどうでもよさそうな男子が募金に参加しているのを見て心が温かくなった。
【子どもたちに伝えたい~実践の動機とねらい】
  1. 習っている英語が教室を飛び出し、外の世界でも通用することを生徒に実感させることによって英語学習の意欲と喜びを新たにさせる。
  2. 英語学習においても中学生に現実の生活について思考活動ができるようにする。
  3. 英語の語学力をきちんとつけさせる。
【『サニーのお願い』~導入にビデオをみる】
20分ほどの短いビデオだが、生徒たちはほとんど言葉もなく身体を固めるかのようにして見ていた。絵本の方は、英語の授業で教科書とは違ったきれいな絵本を手にでき(40冊図書に頼んで買ってもらった!)、また、内容が深刻なためか、いつもざわざわするE組でさえ教室の空気が締まった雰囲気になっていた。

【"Not Mines, But Flowers"の英文を学ぶ】
生徒の感想。「かわいらしい絵本だが、英文は歯ごたえがあってむずかしい」

【クイズで学ぶ地雷の実態】
中学3年生になってもゲームは好きで、楽しく遊びたがるようだ。この地雷クイズゲームは、私も含めて生徒たちがいままで知らなかった地雷に関する基本的な事項を学ぶためのゲームとなった。

【外国からのメールを開く】
あらかじめALTの友人などに協力を求め、本を読んでメールを送ってもらってあった。「先生、この人何歳ですか?」「私たちと同じ本を読んだんだね」「すごい!!ニューヨークと交信できちゃって」今度はみんなもメールを出すと言うと、「英文書けないもん」などという自身がない反応が。

【日本からのメッセージ】
授業のなかで取り組むのは1時間だけで、残りは短縮日課の午後に。作業はペアで、手順は
  • 下書き・先生にみせてOKをもらう
  • 送信する 
そして内容のなかに入れることは、
  • メールのお礼
  • 簡単な自己紹介
  • 絵本に関すること
  • その他
とした。5クラス中72人強の生徒がメールを送った。

【おわりに】
生徒の感想から。
「国と国との争いで、人はなぜ暴力にはしるのだろう?罪のない人がキズつくだけで、なあ~んもいい事なんてないし、悲しむ人が増えるだけ。戦争に勝者も敗者もないと思う。ただ『ハカイ』だけがあると思う。過去にやってしまったあやまちは、もうどうしようもないのだから、未来にむかって、良い世界にしていけば良いと思った。そのために、自分はどうすればよいか考えた。
こんな感じの事を授業を受けておもった。「正直に授業を受ける前はあまり地雷などに興味などがなく、あまりやる気も出なかったのですが・・・(中略)英語の授業の中でこれほど興味深く取り組めた事は今までにあまりありませんでした。もう一度中学生に戻れたらまたぜひこの授業をうけて、今度は返事を書きたいです」

報告その2

 この4月から白梅短大の非常勤講師になられた森山淑夫さんの報告。
なんと例会の前にハリー・ポッターを見てきたとのこと。初日で立ち見だったそうです。ちなみに例会の時間にはいつも通り○○。これ以外にも名画を見まくり。退職後の時間をとても有意義に活用されているようです。私も早く定年を迎えたいです。
 肝心のレポートですが、短大での後期・保育科1年生との授業について。まずThe Enormous Crocodile by Roald Dahlについて。詳しくは『新英語教育』誌2001年8月号をどうぞ。本に付属の朗読テープ(by Stephen Fry)も使っての講義。実際にテープを聞かせていただく。これの日本語版があれば私の息子(4歳)に読み聞かせてあげるのですが・・・。たわいもない話ですが、絵と朗読がすごく良かったです。素直に上品に笑えます。保育科の生徒さんにはピッタリです。
 次に日本の歌が英訳されたものを扱った実践。The Japan Timesから出ている本とCDセットを使ったそうです。20曲くらい入っています。タイトルは"Japan's Best Loved Songs of the Season"。実際に聞いたのは"The Little Coconut"、つまり島崎藤村作詞「椰子の実」。歌うのにはちょっと難しすぎるようです。アルバムは春夏秋冬に分かれているので、季節に従って使っています。英語の苦手な学生が多いので、こういうものの評判はとてもいいようです。最後に先のものと同じ人によるハリー・ポッターの朗読テープを聞かせていただきました。

報告のあと

 報告のあと高木さんがいつものように膨大な資料を配付。
米国で反戦活動をしていじめの末退学になってしまった高校生の記事、あのバーバラ・リー議員の資料、そして国府台・小金・東葛飾高校生編集会発行による「2001年3月卒業 命令より話し合いを~学校自治を貫こうとした3ヶ月の記録」。最後の資料は小金高校の高木さんに連絡をすれば500円で入手可能です。連絡先は(0471)72-8732(高木自宅)です。

 そのあと少しだけ町田程子さんのオーストラリア短期留学引率話がありました。
町田さんの学校の生徒達は、向こうの学校が用意してくれたESLなんかよりも、言葉はわからなくてもいろいろな授業に出て、できるだけ多くの生徒と知り合う方が良かったという感想を述べたそうで、教師との考え方のギャップに驚いたとのことでした。

 この他にも石井さんの例のやつ、今回の例会責任者の家森二郎さんのサッカー部顧問奮闘記が予定されていましたが、時間切れ(森山さんがレポートしたら当然ですね)で流れてしまいました。家森さんはきっと近いうちに素晴らしいレポートをしてくれることでしょう。ねっ。

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