■ 関東ブロック集会
2011年
2011年関東ブロック集会<全国大会プレ集会>

1.「小学校の現場から」 報告者:丹下加代子さん(愛知・小学校)

<小学校英語の実態>
(1)子どもの実態
いじめられっこのヨシコ。→ペア活動から集団に入った。英会話からいじめが解消した事例。英語だと言いやすいI'm sorry.で謝って解決することもある。
(2)不登校の子の指導>
マスクで自分をかくす対人恐怖症の子 その子が「英語は得意かもしれない」と言えたことを評価。
(3)4年生あたりから嫌いと答える子が増える。教科の負担が増えたクラス担任は多忙化がすすみ、トイレに行く暇もない。その中で専門でない英語をやることの大変さ。
タスク活動をやっている。ゲームと英会話ばかりの英語の授業がつまらないと思っている。大きい声で話せ、間違えてもいいと強調。私がイヤだと思うと授業がうまくいかない。間違えると丹下先生でもそうなんだと安心してもらえる。レパートリーを増やしていくがゲームと英会話も併用。子どもたちは私の英語は聞いていない。ALTの英語は聞いている。『文科省 発音の手引き』口蓋図付き、が配られた。『英語ノート』には中国人、フランス人等々多様な言語があることが入っていておもしろい面も。
わからないと言えることが大事。他の教科でもわからないと言えるようになる。タツオの事例。特別支援の教室にいたが国語算数は1なのに英語は言える、こういう事例もある。タスク活動の実例はプリント参照のこと。ベトナムでは兵士の名前が多い、アジアには〜スタンという名前の国が多いのはなぜだろう、という好奇心が湧いてくる。
2.中学校の現場から 報告者:柏村みね子(東京・中野三中)
【報告:詩と交流と表現で ことばをまるごとつかむ〜少人数授業の課題を見据えて〜】
- <Part1> 小中高の連携〜ギャップはあってもいい?
-
小学校から中学校へ
・あえてギャップをつくる
(1)最初はすべて英語で(2)ローマ字を教える→英語になった日本語を利用(3)アルファベットの歴史(4)アブクド読み(5)文化、時事問題を扱う - <Part2> 中学英語授業でめざすこと
- 1年生 言語としてのおもしろさ 2年生 文化にふれる 3年生 人間に感動する
1.表現と交流について
2.Book-making
3.それでも本当にしんどい入試前の3ヶ月 - <Part3> 中学英語授業をめぐる状況 ― 少人数制授業は何が問題か
-
1.週3時間で入門期の英語は身につかない
2.入試の英語
3.観点別評価
4. 少人数・習熟度別授業
3.高校の現場 萩原一郎(神奈川・城郷高校)
【報告:どこで英語を使い、どこで日本語を使うか】
- 新学習指導要領(高校編)の特徴
- 英語を使えとの文言を入れるのは反対だが高校の教師があまりにも英語を使わないのも問題。
- 指定文型・文法事項の大幅な簡素化
- 高校における英語指導
(1)したたかな高校英語教師
(2)中高の連携は不十分 中学教科書を読んでいない 橋渡し教材で済ます
(3)英語ⅠとOCⅠの棲み分け
(4)背伸びした教科書選び
(5)英語I、II、リーディングでは単語、読解(訳読)と文法が中心
- 高校の授業をこう変える
教室英語/ペアワーク/オーラルイントロダクション/音読/retelling活動/復習重視
・creative writing 生徒の作品例
<参加者の発言から>
- 大学生:青山学院大学4年生。大修館の『英語教育』をみて。5月には教育実習に行く。やはり高校の授業が訳読式だったのでそのイメージしかない。今日は多くのことを得ることができた。
- Iさん:学童保育の指導員をしていて小学校1年から英語の塾に行っていた生徒をどう扱うべきか、公文とか。スタートラインが一緒でなくなる。英語の学力差が小学校の低学年にまで下がってきたといえる。
- Oさん:少人数クラスの問題点。組み合わせたくない生徒に限って一緒になったりする。柏村レポートは同僚性への配慮があって(教師)集団を大切にしている。教職員定数などの教育条件確保が何より大切。
- 千葉・保護者:先生の側でこれほどご苦労されているとは思わなかった。先生方に言いたかったこともあって来たがゴックン。子どもにもよく言います。
- 大学生:東京町田出身で去年教育実習。少人数の問題点を感じていたので。
- 東京・高校勤務:達人セミナーで知って。1クラス2展開であればうまくいっている場合も多い。2クラス3展開はクラス分けなど事務作業が大変。中学校は入学時の生徒のそれぞれの背景が違っていていわば「均質」で入ってくる高校とは違うだろう。
- 大学生:新英研は素晴らしい。教育・授業のかなめは教師と思った。小中高大の英語教育の方向がつながることを希望する。小学校でもアイヌやアボリジニーを取り上げるとか。
【まとめ】
中高ですら連携するようなこうした研究の機会はない。
丹下レポートは子どもにとっての英語の新鮮さを述べた。30年前に比べ、外国籍の子どもも増えて英語は数ある外国語のひとつになっている。
柏村レポートでwhole languageが出されたが、各教科の連携ということの大切さを改めて感じた。一年の担任をしていて「困った子」でなく「困っている子」をどうしようかと毎日考えている。一人一人に発表ができるようにさせたい。
萩原レポートからは「やはり出口は英語で」というまとめに共感した。
中高ですら連携するようなこうした研究の機会はない。
丹下レポートは子どもにとっての英語の新鮮さを述べた。30年前に比べ、外国籍の子どもも増えて英語は数ある外国語のひとつになっている。
柏村レポートでwhole languageが出されたが、各教科の連携ということの大切さを改めて感じた。一年の担任をしていて「困った子」でなく「困っている子」をどうしようかと毎日考えている。一人一人に発表ができるようにさせたい。
萩原レポートからは「やはり出口は英語で」というまとめに共感した。
(研究部・関口昭男)
2011年全国大会プレ集会(関東ブロック研究集会)のお知らせ
「外国語教育と平和の文化の接点を考える春季ゼミナール」
共催:新英語教育研究会・平和の文化をきずく会どうつなぐ小・中・高の英語教育 〜今、教育の現場で何が起こっていて、何が課題なのか〜 |
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期 日: | 2011年5月3日(火/祝) 12:30〜 |
場 所: (会場) |
国際協力機構JICA 地球ひろば 301会議室(代表電話:03-3400-7717) ●国際協力に関する展示もありますので、お早めにお越しいただき、 ご覧ください。
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参加費: | 1500円(学生 500円) |
内容・日程: |
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(2011年4月12日掲載/5月27日更新)